ウォン上昇率、主要国通貨で首位 円は40年ぶり安値
期間別予測トレンドレポート


ウォンと円が足元で対照的な動きを見せている。ここ数年は連動してきたが、中東情勢の緊迫化や米利上げ観測を背景にした原油高・ドル高の局面でも、ウォンは主要国通貨のなかで上昇率が最も大きい。一方、円安は進んでいる。韓国の外国為替市場での需給改善に加え、韓国と日本の景気の基礎体力の差が、両通貨のデカップリング(連動性の低下)を促している。
円安でもウォン高、連動性低下が鮮明に
SKハイニックスADRで256億ドル流入
外国人は韓国株を買い越しに転換
輸出企業もドル売りを加速
日本は低成長と拡張財政が重荷

韓国の外国為替市場によると、6月末以降7月24日までの対ドルでのウォン上昇率は5.84%だった。ユーロは0.11%下落、台湾ドルは1.51%下落し、主要国通貨のなかでウォンの上昇幅が最も大きかった。同じ期間に円は0.93%下落した。
ウォンと円はここ数年、似た方向に動いてきた。中東産原油への依存度や対米大型投資計画、家計資金の海外流出、米国との金利差など、両国の経済条件が近かったためだ。6月末時点でも、ウォン・ドル相場と円・ドル相場の1年相関係数は0.9に達していた。相関係数が1に近いほど連動性が強いことを示す。
7月24日時点の直近1カ月の相関係数はマイナス0.6に反転した。この3週間でウォン・ドル相場が100ウォン近く下落した半面、円・ドル相場は約40年ぶりの円安水準まで上昇したためだ。ウォン・円相場も100円=895.44ウォンまで下がり、約1年8カ月ぶりの安値を付けた。
両通貨の連動性低下が鮮明になった最大の背景には、韓国の外国為替市場で需給が改善し、ウォン高に転じたことがある。SKハイニックスの米国預託証券(ADR)上場で調達した256億ドルが韓国内の外国為替市場に流入し始め、市場心理を一変させたとみられている。相場が短期的な天井圏にあるとの認識が広がり、ほかの輸出企業もドルの追随売りを急いでいる。
外国人投資家による韓国株売りが落ち着いたこともウォン高を支えた。今年上半期に韓国の有価証券市場で149兆ウォン(約1兆6200億円)を売り越し、ウォン安要因となっていた外国人は、7月13日から7月24日までの2週間では2兆5460億ウォン(約2770億円)の買い越しに転じた。A銀行の為替ディーラーは「SKハイニックスのドル売り期待が続くなかで、相場は下がるときに大きく下げ、上がるときの上昇幅は限られている」と述べた。さらに「1カ月前とは市場の雰囲気が完全に変わり、ドルショート(売り)戦略も有効だとの認識が広がっている」と語った。
韓国と日本の景気の基礎体力の差と金融政策の方向性も、両通貨の流れを分けた。半導体市況の回復を背景に、韓国の2026年の経済成長率は3%を大きく上回るとの見通しが強まり、市場参加者は韓国銀行が少なくとも2〜3回の追加利上げに踏み切るとみている。
国際通貨基金(IMF)は最近、日本の2026年の経済成長率見通しを0.6%とし、4月時点の0.7%から引き下げた。日本政府の拡張財政路線のもとで、日本銀行の追加利上げペースが鈍るとの観測も円の重荷になっている。この流れが続けば、現在それぞれ1.0ポイントと2.5ポイントの韓米、米日間の政策金利差はさらに拡大する公算が大きい。シンハン投資証券のハ・ゴンヒョン研究委員は「日本銀行の利上げペースが遅いため、円キャリートレードを通じた資本流出がなお多い」と指摘した。
専門家は当面、ウォンと円のデカップリングが続くとみている。KOSPIが過去の高値水準まで戻らない限り、外国人の韓国株売りが以前のように膨らむ可能性は低く、SKハイニックスのドル売りも当面はウォン高を支えるためだ。ただ、SKハイニックスの売り物の大半が消化される来月以降は、ウォン・ドル相場の下落ペースが鈍るとの見方もある。押し目でのドル買い需要が入れば、ウォン・ドル相場は1ドル=1450ウォン前後でもみ合う可能性がある。
円相場は中東情勢と日本銀行の追加利上げの有無が左右しそうだ。中東戦争が長期化し、米金融引き締めへの警戒が強まれば、ドル高が一段と進み、円の重荷になる可能性がある。
シム・ソンミ 韓国経済新聞記者 smshim@hankyung.com
Korea Economic Daily
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