ハイパーリキッド、取引高は過去最高でも収益43%減 HYPE買い戻しは半減
概要
- ハイパーリキッドは、未決済建玉と無期限先物取引高が過去最高を記録した一方、総プロトコル収益はピーク比で43%減少した。
- 収益減少に伴い手数料コスト比率が上昇し、HYPEの買い戻し額は2025年7〜9月期の約2億9000万ドル(約458億円)から2026年4〜6月期の約1億4900万ドル(約235億円)へ半減した。
- HYPEは過去最高値比で約28%安い55ドル前後で取引されている。中核貢献者保有分のロック解除、投資家注意リストへの追加、機関投資家による移管など、供給面と規制面の圧力も強まっている。
期間別予測トレンドレポート



分散型デリバティブ取引所のハイパーリキッド(Hyperliquid)で、取引高が過去最高圏にある一方、プラットフォーム収益は急速に縮小している。
コインデスクが8月9日に伝えたところによると、ハイパーリキッドの未決済建玉(オープン・インタレスト)は7月13日に110億ドル(約1兆7400億円)を超え、2026年の最高水準を付けた。直近30日間の無期限先物取引高は約1780億ドル(約28兆1000億円)に達した。世界の無期限先物の未決済建玉全体に占める比率も、5月末の7%未満から足元では約9%に上昇した。
これに対し、収益指標は悪化している。DefiLlamaのデータでは、総プロトコル収益は2025年7〜9月期に約3億5700万ドル(約564億円)でピークを付けた後、四半期ごとに減少した。2026年4〜6月期には約2億200万ドル(約319億円)まで落ち込み、ピーク比で43%減った。
収益減少の主因は、2025年10月に導入したハイパーリキッド改善提案「HIP-3」だ。HIP-3では、50万HYPEをステーキングした参加者なら、ハイパーリキッドのオーダーブック上に独自の無期限先物市場を開設できる。取引手数料の最大半分を受け取れる仕組みでもある。
いわゆる「ビルダー展開市場」は、2026年初めには全体取引高の約2%にすぎなかったが、足元では全体の約半分を占めるまで拡大した。手数料コスト比率も、2025年4〜6月期には総収益の6%未満だったが、1年後には18%へ上昇した。
取引高急増を主導したのは、実物資産(RWA)の無期限先物だ。原油、金、エヌビディア、テスラ、ナスダック100連動商品に加え、スペースXなど未上場企業の契約を含むRWA無期限先物の未決済建玉は、8月に36億ドル(約5680億円)となり、過去最高を更新した。ビットコインを抜き、プラットフォーム内で最大の市場に浮上した。
7月13日から7月19日までの1週間では、トークン化株式とコモディティーの取引高が250億ドル(約3兆9500億円)となり、週間全体の52%を占めた。暗号資産の無期限先物を初めて上回った。
もっとも、RWA無期限先物の成長の90%以上が単一のビルダー、トレードドットエックス(Trade.xyz)に集中している点はリスク要因だ。今週初めには、ある取引参加者が流動性の薄い韓国のプレマーケット取引所で大口の売りを出した。この影響で、トレードドットエックスのSKハイニックス契約価格は19%急落し、連鎖清算が発生した。トレードドットエックスは損失を補填することで合意した。
収益減少はHYPEの買い戻しにも直結した。ハイパーリキッドは取引手数料の約97%をアシスタンス・ファンドに振り向け、市場でHYPEを買い入れて焼却する仕組みを採る。同ファンドの買い入れ額は2025年7〜9月期に約2億9000万ドル(約458億円)だったが、2026年4〜6月期には約1億4900万ドル(約235億円)と半分程度に縮んだ。これまでに計4450万HYPEが焼却された。
HYPEは8月9日に55ドル前後で取引され、週間では5%下落した。6月16日に記録した過去最高値の77ドルに比べると約28%安い。年換算収益ベースの株価収益率(PER)は、流通時価総額対比で約16倍、完全希薄化ベースでは約70倍となっている。
外部環境からの圧力も強まっている。8月6日には、中核貢献者が保有する約1000万HYPEのロック解除があった。足元の価格ベースでは約5億5000万ドル(約869億円)に相当する。こうしたロック解除は2027年まで毎月続く。現在の流通供給量は2億2200万HYPEにとどまる。シンガポール通貨庁(MAS)は6月末、ハイパーリキッドを投資家注意リストに追加した。英国でもこれに先立ち、同様の警告が出ていた。マルチコイン・キャピタルやビットワイズ(Bitwise)などの機関投資家も、直近1カ月に相当量のHYPEを取引所へ移した。
コインデスクは、足元の傾向が続けば、2026年7〜9月期の総プロトコル収益は約1億5000万ドル(約237億円)になると分析した。4四半期連続の減収となる見通しだ。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.