サムスン電子、来年のHBM首位へ UBS予測でSKハイニックス上回る
期間別予測トレンドレポート


テックX 112
UBS「HBMシェアはサムスン電子41%、SKハイニックス39%」
HBM4時代が本格開幕 生産能力と先端パッケージングが競争力左右
HBM4は「より高く」から「より賢く」へ進化

サムスン電子が6世代目の高帯域幅メモリー(HBM4)を武器に、来年のHBM市場で初めて首位に立つとの見方が出てきた。HBM市場の重心がHBM3E(5世代目)からHBM4へ移るなか、先行して量産に乗り出したサムスン電子が主導権を握るという分析だ。SKハイニックスも設備投資の拡大や長期供給契約(LTA)の締結を急いでおり、HBMの主導権を巡る競争は一段と激しくなりそうだ。
HBM4はなぜゲームチェンジャーなのか
8月1日、スイスの投資銀行UBSは、SKハイニックスの米国預託証券(ADR)に関する初の分析リポートで、サムスン電子がHBM4を起点に今年から来年にかけて絶対出荷量でSKハイニックスに追いつくと分析した。
UBSのニコラス・ゴドワー調査担当者は、SKハイニックスが今年のHBMビット出荷量の48%を占め、市場シェア首位を維持するとの見通しを示した。一方で来年は、サムスン電子が41%のシェアを確保し、SKハイニックスの39%をわずかに上回ると予想した。マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)は20%で3位になる見込みだ。
HBM市場がHBM3EからHBM4へ移る転換期に、市場の主導権がサムスン電子へ移るとUBSはみる。サムスン電子は今年2月、業界で初めてHBM4量産品を出荷した。平沢と龍仁の事業所で生産能力の増強も進めており、SKハイニックスとの差を急速に縮めていることを根拠に挙げた。
HBM3Eが既存のHBM3を一段進化させた製品なら、HBM4はメモリーの設計方式そのものを変える「世代交代」の製品だ。HBM3EはDラムチップを最大12段まで高密度に積み上げ、記憶容量とデータ処理速度を高めることに重点を置いた。
これに対しHBM4は、単にメモリーを高く積むだけにとどまらない。メモリーと画像処理半導体(GPU)がデータをやり取りする入出力(I/O)を、従来の1024個から2048個へ倍増した。往復8車線の道路を16車線に広げるのに似ている。1台ごとの最高速度が同じでも、同時に通過できる車の数は大幅に増える。HBM4は一度に処理するデータ量、つまり帯域幅を大きく引き上げた。
人工知能(AI)が膨大なデータを瞬時に読み込み、演算する時代には、車の速さより道路の広さが重要になる。エヌビディア(NVIDIA)が次世代AI GPU「ルビン」にHBM4を採用したのも、AI演算で生じるデータのボトルネックを減らすためだ。
HBM4の競争力は、速度そのものより製造技術にある。HBM3Eの競争が「高い塔を崩さず積み上げられるか」だったとすれば、HBM4は塔の下に交通管制センターまで一緒につくる作業に近い。HBM最下層の「ベースダイ」は、これまで複数のDラムをつなぐ土台の役割にとどまっていた。だがHBM4では、どの経路にどれだけ速くデータを流すかを判断する制御機能まで担う。このため、Dラム技術に加え、データを処理するロジック半導体の技術も必要になる。
さらに、Dラムを髪の毛よりはるかに細い電極(TSV)で正確につなぐ技術、チップ間を隙間なく接合するハイブリッドボンディング、多数のチップが同時に動作して生じる熱を抑えるパッケージング技術も欠かせない。HBM4が単なる次世代メモリーではなく、メモリーとシステム半導体、先端パッケージングを組み合わせた「総合半導体プラットフォーム」と位置づけられる理由はここにある。

サムスン電子とSKハイニックス、HBM4で全面対決
UBSは5月のリポートで、サムスン電子が来年までにSKハイニックスと同水準に達するとみていた。今回は逆転時期の見通しを前倒しした。実際、昨年まではエヌビディアがサムスン電子のHBM3Eの購入に慎重だったが、HBM4には積極的な採用姿勢を示している。
AMDも主要供給先にサムスン電子を選び、次世代AIシステム「ヘリオス」にサムスン電子のHBM4を優先的に搭載している。HBM4世代への移行で、SKハイニックスがこれまで保ってきた独占的な地位が揺らぐ可能性が高まったことを意味する。
業績面でも、HBM4の売上高への寄与が始まる時期にサムスン電子との差が表れたとUBSは分析した。SKハイニックスの4〜6月期のDラム平均販売価格(ASP)は前四半期比30%上昇にとどまった。HBM4の出荷本格化が四半期後半にずれ込んだ影響が大きかったという。サムスン電子がHBM4の供給量を先に増やし、エヌビディアとAMD向けの供給を広げる一方、SKハイニックスはHBM4への切り替えが遅れ、単価上昇の効果もその分後ずれしたとみられる。
SKハイニックスは設備投資の拡大で対抗する。UBSは、同社経営陣が4〜6月期決算発表で、通期の設備投資計画を40兆ウォン台後半へ引き上げたと指摘した。約4兆4000億〜約5兆5000億円に相当する。ただ、京畿道利川や忠清北道清州の既存拠点だけでは、平沢に広い遊休地を確保するサムスン電子に比べ、増設のスピードで見劣りする可能性がある。
SKハイニックスは、長期供給契約(LTA)の再契約も想定より早く進んでいると明らかにした。すでに10件を締結しており、米ハイパースケーラー(大規模データセンター運営会社)や主要な完成品メーカー(OEM)との契約も含まれる。UBSは、こうした契約が短期的な販売価格の上昇余地を抑える半面、長期的には収益性と株主還元にプラスに働くと評価した。
ただ、HBM首位の逆転がSKハイニックスの成長鈍化を意味するわけではないとUBSは付け加えた。世界のDラムのビットグロース(ビットベースの出荷量増加率)は、今年の22%から来年は36%へ高まると見込む。NANDフラッシュのビット需要の伸び率も、同期間に20%から23%へ上昇する見通しだ。
一方、供給は需要に追いついていない。新たに増えるDラムウエハー生産能力の大半がHBMに振り向けられており、NANDも中国を除けば短期間での新規能力増強が事実上限られるためだ。UBSは、こうした構造的な供給制約を背景に、メモリー不足が2028年まで続くと予想している。
カン・ギョンジュ記者 qurasoha@hankyung.com
Korea Economic Daily
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