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サムスン電子、四半期売上高・営業益が過去最高 ADR発行は見送り

出典
Korea Economic Daily

概要

  • サムスン電子は2026年4〜6月期の連結決算で、売上高171兆5000億ウォン(約19兆3000億円)営業利益89兆5000億ウォン(約10兆1000億円)と、四半期ベースで過去最高の業績を達成したと明らかにした。
  • サムスン電子は、メモリーCAPAの60〜70%の長期供給契約HBM4売上高の拡大2ナノ・1.4ナノのファウンドリー増設米テイラー第2工場の着工を通じ、AI半導体を軸とする成長戦略を進めると説明した。
  • サムスン電子は、スマートフォン・テレビ・家電でAI・プレミアム製品とサービス広告・OSライセンシングADAS・プレミアムオーディオの強化によって収益性を守る方針を示し、ADR発行は現時点で検討していないと述べた。

期間別予測トレンドレポート

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サムスン電子、四半期で過去最高業績

メモリー長期契約の拡大を推進

米テイラー第2工場を年末着工へ

スマホ・テレビはAIで収益防衛

ソウル市瑞草区のサムスン電子本社前で、サムスンの旗が風になびいている。写真:イ・ソル記者
ソウル市瑞草区のサムスン電子本社前で、サムスンの旗が風になびいている。写真:イ・ソル記者

サムスン電子は、人工知能(AI)半導体需要の拡大に対応するため、メモリー生産能力の最大70%を長期供給契約で固める方針だ。米テキサス州テイラーの第2工場も年末の着工に向けて準備する。高帯域幅メモリー(HBM)やサーバー向けDRAMの供給を増やすのと並行し、2ナノメートル以下のファウンドリー生産能力も先行して積み増す。

スマートフォンやテレビ、家電などの完成品事業では、部材コストの負担が続くとみている。AIやプレミアム製品、サービス事業をてこに収益性を守る考えだ。米国預託証券(ADR)の上場については、現時点で検討していないとした。

メモリー長期契約を拡大、「2028年まで供給不足」

サムスン電子は7月30日の2026年4〜6月期決算説明会のカンファレンスコールで、エージェント型AIの普及加速に伴ってトークン消費量が爆発的に増え、AIサーバーだけでなく一般コンピューティングサーバーの需要もかつてなく拡大していると説明した。

一方で、新規ファブの建設からウエハー生産までは3年半超かかるため、2028年までに供給を大幅に増やすのは難しいとみている。2027年の供給不足は2026年より深まるとの認識を示した。

メモリー需給に関する質問に対しては、メモリー全体の生産能力(CAPA)の60〜70%水準で長期供給契約(LTA)を計画していると答えた。世界の大手データセンター顧客5社とは契約を終え、AI需要に関連する大口顧客5社とも交渉をほぼ終える段階だという。

こうした確定需要を土台に投資を機動的に執行し、過去より安定的で予見しやすい事業構造を築く方針も示した。

HBM4の供給拡大も本格化する。2026年7〜9月期のHBM4売上高は前四半期比で3倍超に増え、2026年下期にはHBM4売上高が同社HBM全体売上高の60%を大きく上回る見通しだ。下期には、HBM市場でのシェアをDRAM市場全体でのシェアに近い水準まで引き上げる目標を掲げた。

システムLSI事業では、次世代フラッグシップSoCの安定販売を進める。カスタムSoC分野で新規機会も掘り起こす。イメージセンサーの競争力を高めて用途を広げるほか、高性能のディスプレードライバーIC(DDI)や電源管理半導体の事業も育成する。

ファウンドリー事業では、大手クラウドサービス事業者(CSP)やAI・高性能計算(HPC)向け顧客から2ナノ案件を確保した。2026年の2ナノ受注案件数は2025年の2倍超に増える見込みだ。

増設計画については、先端工程の生産能力増強のペースが需要に追いついていないと説明したうえで、テイラー第2工場は2030年の量産開始を目標に、2026年末の着工を準備していると明らかにした。テイラー第1工場は2026年に稼働準備を計画通り進め、その後2ナノ生産能力を段階的に拡大する。1.4ナノに関する顧客の引き合いが増えていることを踏まえ、追加ファブの確保も検討する。

2026年4〜6月期の設備投資は16兆8000億ウォン(約1兆8900億円)と、前四半期より5兆5000億ウォン(約6200億円)増えた。半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門に15兆4000億ウォン(約1兆7400億円)、ディスプレーに7000億ウォン(約790億円)を投じた。メモリーでは平沢の新規インフラ投資を拡大し、ファウンドリーではテイラー工場の適時稼働に向けた投資を本格化した。サムスンディスプレーは7月から第8.6世代のIT向け有機EL(OLED)新ラインを稼働し、IT市場でのOLED採用拡大と売上成長を狙う。

スマホ・テレビ、AIとサービスで打開

モバイル・エクスペリエンス(MX)事業部は、2026年のスマートフォン出荷台数が減少しても、AI機能の普及とフォームファクター革新を追い風にプレミアム需要は維持されるとみている。売上高と平均販売価格(ASP)も上昇する見通しだ。これに合わせ、Galaxy Z Fold・Flip 8シリーズやGalaxy S26シリーズなどフラッグシップ機種の販売を伸ばし、中核となるAI体験をGalaxy Aシリーズにも広げる。

年内には「インテリジェント・アイウエア」を投入し、新たなAIフォームファクター体験も提示する。ネットワーク事業では新規受注の確保と原価競争力の強化に力を入れる。

映像ディスプレー(VD)事業については、テレビ完成品市場が停滞する一方、コネクテッドTV(CTV)広告サービス市場は成長が続いているとした。ビジョンAIベースの体験と「サムスンTVプラス」のコンテンツを強化する方針だ。広告事業と基本ソフト(OS)のライセンシングを拡大し、ハードウエア依存を下げる。

生活家電事業は、AI革新製品と高収益チャネルを拡大する。ハーマン(Harman)は最近の2件の買収を通じて、先進運転支援システム(ADAS)とプレミアムオーディオ事業を強化した。サムスン電子との相乗効果をもとに、車内IT・AI体験を導入し、自動運転分野へ事業を広げる構想だ。

ADR上場の可能性を問われると、現在は多様な事業ポートフォリオを基盤に安定した現金創出力を確保しており、新規資金調達を目的とするADRの必要性は高くないと説明した。現時点ではADR発行を検討していないとしつつ、中長期の株主価値向上策の一つとしては可能性を残した。

サムスン電子は同日、2026年4〜6月期の連結売上高が171兆5000億ウォン(約19兆3000億円)、営業利益が89兆5000億ウォン(約10兆1000億円)だったと発表した。売上高、営業利益とも四半期ベースで過去最高となった。

DS部門は売上高127兆5000億ウォン(約14兆4000億円)、営業利益89兆2000億ウォン(約10兆1000億円)を記録した。DX部門は売上高48兆ウォン(約5兆4100億円)、営業損失8000億ウォン(約900億円)だった。

キム・デヨン 韓経ドットコム記者 kdy@hankyung.com

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