期間別予測トレンドレポート



米議会で協議中の超党派の暗号資産法案に盛り込まれた倫理条項が、ドナルド・トランプ大統領に相当の税制上の恩恵をもたらす可能性が浮上している。
ブルームバーグが8月6日に報じたところによると、上院議員らがトランプ大統領に提示した倫理条項の草案には、大統領が暗号資産関連事業で保有する資産の処分を強制する内容が盛り込まれた。この条項に詳しい複数の関係者によれば、強制売却が実施されれば、トランプ大統領は売却益にかかる連邦キャピタルゲイン課税を数年間、場合によっては恒久的に繰り延べられる可能性がある。
現行の税制では、強制処分で得た売却代金を新たな投資資産に再投資すれば、キャピタルゲイン課税の納付を先送りできる。トランプ大統領が死亡時までその新たな投資資産を保有した場合、当該利益への課税が行われない可能性もある。トランプ大統領は2025年、暗号資産とミームコイン関連事業で14億ドル(約2210億円)の収益を申告した。倫理条項がなければ、資産売却時には取得額と売却額の差額に対し20%のキャピタルゲイン税を直ちに納付しなければならない。
この倫理条項は、共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州)と民主党のルーベン・ガレゴ上院議員(アリゾナ州)が共同でまとめた。未公表の同条項を巡っては、ホワイトハウスと議会の間で交渉が続いている。
同条項は、長く膠着してきた暗号資産規制法案「クラリティ法(Clarity Act)」の処理に向けた超党派合意の要とみられている。ジョン・スーン上院多数党院内総務ら共和党指導部は、上院が数日内に始まる8月の休会に入る前に、同法案の手続き採決を進める構えだ。
トランプ大統領は現在、ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)の主要投資家で、トランプ氏側の関連会社DTマークス・ディーファイ(DT Marks DEFI LLC)が38%の持ち分を保有する。ほかの高官と異なり、トランプ大統領には在任中の資産処分義務がない。ハワード・ラトニック商務長官やスコット・ベッセント財務長官ら主要閣僚はすでに、高位公職者に適用される特別な税制条項を活用し、資産売却時のキャピタルゲイン課税を免れている。
YM Lee
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