欧州の猛暑と干ばつで物流の大動脈に打撃 ライン川・ドナウ川の水位最低
期間別予測トレンドレポート



欧州で深刻な干ばつが、農作物の生産にとどまらず、発電や物流にも直接打撃を及ぼしている。河川の水位低下で原子力発電所の運転や運河を使う貨物船の航行に支障が出ているためだ。欧州内陸部の工場では輸送費の上昇を受け、原材料価格が押し上げられる「水深プレミアム」まで生じている。
ロイター通信によると、ハンガリーのペーテル・マジャル首相は8月2日、「44年ぶりにパクシュ原子力発電所があす稼働を止める」と述べ、「今後5日間が重大な山場になる」と強調した。
同首相は、パクシュ原発の発電量が従来の2000メガワット時(MWh)から8月2日午前には240メガワット時まで落ち込んだと明らかにした。あわせて午後5時から10時までの節電を呼びかけた。
ハンガリーの電力生産の約40%を担うパクシュ原発は、ドナウ川の水を冷却水として使う。ドナウ川の水位が過去最低まで低下し、7月29日から原子炉4基を順次停止している。
ドナウ川沿いの水力発電所も稼働停止の危機にある。セルビアのドゥブラフカ・ハンダノビッチ・エネルギー相は現地メディアとのインタビューで、ジェルダプ1、2水力発電所の発電量がそれぞれ設備容量の20%、30%まで低下したと語った。2つの発電所はセルビアの電力生産の約18%を担う。
ドイツを源流として黒海に注ぐドナウ川では、足元の干ばつで過去最低水位の更新が続いている。7月29日にブダペスト観測所で測定した水位は23センチメートルと、従来の最低記録だった33センチメートルを10センチメートル下回った。
西欧では干ばつが物流網を直撃している。ライン川の代表的な難所であるドイツ西部カウプ区間の「航行可能水深」は7月31日に25センチメートルまで落ち込み、2018年に記録した過去最低水準に並ぶ水準となった。
水深の低下で、貨物船は通常積載量の約20%しか積めないまま運航している。一部船舶では、カウプ通過時に積載できる貨物量が250トンまで減った。欧州最大の港湾であるロッテルダムとライン川を往来する貨物量も平年より約10%縮小した。
積載量の減少は運賃の上昇につながっている。オランダ・ロッテルダムからドイツ・カールスルーエまでの貨物船運賃(タンカーバージ基準)は、6月末の1トン当たり45ユーロ(約7100円)から、7月31日には150〜155ユーロ(約2万3700〜2万4500円)へ急騰した。
キール世界経済研究所は、ライン川の干ばつが第3四半期のドイツ国内総生産(GDP)成長率を0.1〜0.2%ポイント押し下げる可能性があると分析した。ライン川は北西部ケルンから南西部シュツットガルトまで、流域の工業都市に原材料を運ぶ物流の大動脈となっている。
キム・ジュワン記者 kjwan@hankyung.com
Korea Economic Daily
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