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パランティアの警鐘、スペースXは底打ちしたか

出典
Korea Economic Daily

概要

  • スペースXは大規模な ロックアップ解除 にもかかわらず株価が6%以上上昇し、押し目買い の流入と AIインフラ投資構想 を背景に投資家心理が改善した。
  • パランティアは、企業が高額な AIサブスクリプション から 自前のAIインフラ構築 へ移行するなか、米国企業向け売上高が149%増えるなど急速な 成長 を記録した。
  • ルネサンス・マクロとウォール街のCEOらは、AI・半導体株中心の モメンタム戦略 に追加調整の余地があるほか、金融市場全体で過剰な レバレッジ が積み上がっていると警告し、資金流入の鈍化リスクを指摘した。

期間別予測トレンドレポート

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  1. スペースX、大規模ロックアップ解除でも株高 流通株2倍超に

スペースXでは8月6日、大規模なロックアップ解除により新たに約9億1150万株が市場で売買可能になった。今回の解除分は従来の流通株式数の約140%にあたる。ナスダック上場後初の決算発表を終え、2回目の取引日を迎えたことで解除条件を満たした。

これにより流通株式数は従来の6億3890万株から約15億5000万株に増え、発行済み株式全体に占める実際の売買可能比率も4.9%から11.9%に拡大した。今後も役職員や初期投資家のロックアップ解除が順次控える。12月までに一連の日程が終われば、発行済み株式の約40%が市場で売買可能になる。一方、イーロン・マスク氏の保有分など残る60%は2027年半ばまでロックアップが続く予定だ。

市場では大規模な売り圧力への警戒があったが、スペースX株は解除当日に6%超上昇し、寄り付き前取引でも強含んだ。ロックアップ解除という悪材料を株価が相当程度織り込んでいたうえ、初期投資家が保有株を一斉に売却する可能性は低いとの受け止めが広がり、不透明感が後退したためだ。直近の株価調整を受けた押し目買いも入り、投資家心理は改善した。

8月6日に公表されたテラファブ投資計画も支えとなった。AI半導体の供給網を自前で築き、長期的な競争力を高める戦略と受け止められたためだ。ロックアップ解除への懸念が和らぐなかで、大規模なAIインフラ投資の構想も示され、市場は中長期の成長材料として好感した。

  1. AI中核人材の流出相次ぐ アルファベット、研究と収益化の岐路

グーグルの親会社アルファベット(Alphabet)は、AI部門の中核人材が相次いで離れるなかで大規模な組織再編に踏み切った。代表的なAI研究者のジェフ・ディーン氏は退社して起業に乗り出す。グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)も経営の前線を離れ、会長職に就くことになり、AI事業の指導体制の変化に市場の関心が集まっている。

業界では、こうした変化の背景に研究と収益化の間での戦略的なバランスがあるとみる。グーグルはトランスフォーマー構造やTPU、GeminiなどAIの中核技術を持つ代表企業だが、最近は研究開発より企業向けAIサービスやクラウド事業の収益拡大に軸足を移している。実際、グーグルクラウドは直近四半期に82%の高い成長率を記録した。

一方、トップ級のAI研究者は、収益性の高いサービスづくりより新たなAIモデルの開発や技術革新そのものにより大きな価値を置くことが多い。このため、オープンAIやアンソロピック(Anthropic)など研究志向の強い企業への人材移動が続いているという。社内では、限られたTPUなどの計算資源を研究に振り向けるのか、それともクラウド顧客向けに提供して収益化するのかを巡る利害の衝突も指摘されている。

AI産業では中核人材の重要性が他業種よりはるかに大きい。業界では、ChatGPTやGemini、Claudeのような超大型AIモデルを実際に設計し、学習させた経験を持つ研究者は世界で数百人程度にとどまるとみている。こうした人材は単にモデルを開発するだけではない。新たなAI構造を設計し、膨大なデータを選別し、数十万個のGPUを効率的につないで学習させ、失敗を繰り返しながら改善する工程を主導する。こうした経験は論文や理論だけでは得られない希少な競争力と位置づけられている。

  1. ルネサンス・マクロ「戻りを信じるのは早い」 モメンタム戦略に追加調整警戒

ルネサンス・マクロ・リサーチは、AI・半導体株を中心としたモメンタム戦略が短期反発したものの、これをトレンド転換とみるのはなお早いと警告した。2000年のドットコムバブル崩壊以降で最悪の1カ月を経た後に力強い反発がみられたが、過去の事例ではその後も数カ月にわたって追加調整が続くケースが多かったと分析した。

同社が示した過去41件のモメンタム崩壊局面では、高値から急落した後に短期反発が起きるパターンが共通していた。だが、その後は再び下落基調に戻る例が多く、最終的な底は平均で高値から約6カ月後に形成された。足元のAI・半導体株の値動きも、こうした過去の平均的な経路とかなり似ているというのが同社の見立てだ。

