金価格20%超下落、中銀が保有拡大 押し目買い観測
概要
- 金価格が年初比で約20%以上下落するなか、8月限の金先物と金ETF(GLD)の価格が大きく下落したと伝えた。
- 今年1〜3月の各国による中央銀行の金購入は243トンに増え、中国の金保有量も拡大するなど、押し目買い需要が強まっているとした。
- 米国株のヘッジ需要とポートフォリオ分散の必要性が高まり、金の投資価値がさらに高まる可能性があると伝えた。
期間別予測トレンドレポート


中東戦争後に20%超下落
8月限の金先物は4135.8ドル
WSJ「押し目買いの好機」
投資家は米株ヘッジ目的の買いも拡大

2月に米国とイランの戦争が起きた後、金価格は20%超下落した。長年の上昇相場に慣れた投資家には戸惑いも広がる。一方で、今回の価格調整を買い場とみる向きもある。中国など各国の中央銀行が保有資産の分散を進め、金の買い入れを増やしているためだ。
中国やポーランドの中央銀行が金購入
米ニューヨーク商品取引所(COMEX)で7月22日、8月限の金先物は1トロイオンス=4135.8ドルを付けた。年初に記録した過去最高値の5318.4ドルに比べ、約22%低い水準だ。ニューヨーク証券取引所に上場する代表的な金上場投資信託(ETF)「SPDRゴールド・シェアーズ(GLD)」も379.1ドルと、年初高値の495.9ドルから約23.5%下落した。米国とイランの戦争が金安の引き金になったとの見方がある。
通常の値動きとは異なる。地政学リスクが高まる局面では、安全資産とされる金に資金が集まりやすいからだ。2022年のロシアによるウクライナ侵攻時には、金価格は大幅に上昇した。今回は市場の関心が、エネルギー価格の上昇がインフレを刺激する可能性に向かった。米連邦準備理事会(FRB)が高金利をより長く維持するか、追加利上げに動く可能性が高まるためだ。金は利息を生まない資産であり、金利が上がるほど国債などに比べ投資妙味が薄れやすい。UBSの最高投資責任者室でストラテジストを務めるジョバンニ・スタウノボ氏は、金について「インフレ率を反映した実質金利が低下する局面で最も良好なパフォーマンスを示してきた」と説明した。
足元のウォール街では、今回の調整を押し目買いの好機と捉える見方が浮上している。今年に入り、世界の中央銀行が金購入を着実に増やしていることが強気論の代表的な根拠だ。世界金協会(WGC)によると、各国中央銀行の金購入量は今年1〜3月に243トンとなった。前四半期比で17%ほど増えた。中国やロシアなどがドル依存を引き下げ、制裁リスクを減らすために準備資産の多様化を進めた結果と受け止められている。中国国家外貨管理局は、6月時点の外貨準備高が3兆4163億ドルと前月比0.75%減の260億ドル減だったと発表した。一方、金保有量は7544万トロイオンスとなり、前月より48万トロイオンス増えた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「中東の一部の国が流動性確保のため金を売却したとのうわさが流れたが、実際に確認された大規模な売却例はトルコ程度だった」と報じた。そのうえで、地政学危機の局面で各国中央銀行の金保有が増えている点について、外貨準備資産としての金の価値を裏付ける動きだと評価した。
地政学上の脅威を意識する国も積極的に金を買っている。今年1〜3月に世界で最も積極的だったのはポーランド中央銀行だ。ロシアの軍事的脅威に備える狙いがあり、四半期の純購入量は31トンに達した。

米株ヘッジ機能にも注目
FRBが金利判断を先送りする可能性も指摘されている。今月初め、ケビン・ウォーシュFRB議長は、米国のインフレ要因や人工知能(AI)技術が生産性・雇用・物価に及ぼす影響、大規模な債券保有と準備預金制度の見直しなどを扱う5つのタスクフォース(TF)を設置したと発表した。ウォーシュ議長は「大半の勧告は年末までにまとまると期待している」と述べた。ただ、調査結果の取りまとめは大幅に遅れる可能性が高いとみる向きもある。市場では、FRBが政策判断を遅らせた結果としてインフレを刺激する一方、逆にAI投資熱の鈍化などを見極めたうえで利下げに踏み切るとのシナリオが取り沙汰されている。
変動性が高まる米国株市場のヘッジ需要も、金投資を押し上げる要因とされる。AI投資ブームを背景に上昇を続けてきた米株相場が想定外の衝撃を受ければ、それに備える資産の必要性が高まるためだ。WSJは、株式市場が受ける予期せぬショックに備え、ポートフォリオの分散が重要だと指摘した。金の投資価値は一段と高まる可能性があると分析した。
キム・ドンヒョン記者
Korea Economic Daily
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