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「あの時に聞いておけば」 サムスン電子30倍、ソウル住宅3倍で広がるため息

出典
Korea Economic Daily

期間別予測トレンドレポート

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株式相場が揺れ、住宅価格が再び上がるなか、10年以上前に物議を醸した発言が韓国のネット上で再び拡散している。李明博元大統領が世界金融危機のさなかに株式購入に言及した際、仮にサムスン電子に投資して長期保有していれば、株価は現在までに数十倍に膨らんだ計算になる。朴槿恵政権が融資規制を緩和し、住宅購入を促した2014年にソウルでマンションを買っていれば、平均価格は足元で約3倍になった。

当時は「大統領が株を買えと言うのか」「借金して家を買えというのか」といった批判が相次いだ。だが時間がたった後の結果は違った。最近はソウルの住宅価格が再び上昇し、株式市場は大きく動揺している。ユーチューブやオンラインコミュニティーでは過去の映像がアルゴリズムに乗って広がり、「あの時に言葉を聞いておくべきだった」「花が散ってから花だったと知った」といった反応も目立つ。

こうした反応の背景には、資産形成の機会を逃したと感じる若年層の現実がある。住宅価格はすでに大きく上がり、持ち家取得のハードルは一段と高くなった。資産を増やそうと株式市場に入った投資家の間では、最近の急落で損失を抱える例が相次いだ。折しも李在明大統領の支持率も下がっている。20代と30代の評価が低いうえ、李大統領の中核支持層である進歩層でも支持率は大きく落ち込んだ。不支持の理由では不動産政策が首位に挙がった。

「株を買えば金持ちになる」 18年後に再浮上した李明博氏の映像

李元大統領の発言は、2008年11月の世界金融危機のさなかに出た。米ロサンゼルスを訪れていた李氏は在米韓国人向けのレセプションで、「国内株価は大きく下がったが、今は株を売る時ではなく買う時だ」と語った。そのうえで「今株を買えば、少なくとも1年以内に金持ちになる」と述べた。さらに「買えと言っているわけではないが、原則はそうだ」と付け加え、企業の実際の価値に比べて株価が過度に下落していると説明した。

この発言は当時、論争を呼んだ。世界金融危機の終息時期が見通せない局面で、大統領が公の場で株式投資を勧めるような発言をするのは適切なのかとの批判が出た。

当時のサムスン電子株は40万ウォン台(約4万5000円)だった。2018年に実施した50対1の株式分割を反映すると、現在ベースでは1株1万ウォン前後(約1120円)になる。李元大統領がサムスン電子を名指しで買いを勧めたわけではない。ただ、当時の代表銘柄だったサムスン電子に投資して長期保有していれば、投資資金はほぼ30倍に増えた計算だ。

一方、最近になって株式市場に参入した投資家は正反対の状況を経験している。7月28日、韓国総合株価指数(KOSPI)は1日で10.84%急落した。翌7月29日も5.98%下げた。2日連続でサーキットブレーカーが発動し、この2日間で消えた時価総額は865兆ウォン(約96兆9000億円)に達した。

とりわけ借り入れで株式投資をした若年層ほど、急落の衝撃は大きいようだ。3月に韓国の大手証券2社の個人投資家口座約460万件を分析した結果、信用取引を利用した20代と30代の収益率はそれぞれマイナス17.8%、マイナス18.2%だった。信用取引を利用しなかった20代のマイナス6.7%、30代のマイナス6.6%に比べ、損失率は2倍を超えた。

「あと30%あれば家が買える」 12年後の現実

不動産市場では、朴槿恵政権期の政策が再び取り沙汰されている。2014年7月に就任した崔炅煥・当時の経済副首相は、「チョンセ価格が売買価格の70%水準にある現状では、あと30%あれば家を買える」と語った。政府はその後、住宅担保認定比率(LTV)と総負債償還比率(DTI)を緩和した。

当時の野党はこれを「借金して家を買えという政策だ」と強く批判した。家計債務を膨らませ、住宅価格が下がればハウスプアを量産しかねないとの懸念も出た。

その後、ソウルのマンション価格は長期にわたって上昇した。2014年に5億ウォン前後(約5600万円)だったソウルのマンション平均価格は、最近では15億ウォン前後(約1億6800万円)まで上昇した。約3倍である。崔氏も2月に過去の政策を振り返り、「最近でも『あなたの言う通り、あの時に家を買っておいてよかった。ありがとう』とよく言われる」と話した。

朴槿恵政権で「借金して家を買え」と打ち出した数年前の映像に寄せられた最近のコメント欄。出典:ユーチューブ
朴槿恵政権で「借金して家を買え」と打ち出した数年前の映像に寄せられた最近のコメント欄。出典:ユーチューブ

一方で、当時家を買えなかった若年層が直面する参入障壁は高くなった。2025年時点で39歳以下の若年層の居住住宅保有率は27.7%にとどまり、30%にも届かなかった。60歳以上は68.5%で、若年層との差は40ポイントを超えた。住宅を保有していた人にとって、この10年余りの住宅価格上昇は資産の増加を意味した。だが無住宅の若者にとっては、持ち家取得に必要な資金がその分だけ増えたことを意味する。

株で損失、家は遠のく 揺らぐ民意

最近になって2つの発言が同時に再注目されている背景には、世代間の資産格差がある。過去に住宅価格が相対的に低かった時期に住宅を購入した世代は、不動産価格上昇の恩恵を受けた。これに対し、遅れて資産形成に乗り出した若年層は、すでに大きく上昇した住宅価格に直面した。比較的少ない元手で資産を増やそうと株式市場に入った人たちには、最近の株安まで重なった。

20代と30代が相対的な剝奪感を抱きやすい足元の市場環境は、李大統領の支持率低下とも無関係ではないとの見方がある。韓国ギャラップが8月11日から8月13日にかけて全国の18歳以上の有権者1000人を対象に調査し、8月14日に公表した結果によると、李大統領の職務遂行を肯定的に評価した回答は44%だった。前回調査より7ポイント低下した。不支持は46%で、8ポイント上昇した。大統領支持率とKOSPI、不動産市場の変動率を比べると、最近は連動するような動きもみられる。

グラフ:シン・ヒョンボ記者
グラフ:シン・ヒョンボ記者
グラフ:シン・ヒョンボ記者
グラフ:シン・ヒョンボ記者

注目されるのは、既存の支持基盤の離反だ。進歩層における李大統領の職務遂行への肯定評価は、前回調査の83%から70%へ13ポイント低下した。イデオロギー別では最大の下げ幅だった。若年層の支持も弱い。とりわけ不動産政策に対する20代、30代の否定的な評価が強いなか、不動産市場と株式市場の変動が続けば、若年層の相対的剝奪感が政治的な重荷につながる可能性もある。

記事で言及した調査は、無作為抽出した携帯電話の仮想番号に対し、電話調査員によるインタビュー方式で実施した。標本誤差は95%信頼水準で±3.1ポイント、回答率は9.7%である。詳細は中央選挙世論調査審議委員会のホームページを参照すればよい。

シン・ヒョンボ 韓経ドットコム記者 greaterfool@hankyung.com

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