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ウォン建て取引所「最後の大物」ビッサム、キウム証券が出資検討

Doohyun Hwang

期間別予測トレンドレポート

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写真:Shutterstock
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韓国のウォン建て暗号資産取引所と金融・プラットフォーム企業の提携が最終局面に入ってきた。ネイバーファイナンシャルはドゥナムとの連携を進め、韓国投資証券はコインワンに出資した。未来アセットグループはコルビットを買収し、ゴーパックスはバイナンス子会社の傘下に入った。主要なウォン建て取引所で、新たな戦略投資家を迎える可能性が残る大手事業者は事実上、ビッサムだけだ。

金融投資業界によると、キウム証券は第三者割当増資の形でビッサム株を取得する案を検討している。投資額と出資比率は決まっていない。ビッサムも経営権売却を公式化しておらず、上場前の資本参加や事業提携に近い取引になる可能性が取り沙汰されている。キウム証券は6月29日の開示で「現時点で具体的に決定または確定した事項はない」とし、「内容が固まり次第、または1カ月以内に再開示する」と明らかにした。

実現すれば、株式市場と暗号資産市場を代表する個人向けプラットフォーム同士の大型提携となる。キウム証券は2005年以降、21年連続で株式委託売買シェア首位を守ってきた韓国有数のリテール証券会社だ。2026年1〜3月期の韓国株市場全体でのシェアは16.4%、個人投資家売買でのシェアは25.7%だった。韓国株の1日平均約定代金は27兆8000億ウォン(約3兆円)、顧客預かり金は13兆6000億ウォン(約1兆4700億円)に上る。2025年通期の連結営業利益は1兆4882億ウォン(約1610億円)、純利益は1兆1150億ウォン(約1210億円)で、投資余力も大きい。

ビッサムは韓国のウォン建て暗号資産取引所で第2位の事業者だ。暗号資産相場サイトのコインゲッコーによると、7月24日時点の韓国主要5大ウォン建て取引所の24時間売買代金は計4億6756万ドルだった。このうちビッサムは1億1305万ドルで24.18%を占めた。首位のアップビットは3億2990万ドル、シェアは70.56%だった。両社の合計シェアは94.74%に達し、事実上の二強体制となっている。

個人株取引で首位のプラットフォームと、暗号資産取引で2位のプラットフォームが手を組めば、大きなクロスセル効果が見込める。キウム証券のモバイルトレーディングシステム(MTS)「英雄門S#」は、1月時点で月間アクティブユーザー数が約343万人に達していた。こうした顧客をビッサムに自然に送客し、ビッサムの利用者には株式や上場投資信託(ETF)、トークン証券(STO)などを提供する構図が想定される。

両社とも新たな成長の柱を必要としていることも、今回の接近を後押ししている。キウム証券の個人投資家売買シェアは、2025年1〜3月期の29.7%から2026年1〜3月期には25.7%へ低下し、5月には24.7%まで下がった。大型株中心の相場に加え、大手証券による非対面営業の強化やプラットフォーム証券の台頭が響いた。ETFの流動性供給者(LP)取引に伴う教育税負担も、コスト競争力を弱める要因とされる。暗号資産の顧客を新たに取り込めれば、株式委託売買に偏った収益構造の多様化につながる。

ビッサムにも反転のきっかけが要る。市場シェアは5月18日に一時39.5%まで上昇したが、7月24日時点では24.18%に低下した。2026年1〜3月期の営業利益も、売買代金の減少を受けて29億ウォン(約3億1000万円)にとどまった。保有暗号資産の処分損失や金融当局の制裁関連費用も反映され、純損益は869億ウォンの赤字(約94億円)だった。

ビッサムにとっては、キウム証券の厚い資本力と大規模な個人顧客基盤を活用し、市場シェアの回復を狙える利点がある。今後、暗号資産の現物ETFやトークン証券、ステーブルコインが制度化されれば、両社が連携サービスを先取りする余地もある。すでにウォン建て取引所に出資した韓国投資証券や未来アセットグループも、リテールチャネルの連携やデジタル資産事業の拡大を進めている。

もっとも、複雑な支配構造と規制の不透明感は投資判断の重荷となる。ビッサム運営会社の株式73.56%を保有するビッサムホールディングスは、複数法人が絡む複雑な株主構成となっている。金融情報分析院(FIU)による一部業務停止や過料処分、暗号資産事業者(VASP)の更新申告など、行政面のリスクも残る。

政界で議論が進む暗号資産取引所の大株主の持ち分制限法案も重要な変数だ。特定株主の持ち分を20%または34%以下に制限する規制が導入されれば、単独での経営権取得は事実上難しくなる。金融投資業界関係者は、規制環境を踏まえて単独買収が難しいと判断されれば、キウム証券が少数株式を取得してビッサムとの事業提携を強化するか、複数の投資家がコンソーシアムを組んで参加する方式が最も現実的な代替案になるとみている。

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Doohyun Hwang

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