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トランプ氏、米韓演習の大幅縮小を指示 北朝鮮に融和姿勢、中東情勢が朝鮮半島に波及も

出典
Korea Economic Daily

概要

  • ドナルド・トランプ米大統領は、米韓合同軍事演習「乙支自由の盾(UFS)」の規模を大幅に縮小するよう指示し、北朝鮮に融和的なシグナルを送ったと明らかにした。
  • トランプ大統領は、長期化した「イラン戦争」と物価上昇に伴う世論悪化を受け、11月の中間選挙を前に北朝鮮問題で短期的な外交成果を狙っていると伝えた。
  • 米国内では、今回の措置がアジアの同盟国の安全保障不安を高め、米国の防衛公約抑止力への疑念を強めかねないとの見方が出ている。

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トランプ米大統領は、米韓合同軍事演習「乙支自由の盾(UFS)」が始まった8月16日(現地時間)、演習規模を大幅に縮小するよう指示した。

写真:Shutterstock
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トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「金正恩・北朝鮮国務委員長と私が非常に良い関係にあることを考えると、米国がずっと前に韓国との合同軍事演習への参加に合意したのは気に入らない」と投稿した。米韓の軍当局は8月16日から8月27日までUFSを実施している。トランプ氏は日本時間8月17日午前6時4分、演習開始当日にこの投稿を載せた。

さらに「米韓合同演習には多額の費用がかかり、その費用のかなりの部分を米国が負担している」としたうえで、「北朝鮮に全く不適切で敵対的なシグナルを送っている」と主張した。「中止するには遅すぎる」とも書き込み、ピート・ヘグセス国防長官に「合同演習を大幅に縮小するよう指示した」と明らかにした。

トランプ氏が北朝鮮に融和的な姿勢を示した背景には、11月の中間選挙をにらんだ政治的思惑があるとみられる。長期化するイラン戦争で明確な突破口を見いだせないなか、北朝鮮問題を通じて短期的な外交成果を狙う構図だ。この過程で、イラン情勢や対米投資、防衛費を巡る韓国への不満もあわせてにじませたとの解釈が出ている。

トランプ氏の直接の狙いは、金委員長を再び交渉のテーブルに引き戻すことだとの観測が強い。米韓合同演習は北朝鮮が一貫して中断を求めてきた代表的な対米要求の一つだ。トランプ氏は第1次政権時の2018年のシンガポール米朝首脳会談直後にも、合同演習を費用のかかる「ウォーゲーム」だと批判した。その後、同年8月に予定されていた「乙支フリーダムガーディアン(UFG)」演習は中止された。

トランプ氏は今回の投稿の約30時間前にも、金委員長との親密さを異例に強調していた。8月15日午前11時8分、トゥルース・ソーシャルに金委員長との過去の写真を投稿し、「金正恩と私は非常にうまくやっている」と書き込んだ。

中間選挙を前に、イラン戦争から北朝鮮へと世論の関心を移すため、米韓合同演習の縮小カードを切ったとの分析もある。イラン戦争の長期化に伴う物価上昇で、トランプ政権への国民の不満は強まっている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)の世論調査では、有権者の53%超がトランプ氏の政権復帰後に経済状況が悪化したと答えた。

今回のメッセージには、韓国に向けた不満も色濃くにじんだ。トランプ氏は「やや無関係な話だ」と前置きしたうえで、李在明大統領にイランの非核化に向けた取り組みに加わる意思があるか尋ねたが、韓国側は「No thanks(遠慮する)」と答えたと明かした。UFSと無関係な案件を同じ投稿に持ち込んだ格好だ。

外交筋は、米国は韓国防衛に相当の資源を投じている一方、米国が求める域外の安全保障課題には韓国が十分応じていないというトランプ氏の認識が表れた場面だとみる。同盟を共通の価値より費用と貢献の交換関係として捉える、トランプ流の「取引的同盟観」の延長線上にあるという評価だ。対米投資の遅れも潜在的な不満要因として取り沙汰されている。米政府は、韓国政府が約束した対米投資計画を早期に履行するよう圧力をかけている。

米国内の専門家は、トランプ氏の投稿がアジアの同盟国の安全保障不安を高めかねないと指摘する。元ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)朝鮮半島担当のアダム・ファラー氏は「今回の事態は、アジアの同盟国に対する米国の防衛公約に疑問を投げかけ、抑止力にも潜在的に影響を与えるだろう」と語った。安全保障だけでなく、産業面でも韓国は同盟国として重要だとの指摘も出ている。

もっとも、トランプ氏が手を差し伸べても、金委員長が応じるかは不透明だ。韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「北朝鮮はロシアとの軍事・経済面での密着と中国との協力を通じ、米国に対する外交依存を大きく下げた」と述べた。そのうえで「譲歩してまで米国と対話しなければならない切迫感は弱まっている」と話した。

韓国大統領府は、韓国がイラン問題に手をこまねいているわけではないと強調した。大統領府は8月16日、「イランでの停戦とホルムズ海峡の自由航行回復に向けた国際社会の議論に積極的に参加してきた」と説明した。あわせて「朝鮮半島の防衛態勢や国内法上の手続きなどを踏まえ、実質的・軍事的な貢献策を米国側と緊密に協議している」とした。

キム・ダビン記者/ワシントン=イ・サンウン特派員/ハン・ミョンヒョン記者/キム・ヒョンギュ記者 davinci@hankyung.com

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