「アップルは安全資産」対「半導体が上がれば資金は離れる」 米株市場の注目点
期間別予測トレンドレポート



- 安全資産として映るアップル、半導体持ち直しなら資金流出も
足元のアップルは時価総額が5兆ドルを突破し、AI投資負担を相対的に回避できる代表的な大型ハイテク株として注目を集めている。
22億台を超える稼働端末、高い顧客忠誠度、サービス事業の拡大、年1000億ドル(約16兆4000億円)規模のフリーキャッシュフロー、大規模な自社株買いが強みとされる。
もっとも、市場の期待はすでにかなり高い。焦点は業績そのものより先行きに移っている。とりわけメモリー価格上昇に伴うコスト負担、iPhone値上げの可能性、中国市場での競争激化は重荷だ。
足元ではAIや半導体から流出した資金がアップルに向かった。ただ、AI投資効果が再び意識されたり、半導体ラリーが再開したりすれば、アップルに集まった資金も素早く移る可能性がある。
- アマゾン決算の焦点、AWS成長加速かAI投資負担か
アマゾンは7月31日の取引終了後に2026年4〜6月期決算を発表する。市場では売上高が1970億ドル(約32兆2000億円)を上回り、1株利益も前年から増えたと予想している。
最大の注目点はAWSの成長率だ。市場はAWS売上高が前年同期比31%増となり、成長ペースが再び加速したとみる。一部証券会社は33%超の成長も見込む。
背景には、AIスーパーコンピューターのプロジェクト、自社AI半導体「Trainium(トレーニアム)」、アンソロピック(Anthropic)の推論需要拡大がある。
一方で、AIデータセンターや低軌道衛星事業への投資で設備投資は急増している。フリーキャッシュフローは減少している。
市場は決算そのものより、今後の投資計画を重視している。アルファベットも好決算を発表した後、AI投資拡大方針を示して株価が下落した。アマゾンも投資規模が想定を上回れば、株価の重荷になりかねない。
- タカ派を装うハト派のウォーシュ氏、債券市場で再び「自警団」
ケビン・ウォーシュ米連邦準備理事会(Fed)議長は金利を据え置く一方、物価目標の2%は必ず達成すると強調した。ただ、具体的な引き締め経路は示さなかった。市場はこれを、発言は強硬でも行動が伴わない「タカ派を装うハト派」と受け止めた。
これを受け、米国債市場は即座に反応した。30年債利回りは取引時間中に5.23%に迫り、2007年以降で最高水準まで上昇した。10年債利回りも大きく上げた。
同様の現象は過去にも繰り返された。2024年末にFedが利下げを始めた後、むしろ長期金利は100ベーシスポイント超上昇した。2025年も追加利下げにもかかわらず、長期金利は低下しなかった。市場はFedがインフレより景気減速を強く懸念していると判断し、国債を売った。
歴史を振り返ると、1970年代にはアーサー・バーンズ元Fed議長が政界の圧力のなかで物価対応に失敗し、インフレ期待を高めた。最終的にはポール・ボルカー議長が政策金利を20%まで引き上げる強力な引き締めで信認を回復する必要があった。
今回もFedが行動で信頼を示せなければ、期待インフレが再び上がり、結果的に一段と大きな引き締めが避けられなくなるとの懸念が出ている。
- 「半導体を売ってケチャップを買え」 ウォール街でバリュー株シフト
足元のウォール街では、AIや半導体中心の成長株から、生活必需品などのバリュー株へ資金が移る流れが鮮明になっている。
BFGウェルス・パートナーズのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)はCNBCで「市場は半導体を売ってケチャップを買う方向に動いている」と語った。代表的な恩恵銘柄としてクラフト・ハインツを挙げた。
クラフト・ハインツはこの1カ月で15%超上昇し、S&P500と生活必需品セクターの騰落率を大きく上回った。
市場では、AI投資への疲労感から景気防衛株への選好が強まっている。新CEOのブランド再建戦略や割安感、約6%の高い配当利回りも投資家の関心を集めている。
- AI・半導体急落、「第2のアルケゴス」警戒のなか底固めか
サムスン電子が過去最高水準の半導体業績と長期供給契約を発表しても、市場の反応は鈍かった。株価は上げ幅をすべて失い、SKハイニックスも大幅に下落した。
アーム(Arm)、マイクロン、マーベル、ラムリサーチ、コアウィーブなど主要AI関連銘柄も、高値から20〜50%超下落した。もっとも、7月30日のニューヨーク株式市場では半導体株がそろって反発している。この反発が本格的な底打ちなのか、一時的な戻りなのかはなお見極めが必要だ。
市場では、足元の半導体株安について、一部ヘッジファンドや機関投資家が「第2のアルケゴス」事態を警戒し、レバレッジのかかった持ち高を先回りして減らしたためだとみる向きがある。実際、半導体指数は1カ月足らずで30%近く急落した。
ただ、過去を振り返ると、1995年と1997年にも半導体セクターは50%超調整した。その後のインターネット・バブル期には長期の上昇基調を維持した。
今回は過去と異なり、メモリー在庫の積み上がりではなくAI需要拡大の局面にある。このため、足元の調整はレバレッジ解消に伴うテクニカルな底打ち形成過程にすぎないとの指摘もある。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com
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