イスラエル、イランが遠心分離機数千基を山中地下に移設と判断 トランプ氏に伝達
概要
- イスラエル情報当局は、イランが2025年秋に数千基のウラン濃縮用遠心分離機を山中深くの地下トンネルに移したと把握した。
- ドナルド・トランプ大統領は、ピックアックス山を「大きく強力な一撃を加えるのに適した潜在的な標的」と表現し、攻撃の用意があるとの認識を示した。
- 米国とイスラエルの当局者や専門家は、ピックアックス山の地下トンネルが核関連設備の保管や製造、核物質生産に向けた小規模な濃縮施設として使われる可能性を長く懸念してきた。
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イスラエル情報当局は、イランが2025年秋、ウラン濃縮用の遠心分離機数千基を山中深くの地下トンネルに移したと把握した。イスラエルはこうした情報分析を米国に伝達した。ドナルド・トランプ大統領もこの情報を把握しているとみられ、今後の対応が注目される。
7月20日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、イスラエルは、米国とイスラエルの空爆でイランの主要な核施設3カ所が大きな打撃を受けた2025年6月の「12日戦争」から数カ月後、これらの遠心分離機がピックアックス山(Pickaxe Mountain)の施設に移されたとみている。
トランプ大統領は最近、ピックアックス山を攻撃する用意があるとの認識を示した。7月13日のメディアのインタビューでは、この山について「大きく強力な一撃を加えるのに適した潜在的な標的だ」と語った。トランプ大統領がピックアックス山に直接言及したのはこれが初めてだ。
イラン中部のピックアックス山は、2025年6月の戦争では主要な爆撃対象とみなされていなかった。2026年2月28日に始まった戦争でも標的にはならなかった。
ただ、米国とイスラエルの当局者や専門家は、この山のトンネルが核関連設備の保管や製造、核物質生産に向けた小規模な濃縮施設の構築に使われる可能性を長く懸念してきた。イランではコラング山(Kolang)として知られるピックアックス山は、こうした理由から過去数年にわたり米国とイスラエルの監視対象となっていた。
ピックアックス山はイランの主要核施設の近くにある。2020年の爆発事故で深刻な損傷を受けたイランの遠心分離機組立施設に代わる地下要塞の候補とされてきた。米シンクタンクの科学国際安全保障研究所(ISIS)によると、現地では過去15カ月にわたり、トラックの移動やトンネルの補強、警備区域の設定などの動きが続いていた。
2007年に整備され、その後イランが封鎖した既存のトンネル網の周辺でも作業が進んだとされる。ISISのデービッド・オルブライト所長は「イランが遠心分離機をピックアックス山のトンネル内に移した可能性は十分ある」と指摘した。
専門家は、この地下施設が硬い岩盤の下、深さ約90〜140メートルに整備されたとみている。複数の核関連施設を収容できる空間があると推定している。
バイデン政権でホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のイラン担当部長を務めたネイト・スワンソン氏は、イランが過去に秘密裏に核活動を進めてきた前歴を踏まえると、要塞化した地下施設での活動は深刻な懸念材料だと語った。「イランが秘密裏に核兵器開発を完了することが最悪のシナリオだ。イランの意図は分からないが、この施設を検証できないという事実そのものが、現在の状況の深刻さを物語っている」と説明した。
そのうえで「国際原子力機関(IAEA)は必ずこの施設に立ち入り、査察しなければならない」と訴えた。ただ、イランはこの施設へのIAEAの接近を一切認めていない。
遠心分離機は、ウランガスを高速回転させ、民生用原子力発電や兵器製造に使う同位体を分離・濃縮する装置だ。イランは核兵器開発を進めたことはないと主張している。ただ、兵器級に近い濃縮度60%のウランを約450キログラム生産した状態だとされる。
WSJは、仮にピックアックス山への遠心分離機配備が事実だとしても、イランが同地で濃縮施設を建設中であることを直ちに意味するわけではないと強調した。2025年6月の戦争後、破壊リスクを抑えるため、残っていた遠心分離機を単に退避させた可能性もあるためだ。
イスラエルが米国に伝えた情報にある遠心分離機が、もともとどこに置かれていたのかも明確ではない。WSJは、イランの主要核施設で保管していた予備機だった可能性もあると報じた。
パク・スビン 韓経ドットコム記者 waterbean@hankyung.com
Korea Economic Daily
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