Loading IndicatorLoading Indicator

PiCK

韓国の暗号資産課税、来年1月開始 長期保有優遇も損失繰越もなし

Doohyun Hwang

概要

  • 2027年1月1日から、国内の暗号資産所得には年間 250万ウォン(約27万8000円)超の部分に一律 22% の分離課税が適用される。
  • 韓国は米国・豪州・ドイツ・ポルトガルなどと異なり、長期保有 に伴う税制上の優遇が全くなく、実質的な税負担は重い。
  • 韓国の暗号資産課税は 損失繰越控除 を認めておらず、2年間で元本を回復しただけでも 165万ウォン(約18万3000円)の税負担が生じる。

期間別予測トレンドレポート

Loading IndicatorLoading Indicator

韓国の暗号資産課税の開始まで5カ月となった。2027年1月から、暗号資産投資で年間利益が250万ウォン(約27万8000円)を超えると、超過分に22%を課す。名目税率は主要国と大きく変わらないが、長期保有への優遇や損失の繰越控除がなく、実質的な税負担は重くなりやすい。

国税庁によると、2027年1月1日から暗号資産の譲渡・貸与で得た所得は「その他所得」として分離課税する。1年間の利益と損失を通算して純利益を算出し、基礎控除250万ウォン(約27万8000円)を差し引いた課税標準に、所得税20%と地方所得税2%を上乗せする仕組みだ。年間1000万ウォン(約111万円)の利益であれば、250万ウォンを差し引いた750万ウォン(約83万3000円)に対し、165万ウォン(約18万3000円)を納めることになる。

一方、課税開始前に生じた評価益は課税対象にしない。このため課税当局は、2026年末時点の時価と実際の取得価額を比べ、高い方を取得価額として認め、課税標準の計算に反映する方針だ。

韓国は保有期間問わず22% 主要国は長期保有優遇

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

韓国では、保有期間に関係なく基礎控除超過分に一律22%を適用する。1日だけ保有しても、数年の長期投資でも税率は同じだ。これに対し、海外主要国では暗号資産の長期保有に税制上の優遇を設ける例が多い。

米国は保有期間に応じて税率を分ける。暗号資産を1年超保有した場合は、投資家の所得水準に応じて長期キャピタルゲイン税率0%、15%、20%が適用される。保有期間が1年以下なら一般所得に合算し、最高37%で課税する。長期投資家に相対的に低い税率を適用する構造だ。

豪州も、12カ月以上暗号資産を保有した個人投資家には譲渡益の50%を減額する。利益と損失を通算した純利益が1000万ウォン(約111万円)なら、その半分の500万ウォン(約55万5000円)にのみ課税する考え方だ。税率を下げる代わりに、課税対象となる金額自体を半分に絞り、実質的な税負担を軽くしている。

ドイツとポルトガルの長期保有優遇はさらに大きい。ドイツでは、個人投資家が暗号資産を1年超保有した後に売却すれば、売買益は非課税となる。1年以内に処分した場合でも、暗号資産を含む年間の売買益が1000ユーロ(約16万円)未満なら課税しない。ポルトガルは、保有期間1年未満の暗号資産売買益に28%を課す一方、1年以上保有した場合は課税対象から外す。短期売買には課税しつつ、長期保有を促す仕組みである。

シンガポールは長期保有かどうかを問わない。個人の暗号資産売買が事業ではなく一般的な投資に当たる場合、売買益には課税しない。ただ、取引頻度や規模などから専門的な売買活動と判断されれば、事業所得として課税される可能性がある。

損失の繰越控除なく 元本回復でも課税

ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官/写真:イ・ソル記者
ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官/写真:イ・ソル記者

損失の繰越控除がない点も、韓国の暗号資産課税の問題点として挙がる。損失の繰越控除は、ある年に発生した投資損失を翌年以降の利益から差し引ける制度だ。複数年にわたる実際の累積損益を課税に反映するための仕組みといえる。

韓国では、同じ年に発生した暗号資産の利益と損失しか通算できない。例えば、投資家が1年目に1000万ウォン(約111万円)を失い、2年目に1000万ウォン(約111万円)を稼いで元本を回復したとしても税金はかかる。2年間の累積利益はゼロでも、165万ウォン(約18万3000円)を納めなければならない。

これに対し日本は、2026年の税制改正案に、暗号資産取引で生じた未控除損失をその後3年間繰り越す案を盛り込んだ。初年度の損失を翌年以降の利益から差し引き、実際の累積損益に近い金額を基準に課税する考え方だ。

日本は、登録事業者が扱う一定の暗号資産の取引益を、株式と同様に20%の分離課税とする案も進めている。改正金融商品取引法の施行を前提に制度が導入されれば、日本は税率を抑えつつ、損失の繰越控除も認めることになる。韓国は同水準の22%分離課税を導入しながら、過去の損失は反映しない。

損失の繰越控除を認めるのは日本だけではない。米国、英国、ドイツ、ポルトガルも、対象範囲や期間に違いはあるものの、暗号資産投資で生じた損失を将来年度の利益に反映できるようにしている。価格変動の大きい暗号資産の特性を踏まえ、複数年にわたる累積損益を課税基準に据える発想である。

米国では、暗号資産の損失を株式など他の資本資産の利益と相殺できる。なお損失が残れば、年間最大3000ドル(約47万円)を一般所得から控除し、残額は使い切るまで翌年以降に繰り越せる。

英国でも、申告したキャピタルロスを後年の暗号資産や株式の利益から控除できる。ドイツは、短期の暗号資産取引で生じた損失を他の私的資産売買益と相殺し、残額を直前または以後の課税年度に反映できる。ポルトガルも、総合課税を選択すれば損失を5年間繰り越せる。

政府は、暗号資産課税に損失の繰越控除を導入することには慎重な姿勢を示している。ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は8月29日、「株式投資でも損失の繰越控除は認められていない」と述べたうえで、「今年末で猶予が終わるだけに、まずは来年実施し、必要なら補完していく」と語った。

写真:生成AI
写真:生成AI
#仮想資産課税
Doohyun Hwang

Doohyun Hwang

cow5361@bloomingbit.ioKEEP CALM AND HODL🍀

このニュース、どう思いますか?








PiCKニュース






ハッシュタグニュース