概要
- 中東情勢の緊迫化と国際原油価格の急騰を受け、FRBの政策金利引き上げの可能性が改めて浮上していると伝えた。
- フェデラルファンド金利先物市場では、今回のFOMCの利上げ確率が中東情勢の悪化後に再び上昇したとした。
- FRBは今回のFOMCで金利据え置きとあわせ、今後の追加利上げの可能性をどの程度残すかが焦点になる見通しだと伝えた。
期間別予測トレンドレポート



米連邦準備理事会(FRB)が今週開く連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、中東情勢の緊迫化と国際原油価格の上昇を背景に、追加利上げの可能性が改めて意識されている。
ブルームバーグによると、FRBは7月28〜29日にFOMCを開き、政策金利を決める。前月の消費者物価が市場予想より落ち着いたことから据え置き観測が強まっていたが、米国とイランの衝突激化を受けて原油価格が急騰し、物価再上昇への警戒が強まった。
人工知能(AI)投資の拡大に伴う需要増も物価を押し上げる要因とみられている。トランプ米政権の追加関税政策も、インフレ圧力を高める材料として意識されている。このため市場では、FRBが金利を据え置いた場合でも、一部の委員が利上げを主張して反対票を投じる可能性が取り沙汰されている。
市場では実際に、利上げの可能性を織り込む動きが出ている。フェデラルファンド(FF)金利先物市場で今回のFOMCにおける利上げ確率は、前週に一時40%近くまで上昇し、週末時点でも約35%が織り込まれた。6月14日に発表された米国の6月消費者物価指数(CPI)が6年ぶりに前月比で下落したことを受け、利上げ確率はいったん約10%まで低下していたが、中東情勢の悪化後に再び高まった。
FRB内でも、物価を警戒し追加引き締めの必要性を訴える声が出ている。ローリー・ローガン米ダラス連銀総裁は最近、物価はFRBの目標である2%に向けて持続的に低下していないとして、小幅な追加利上げが必要だとの考えを示した。
ベス・ハマック米クリーブランド連銀総裁も、足元では雇用よりインフレの方が大きなリスク要因だと指摘した。ローガン総裁とハマック総裁はいずれも今回のFOMCで投票権を持つため、据え置きとなった場合に反対票を投じる可能性がある。
前回6月のFOMCでも、一部の委員が利上げの必要性を提起していたことが議事要旨で明らかになった。多くの委員は、AI主導の需要拡大や中東紛争、関税などの影響で物価が高止まりするシナリオを議論し、その場合には利上げが必要になり得るとの認識を共有した。
その後、トランプ政権はカナダなど主要貿易相手国に追加関税を課す方針を示した。米国とイランの停戦も崩れ、当時懸念されていた物価押し上げ要因が現実のものとなりつつある。
もっとも、FRBが今回の会合では金利を据え置き、今後の物価動向を見極める可能性も残る。シティグループのベロニカ・クラーク氏は、6月の物価が鈍化した分、FRBには直ちに金利を動かさない余地があると分析した。今後、エネルギー価格の上昇が消費者物価に限定的にしか反映されず、失業率が上昇すれば、据え置きを続けるか利下げを検討する可能性もあるとの見方を示した。
FRBのフィリップ・ジェファーソン副議長も最近、「実際のインフレが近く鈍化し始めなければ、現在の金融政策スタンスを再検討するのが適切となる可能性がある」と語った。
市場の関心は、ケビン・ウォーシュFRB議長の判断に集まっている。ウォーシュ議長は最近の議会証言で、物価安定に向けてFRBの政策手段を活用する方針を改めて示したが、具体的な金利経路には踏み込まなかった。
今回のFOMCでは、金利判断そのものに加え、今後の追加利上げの可能性をどの程度残すかが焦点となる。ドイツ銀行の米国担当チーフエコノミスト、マシュー・ルゼッティ氏は「今後数回の会合を通じて見極めるべき核心は、利上げが必要かどうかを巡り、FOMC内の中道路線の委員がどこに立つのかだ」と指摘した。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.