概要
- 政府と金融当局は、単一銘柄レバレッジ商品の倍率を引き下げられる緊急措置権の確保に加え、口座ごとの投資限度を20%に統一し、模擬取引を義務化する案を進めている。
- 検討の中心は、現在2倍の単一銘柄レバレッジ商品の倍率引き下げで、市場の安定や投資家保護が必要な緊迫時にこれを引き下げられる仕組みを整備する方針だ。
- 基本預託金が1000万ウォン(約111万円)から現金3000万ウォン(約332万円)に引き上げられた後、単一銘柄レバレッジ16銘柄の売買代金は12兆4000億ウォン(約1兆3730億円)から約3兆ウォン(約3320億円)に減少した。
期間別予測トレンドレポート



韓国政府が、単一銘柄レバレッジ商品の倍率を引き下げる緊急措置権の整備に乗り出した。口座ごとの投資限度を20%に統一し、模擬取引を義務づける案もあわせて進める。
8月2日に聯合ニュースなどが報じたところによると、韓国の金融委員会は金融監督院とともに資本市場法の改正案を準備している。緊急時に市場安定化措置を講じる法的根拠を確保するのが目的だ。
政府は導入時期を別途定めていない。できる限り早く制度を整える方針という。
今回の措置は、7月16日に公表した基本預託金引き上げなどの補完策と、7月30日に打ち出した追加対策の延長線上にある。グローバル半導体銘柄への資金集中とレバレッジ商品の拡大で高まった市場変動性を管理する狙いがある。
改正案の策定では、香港の可変レバレッジ倍率制度を参考にした。香港証券先物委員会は7月24日、上場レバレッジ・インバース商品の倍率調整を認める指針を公表した。資産運用会社の運用能力に応じて事前基準を設け、開示するよう求めている。
金融当局は、追加の法令改正がなくても機動的に対応できる根拠を整える方針だ。検討の中心は、現在2倍となっている単一銘柄レバレッジ商品の倍率引き下げで、市場安定や投資家保護が必要な緊迫した局面で倍率を下げられる仕組みが論点に浮上している。
イ・オクウォン金融委員長は7月29日の政務委員会全体会議で、「(現在2倍の)倍率を引き下げれば、変動性緩和の面では効果がありそうだ」と述べた。そのうえで、「受益者総会や投資家の側面をどう考慮するかは、法案策定の過程で見ていく」と付け加えた。
現行法では、受益者の利益に関わる案件は受益者総会を経る必要があるとの解釈がある。倍率調整も収益に直結するため、総会の対象に含まれる可能性がある。受益者総会の議決には、出席した受益者の議決権の過半数が必要だ。加えて、発行済み受益証券総数の4分の1以上も満たさなければならない。
金融当局は、こうした手続きでは適時の対応が難しいとみる。ピョン・ジェホ金融委員会資本市場局長は7月16日の初回対策ブリーフィングで、「現実的には、2倍で発売された商品を1.5倍に引き下げるには受益者総会を経なければならないが、これは株主総会よりさらに難しい」と語った。
取引制限や売買停止が緊急措置に含まれるかも焦点だ。金融委員会は2025年4月に資本市場法を改正し、不公正取引や違法な空売りに対して最長5年間の金融投資商品取引制限命令を出せるようにした。ただ、この制度は株式市場全体を対象としている。一部銘柄だけを規制すれば、包括的な措置権の趣旨にそぐわないとの指摘が出る可能性がある。
7月31日から基本預託金は従来の1000万ウォン(約111万円)から現金3000万ウォン(約332万円)に引き上げられた。施行初日の7月31日の売買代金は前日の4分の1程度に減少した。インバースを含む単一銘柄レバレッジ16銘柄の売買代金は約3兆ウォン(約3320億円)だった。直前の取引日の売買代金は12兆4000億ウォン(約1兆3730億円)で、7月29日には15兆ウォン(約1兆6610億円)を記録した。
ハン・ギョンウ 韓経ドットコム記者 case@hankyung.com
Korea Economic Daily
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