同社は、足元の急反発だけで市場が完全に回復したと判断すべきではないと強調した。歴史的には急落後に反発と追加調整を繰り返す局面が少なくなかったためだ。今回の反発が新たな上昇相場の始まりになるかどうかは、今後数カ月の業績や投資家心理、AI関連需要がどこまで維持されるかにかかっている。

  1. パランティアが警鐘 企業は「AIサブスク」から自前構築へ

パランティア(Palantir)は、企業向けAI市場で構造変化が起きていると示唆した。これまで企業はマイクロソフトやグーグル、アマゾン、オープンAIなど大手テック企業のAIサービスを購読し、利用量に応じて料金を支払う形でAIを活用してきた。大手テック企業はこうした企業向けAIサブスク需要が続くと見込み、大規模データセンターの建設やAI半導体の積極確保を進めてきた。

だが最近は企業の選択が変わってきた。パランティアは、外部AIサービスを継続購読する代わりに、企業が自社サーバー上にオープンソースのAIモデルを構築し、必要に応じて多様なAIモデルを柔軟に使えるよう支援している。AI利用コストを抑えられるうえ、社内でデータを処理できるためセキュリティーを高めやすい点が強みとして浮上している。

同社の成長は、こうした変化が実際に市場で進んでいることを示している。最近は売上高が前年同期比93%増、米国企業向け売上高が149%増となるなど急速な伸びを記録した。経営陣は、企業が高額なAIサブスク料金を払い続けるより、自前のAIインフラを構築する方向に動いていると強調した。

ライアン・テイラー最高収益責任者(CRO)は「毎月高額な購読料(トークン費用)を払い続けるやり方は、成果を伴わないまま企業予算をむしばみ、企業秘密まで流出させる」と語った。

アレックス・カープCEOは「すべての企業は、危険で高コストな外部AIではなく、モデルを自由に差し替えられる自前管理型の方式を選ぶだろう」との見通しを示した。

市場では、こうした変化がAI産業全体にも影響を及ぼす可能性があるとみられている。企業の自前構築が広がれば、大手テック企業のクラウドAI収益の伸びは鈍る公算が大きい。データセンター投資やAI半導体需要にも変化が及ぶ可能性がある。ただ、これはAI需要そのものの減少ではなく、AIの利用形態が変わっていることを意味する。

  1. 米中間選挙は株高材料か 焦点は政治不透明感の後退

11月の米中間選挙を前に、市場は政権勢力の変化そのものより、政治的不透明感がどこまで和らぐかに注目している。現在の下院勢力は共和党220議席、民主党215議席で差はきわめて小さい。選挙結果次第で議会の力学は大きく変わりうる。

今回の最大の変数は生活費とインフレとされる。歴史的にみると、高インフレとガソリン価格の上昇は与党の得票率を押し下げる要因として作用してきた。特にガソリン価格が上昇した中間選挙では、与党は下院で平均32議席を失った一方、価格が下落していた場合の平均損失は6議席にとどまった。

株式市場では、中間選挙後に政治的不透明感が後退して相場が上向く例が多かった。1930年以降、S&P500種株価指数は選挙直後に短期調整を挟んだ後、およそ1カ月後から上昇する傾向を示してきた。選挙後12カ月の平均収益率は約13%だった。大統領と議会を異なる政党が握る「分点政府」が生じた場合、政策変更が限られるため、かえって市場にプラスに働いた事例が多い。

業種別では防衛、テック、金融が相対的な恩恵を受けやすいとされる。国防予算は政権にかかわらず維持されやすいうえ、議会が分かれればAIや大手テック企業を標的にした強い規制立法も進みにくくなる可能性があるためだ。一方、エネルギーやヘルスケア、プライベートエクイティーには政策不透明感や規制リスクが強まるとの指摘がある。

  1. ダイモン氏「レバレッジが高すぎる」 ウォール街、融資基準厳格化を示唆

JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)のジェイミー・ダイモンCEOは、金融市場全体でレバレッジが過度に積み上がっていると警告した。信用取引残高だけでなく、プライムブローカー融資やヘッジファンドの借り入れ、ETF、米国債裁定取引など、さまざまな形の潜在的なレバレッジが市場にたまっていると指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のブライアン・モイニハンCEOも、最近のシチュエーショナル・アウェアネス事態を金融市場への「警告信号」と位置づけ、今後は融資審査基準を一段と厳しくする必要があると述べた。単に融資額を絞るのではなく、ヘッジファンド向け担保比率の引き上げやレバレッジ上限の引き下げ、特定銘柄への過度な集中投資の制限を通じてリスク管理を強める考えだ。

両CEOの発言は、金融システム危機そのものへの懸念というより、過剰レバレッジへの警戒を促したものと受け止められている。ウォール街がレバレッジ供給に慎重になれば、AIや半導体など高成長銘柄に流れ込む資金の勢いは鈍る可能性がある。逆に相場が急落した場合には、追加証拠金の要求がより速く膨らみ、変動性が高まる可能性もある。

ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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