アップル、15カ月ぶり時価総額首位奪還 エヌビディア抜く
期間別予測トレンドレポート


AI投資競争を避けたアップル、ウォール街の新たなディフェンシブ銘柄に

アップルがエヌビディアに明け渡していた世界の時価総額首位を15カ月ぶりに奪い返した。AI半導体やデータセンターに巨額資金を投じる競合各社と異なり、投資負担を抑えた戦略が市場で見直されたためだ。ウォール街では、アップルをAI時代の新たな「ディフェンシブ銘柄」とみなす見方が広がっている。
7月27日のナスダック市場でアップル株は前日比1.17%高の336.91ドルで通常取引を終えた。時価総額は4兆9480億ドル(約810兆円)となり、世界で最も企業価値の高い企業の座を取り戻した。一方、2025年6月から首位を維持してきたエヌビディアは同日、株価が約5%下落して196.51ドルで引けた。時価総額は4兆7560億ドル(約779兆円)に低下した。
アップルはこれより前の2025年4月、ドナルド・トランプ米大統領が予告した「解放の日」の相互関税の影響を直接受けるとの懸念が広がり、AI導入の遅れも指摘されて、首位をオープンAIを後ろ盾とするマイクロソフト(Microsoft)に明け渡した。その後、AI半導体需要が爆発的に増え、マイクロソフトは約2カ月で再びエヌビディアに首位を譲った。
エヌビディアはその後も急拡大を続け、2025年7月に時価総額4兆ドル(約655兆円)に到達した。10月には史上初めて5兆ドル(約819兆円)を超えた。時価総額は2026年5月14日に過去最高の5兆7000億ドル(約933兆円)まで膨らんだが、その後は下落に転じた。
大型テック企業の中でAI対応が最も遅れ、「AI後進」とも呼ばれてきたアップル株は、7月に入ってからだけで19%以上上昇した。同じ時期にAI半導体株やデータセンター関連株が調整したのとは対照的だ。AI投資競争で相対的に少ない資本しか投じてこなかった点が、むしろ強みとして再評価された。
ハイパースケーラー各社がデータセンターやAI半導体の確保に巨額の資金を投じるなか、アップルは自前のインフラを構築するのではなく、外部のAIモデルと既存の端末エコシステムを活用する戦略を採っている。
半面、エヌビディアを巡ってはAI産業の「循環金融」への懸念が再び強まっている。エヌビディアは7月26日、オープンAIの超大型データセンター賃借に向け、最大2500億ドル(約41兆円)規模の支払い保証を提供する方針を示した。AI半導体の供給企業であるエヌビディアが主要顧客に資金を供給し、その顧客が再びエヌビディア製チップを購入する構図は、AI需要を実態以上に膨らませかねないとの警戒が出ている。
フリーダム・キャピタル・マーケッツのジェイ・ウッズ首席市場ストラテジストはヤフーファイナンスで、「アップルはかつて、AIにもっと投資しないことを批判されたが、そのおかげで資本支出に関するいくつかの落とし穴を避けることができた」と指摘した。
フューチャム・グループのダニエル・ニューマン最高経営責任者(CEO)はニューヨーク・タイムズに対し、「投資家はAI関連株の値動きが大きいとみており、アップルは指数そのものを保有するのに近い銘柄だと考えている」と語った。さらに、アップルは一種の「安全資産」と受け止められていると説明した。
今回の順位逆転は、アップルのCEO交代を約1カ月後に控えた局面で起きた。ティム・クックCEOは9月にCEO職を退き、執行会長に就く。これまでハードウエア部門を率いてきたジョン・ターナス上級副社長が後任としてアップルを率いる。
カン・ギョンジュ 韓経ドットコム記者 qurasoha@hankyung.com
Korea Economic Daily
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