FT「エヌビディア、最大500億ドルでデータセンター長期賃借 『循環金融』懸念再燃も」
期間別予測トレンドレポート



エヌビディア(NVIDIA)が、米国の超大型データセンターを最大500億ドル(約8兆1900億円)で長期賃借する契約を結んだ。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)が7月28日、複数の関係者の話として報じた。エヌビディアは、データセンター開発会社ハット8(Hut 8)が米テキサス州で建設する1ギガワット(GW)規模のデータセンター全体を借り上げる。施設にはエヌビディアの画像処理半導体(GPU)が搭載される。関係者によると、同社はデータセンター完成後、この設備をネオクラウド事業者などに再賃貸する。
ハット8の開示資料によると、今回の賃借契約は15年間で196億ドル(約3兆2100億円)に達する。30年まで延長するオプションを行使した場合、総額は500億ドルまで膨らむ見通しだ。
業界では、グーグル(Google)などの参入で競争が激しくなる人工知能(AI)半導体市場で、エヌビディアが優位を維持するために攻勢の資金投入に踏み切ったと受け止められている。
エヌビディアはこれに先立ち、コアウィーブ(CoreWeave)などのネオクラウド企業に数十億ドルを投じ、自社GPUの購入と運用を促してきた。今回は一歩進め、自社チップを搭載する実際の設置場所を早い段階で確保する動きに出た。
エヌビディアが借り上げたこのデータセンターは、開発事業者間の競争が激しくなるなか、確保が難しくなっている電力をすでに押さえている。
ハット8は、エヌビディアとの賃借契約を追い風に、データセンター開発に必要な債務調達で有利な条件を引き出せた。
エヌビディアの競合であるグーグルも、自社のテンソル処理装置(TPU)チップに基づくデータセンターに金融保証を付け、データセンター開発会社向けに低利の債券発行を支援するなどの優遇策を講じている。
一方、FTは今回の賃借が「循環金融」への懸念を改めて呼び起こす可能性があると指摘した。循環金融とは、AIチップメーカーと顧客企業が出資や資金支援を重ねることで、債権債務関係が複雑に絡み合う慣行を指す。
循環金融は産業エコシステムの拡大を早める半面、不況などで市場環境が急変した際には、不良が制御不能な形で広がるリスクを抱える。これは現在のAI業界の主要な弱点の一つとされる。
ハット8は今回の契約相手を明らかにしていない。ただ、当該データセンターはエヌビディアのDSXアーキテクチャー基準に合わせて構築する予定だと説明した。
エヌビディアは今回の契約について「エコシステムのパートナーと協力し、効率的なAIインフラ配備を前倒ししている」と述べた。そのうえで「こうした取り組みはDSXアーキテクチャーを通じて進めている」と付け加えた。
コ・ジョンサム 韓経ドットコム記者 jsk@hankyung.com
Korea Economic Daily
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