スイ、量子耐性署名2方式を導入 既存の復旧フレーズで移行可能
概要
- スイは、米NISTが承認した量子耐性署名方式のML-DSA-65とSLH-DSA-SHA2-128sを導入すると明らかにした。
- スイは、セキュリティーレベル3のML-DSA-65とハッシュベースのSLH-DSA-SHA2-128sを組み合わせ、一方に脆弱性が生じても他方に影響が及ばない構成にしたと説明した。
- スイは、既存の復旧フレーズとアドレス別名機能だけで、資産を移さずに量子耐性鍵へ移行できるとし、量子耐性ボールトを2026年中にメインネットへ展開する予定だとした。
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ブロックチェーンネットワークのスイ(SUI)は、量子コンピューターの脅威に備え、米国立標準技術研究所(NIST)が承認した2種類の量子耐性署名方式を導入する。
暗号資産専門メディアのザ・ブロックは8月6日、スイが一般アカウント向けにML-DSA-65を、スマートコントラクト内で高価値資産を保管する用途向けにSLH-DSA-SHA2-128sをそれぞれ統合する計画だと報じた。いずれもNISTの連邦情報処理標準(FIPS)で承認された規格という。
スイは、オンチェーン環境ではアカウントが一度でも取引を実行した時点で公開鍵が恒久的に露出すると説明した。十分な性能を持つ量子コンピューターがショアのアルゴリズムを実行すれば、現在ほとんどのオンチェーンアカウントを保護している楕円曲線暗号方式は最終的に解読され得ると指摘した。
攻撃者が現時点で公開鍵を収集し、量子コンピューターの実用化後に悪用する、いわゆる「今収集し、後で解読する」攻撃も現実的な脅威に挙げた。
一般アカウント向けのML-DSA-65は、セキュリティーレベル3で採用する。より低コストなレベル1ではなくレベル3を選んだ理由について、スイは7月に人工知能(AI)モデルが別の量子耐性候補アルゴリズムの実効鍵強度を半減させた事例があったと説明した。ML-DSA自体は影響を受けていないものの、こうした進展の速さを踏まえれば、最低要件より余裕のある基準を選ぶのが合理的だとしている。
スマートコントラクト内部に適用するSLH-DSA-SHA2-128sは、ハッシュベースの方式だ。2つの方式は異なる数学的原理に基づくため、一方に脆弱性が見つかっても、もう一方には影響しない。
ユーザーの利便性にも配慮した。スイは、鍵がシードから決定論的に生成されるため、既存の復旧フレーズだけで量子耐性鍵へ切り替えられると説明した。すでに対応しているアドレス別名機能を使えば、資産を移さずに既存アカウントの認証鍵を差し替えられるという。
今回の更新についてスイは、コンセンサスや既存の状態に手を加えない一般的なプロトコル機能の追加だと強調した。既存のサービスやアプリケーションは、当面は何も変更する必要がないとしている。
量子耐性ボールトは2026年中にメインネットへ展開する予定だ。ML-DSA-65に基づく一般アカウントは2026年末までのテストネット導入を見込み、メインネットへの適用は2027年1〜3月期を目標とする。
YM Lee
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