米景気に転機、ディスインフレ鮮明に 7月コアCPIは2.5%
概要
- 米国の7月コアCPIは3カ月連続で鈍化し、中東戦争前の水準である2.5%を記録したことで、ディスインフレの兆しが強まったと伝えた。
- 市場では、7月の賃金上昇率が総合CPIを下回り、物価圧力が弱まっていると分析している。
- これを受け、9月のFOMCで金利据え置きとなる可能性が高まり、年内の政策金利引き上げが後ずれするとの見方が出ている。
期間別予測トレンドレポート


7月CPIは中東戦争前と同水準
9月の金利据え置き観測強まる
原油・半導体高は波乱要因

年内の追加利上げが有力視されていた米経済に転機が訪れている。足元でディスインフレ(物価上昇の鈍化)を示す動きが強まっているためだ。米連邦準備理事会(FRB)による政策金利の引き上げは、早くても来年以降になるとの見方が強まっている。
最大の材料は、8月12日に公表された7月の米コア消費者物価指数(CPI)だ。変動の大きいエネルギーと食品を除くコアCPIは前年同月比2.5%上昇にとどまった。5月は2.9%、6月は2.6%で、伸び率の鈍化は3カ月連続となった。
7月の数値は、中東戦争勃発直前の2月と同じ2.5%だった。フランスの投資銀行ナティクシス(Natixis)のクリストファー・ホッジ主席エコノミストは、コアCPIの直近3カ月の指標を年率換算した上昇率が4カ月連続で低下していると指摘した。物価圧力が幅広く弱まっているとの見方を示した。

雇用市場を見ると、ディスインフレ基調は一段と鮮明だ。7月の非農業部門雇用者数は2万3000人減少した。失業率は4.2%から4.1%に低下したが、求職を断念した人が増えた影響と分析されている。
JPモルガン(JPMorgan)は、7月の時間当たり賃金上昇率が前年同月比3.2%と、総合CPI上昇率の3.4%を下回った点に注目した。JPモルガン・アセット・マネジメント(JPMorgan Asset Management)のデービッド・ケリー・グローバル主席ストラテジストは、実質賃金が上がらなければインフレは長続きしないと説明した。賃金と物価が互いを押し上げる現象は起きないためだという。
こうした状況を受け、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を取ってきたケビン・ウォーシュFRB議長は政策運営の余地を広げた。9月15〜16日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置き、10月と12月のFOMCまで物価動向を見極める時間を確保できるとの評価が出ている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は8月12日、「基調的なインフレは和らいでいるようだ」と分析した。FRBが7月に慎重姿勢を取り、金利を据え置いた判断の正しさを裏付ける内容だと伝えた。
ニューヨーク=ファン・ジョンス特派員 hjs@hankyung.com
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