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パランティア株が1日で30%急騰、空売り勢30億ドルが消失

出典
Korea Economic Daily

概要

  • パランティア・テクノロジーズの株価が1日で30%近く急騰し、空売り勢の評価益約30億ドルが吹き飛んだと伝えた。
  • パランティアは4〜6月期に売上高19億4000万ドル、米国商業部門売上高149%増総契約価値(TCV)153%増純維持率(NRR)157%を記録したと明らかにした。
  • パランティアはAIPブートキャンプオントロジー(Ontology)現場配備エンジニア(FDE)戦略を前面に出し、契約サイクルを短縮して顧客企業内での地位を強め、ルール・オブ・40指標で155を記録したと説明した。

期間別予測トレンドレポート

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リズムよく読めるやさしいテック⑤

「終わった」と言われたパランティアの反攻

誰も見向きしなかった「愚直な戦略」が実を結んだ

写真:パランティアのロゴ
写真:パランティアのロゴ

8月4日、パランティア・テクノロジーズの株価は1日で30%近く急騰した。同社にとって過去2番目の上昇率を記録した1日だった。この急騰で、株価下落に賭けていた空売り勢の評価益約30億ドル(約4740億円)が吹き飛んだ。きっかけは4〜6月期決算だ。売上高は19億4000万ドル(約3060億円)と前年同期比93%増え、市場予想を大きく上回った。

ただ、注目点は単に業績が良かったことではない。短期的には企業向け人工知能(AI)市場の流れが変わりつつある兆しであり、中長期ではシリコンバレーのソフトウエア企業がこの20年追ってきた成長モデルそのものが揺らぎ始めたことを示している。

市場が強く反応したのは売上高の総額ではなく、その内訳だった。米国商業部門(政府向けではない一般企業向け事業)の売上高は前年同期比149%増えた。さらに重要なのが総契約価値(TCV)だ。今四半期に獲得した新規契約の総額で、21億3200万ドル(約3370億円)と153%増えた。TCVが重い意味を持つのは、足元の売上高ではなく、今後数年分の売上高がすでに契約として積み上がっていることを意味するためだ。既存顧客が契約更新時に利用額をどれだけ増やしたかを示す純維持率(NRR)も157%に上昇した。わかりやすくいえば、前年に100使っていた顧客が今年は157使っている計算になる。

提案書の往復より先に、その場で作る

では、パランティアはどうやってこれを成し遂げたのか。中核にあるのが「AIP(人工知能プラットフォーム)ブートキャンプ」と呼ぶ独特の営業手法だ。通常、企業向けソフトウエアの販売では、提案書のやり取りやデモ動画の提示、契約書の検討に数カ月かかる。パランティアはこの過程を丸ごと省いた。顧客企業の担当者を招き、5日間で顧客データを使った実働するAIシステムをその場で一緒に作ってしまう。

このブートキャンプはこれまでに1300回超開かれ、参加企業のうち実際の契約につながる比率は75%に達するとされる。もともと12〜18カ月かかっていた契約サイクルを1週間前後まで縮めた格好だ。百の説明よりも、「まず試したら本当に動いた」を見せる戦略が競争力になった。

もっとも、いくら早く契約を取っても、顧客企業が自社データをAIに安心して預けられなければ意味がない。ここで浮上するのがパランティアの「オントロジー(Ontology)」技術である。社内のあちこちに散在するデータ、たとえば売上台帳や人事記録、在庫状況などを、AIが理解できる一つの整理された地図に変換する作業だ。

米大企業の間では、機密データを外部の巨大AIモデルに丸ごと渡した結果、そのデータが将来は競合企業も使える学習材料になるのではないかという懸念が強まっている。パランティアは20年前から準備してきたこのオントロジーによって、企業が自社データを外部に出さずにAIを使えるようにする。アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)が決算説明会のたびに強調する「ソブリンAI(AI主権)」も、結局はこの話だ。「このオントロジーなしには、必要な水準の安全なAIは使えない」というパランティアの論理が市場に通用したといえる。

パランティア最前線の秘密兵器

では、こうした仕組みを実際に形にするのは誰か。現場配備エンジニア(FDE・Forward Deployed Engineer)である。文字通り、顧客企業の現場に入り込んで一緒に働くエンジニアだ。完成したソフトウエアを宅配便のように届けるのではない。相手先に入り込み、その会社の事情に合わせて必要なものを作る人材と考えるとわかりやすい。

実のところ、ソフトウエア業界はこの方式に否定的だった。1人の人材が1社に張り付く以上、顧客を10社増やすならエンジニアも10人増やさなければならないからだ。そのため業界では「一度作れば誰でも自分で導入して使える」サービス型ソフトウエア(SaaS)こそ正解だとみなしてきた。

韓国のエンジニアの間でも、FDEはシステムインテグレーター(SI)が顧客先に派遣する常駐エンジニアと大差ないのではないかという懐疑的な見方がなおある。だがパランティアは、FDEにかかる人件費を「顧客獲得コスト(CAC)」として捉えた。契約締結前からエンジニアを投入し、まず成果物を作る。いったん定着すれば、顧客企業の業務フローの深部にまで入り込み、簡単には外せない構造ができる。成長率と収益性を合算してみる「ルール・オブ・40(Rule of 40)」という指標がある。一般には40を超えれば優良企業と評価されるが、パランティアは今回は155を記録した。

パランティアを追いFDEを増やすビッグテック

ビッグテック各社もFDE拡充に本腰を入れている。オープンAIは40億ドル(約6320億円)を投じ、別会社を立ち上げて自社AIを他社に組み込む事業を始めた。グーグルクラウドのCEOは自らリンクトインに採用投稿を出し、関連職種を59件まとめて募集した。アンソロピックはブラックストーン、ゴールドマン・サックスと組み、15億ドル(約2370億円)規模の合弁会社を設立して金融機関の顧客先に自社エンジニアを送り込んでいる。サービスナウとアクセンチュアも、同様の形でエンジニアを顧客企業に投入するプログラムをすでに始めている。

ホ・ジン記者 hjin@hankyung.com

#エンタープライズAI
#空売り
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