米企業決算にサプライズ S&P500の4〜6月純利益31%増
概要
- S&P500採用企業の4〜6月期は純利益が31%増加し、純利益率は16%近くに達して、ニューヨーク株式市場の上昇を支えている。
- AI導入によるコスト削減・生産性向上が利益率を押し上げ、PERは22倍割れまで低下して割高感が和らいだ。
- ウォール街はS&P500の年末予想を7894、今年の利益成長率を27%へ引き上げ、AI・半導体から金融・資本財へと業績改善が広がっている。
期間別予測トレンドレポート



米企業の4〜6月期決算が市場予想を大きく上回り、過去最高値圏にあるニューヨーク株式市場を一段と下支えしている。
ブルームバーグが8月15日に伝えたところによると、S&P500採用企業の4〜6月期純利益は前年同期比31%増えた。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が関連統計を集計し始めた1992年以降で、景気後退直後の回復局面を除けば最も高い伸び率となった。
当初のウォール街予想だった23%増も大きく上回った。すでにS&P500構成銘柄の9割超が決算を発表しており、上期全体の業績も2021年以降で最も強い伸びになる見通しだ。エヌビディア(NVIDIA)の決算発表も8月中に予定されており、ハイテク株の業績改善幅がさらに広がる可能性がある。
企業の収益性改善を主導しているのはAIだ。S&P500企業の純利益率はこれまで14%を超えにくかったが、今四半期は16%近くまで上昇した。巨大テック企業の高収益に加え、AI導入によるコスト削減と生産性向上が他業種にも広がったことが背景にある。
22Vリサーチは、AI活用による企業の利益率押し上げ効果を約1.5ポイントと試算した。ネーションワイド・ファンド・グループのマーク・ハケット主席市場ストラテジストは「過去5年間、AIはコスト要因に近かったが、今年からは利益を生む要因へ転じる変曲点に達した」と語った。
企業利益が株価を上回るペースで増えたことで、割高感もいくぶん和らいだ。S&P500の12カ月先予想PERは年初の約26倍から、足元では22倍を下回った。株価が上昇しても、企業利益の増加ペースがそれを上回ったためだ。
シタデル証券のスコット・ラブナー株式・デリバティブ戦略責任者は「ここまで市場上昇を支えてきたのは、バリュエーションの拡大ではなく企業利益だ」と分析した。
もっとも、AI投資に対する市場の目線は一段と厳しくなっている。単にAIに大規模な資金を投じる企業より、実際の売上高やキャッシュフローにつなげている企業に投資家の関心が集まっている。アマゾン(Amazon)やマイクロソフト(Microsoft)など、クラウド事業を通じてAI投資を収益化した企業が代表例として挙がった。
好決算は大型ハイテク株にとどまらない。8月12日までに決算を発表した米上場企業1500社のうち、約75%が1株利益(EPS)と売上高の両方で市場予想を上回った。S&P500の11業種のうち、利益が減少したのはヘルスケアだけだった。
これを受け、ウォール街は株式相場の見通しを相次いで引き上げている。S&P500の年末時点の平均予想は7894まで上昇し、現在水準からなお約1%の上昇余地がある。今年通年の利益成長率見通しも、年初の15%から足元では27%へ切り上がった。
業績見通しの改善は米国にとどまらず、欧州やアジアにも広がっている。欧州企業の4〜6月期利益は前年同期比18%増え、2022年以降で最も高い成長率となった。MSCIアジア太平洋指数の企業利益見通しも、6月以降に約10%上方修正され、同じ期間としては2009年以降で最大の改善幅となった。
市場では、AIと半導体を軸に始まった業績改善が金融や資本財にも広がっている点に注目が集まる。一部の大型ハイテク株に集中していた株高の原動力が企業業績全般へ広がれば、足元の上昇相場を支える材料になりそうだ。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.