イーサリアム、ステーキング報酬削減案で波紋 EIP-8363に分散性懸念
期間別予測トレンドレポート



イーサリアム(ETH)のステーキング報酬を減らす案を巡り、コミュニティー内の議論が広がっている。
コインテレグラフが8月7日に報じたところによると、イーサリアムの研究チームは新たな提案「EIP-8363」を示した。ステーキングされたイーサリアムが増えるほど新規の報酬を段階的に減らし、イーサリアム全体の50%がステーキングされた場合には、新規発行に伴う報酬を事実上ゼロにするのが柱だ。
一般に、ステーキング量が増えればイーサリアムのネットワークは攻撃を受けにくくなるとされる。ただ、EIP-8363の提案者は、すでに十分な量のイーサリアムがステーキングされている局面では、残高がさらに積み上がっても安全性の向上効果は大きくないとみている。
イーサリアム財団の研究員ジャスティン・ドレイク氏ら提案者は、現在のイーサリアムネットワークが必要以上の安全保障コストを負担しているとみる。ステーキング参加者に新たなイーサリアムを継続的に配布すれば、ステーキングしていない保有者の持ち分価値は薄まらざるを得ないという考えだ。
もっとも、反発は少なくない。報酬の減少でステーキング参加が細れば、少数の大手事業者に検証権限が集中しかねないとの懸念がある。イーサファイ(Ether.fi)の創業者マイク・シラガゼ氏は「EIP-8363は分散性やイーサリアムの採用、ネットワークの信頼性のいずれにとっても好ましくない決定だ」と指摘した。
機関投資家にとっても負担になり得る。ビットワイズ(Bitwise)でイーサリアムのパートナーシップ部門を統括するスティーブ・ベリマン氏は「機関投資家の採用には予見可能性が必要だ」と語り、「発行の仕組みを少しずつ変えるだけでも不確実性が生じ得る」と付け加えた。
足元でステーキングされているイーサリアムは約4150万ETHと、全供給量の34.07%を占める。ステーキング利回りは約2.67%となっている。
JOON HYOUNG LEE
gilson@bloomingbit.ioCrypto Journalist based in Seoul