「株式市場が賭博場になった」 未成年まで流入したレバレッジETF、「個人の墓場」に
期間別予測トレンドレポート


116万人がレバレッジに殺到、老後資金や若者の元手のみ込む
上期のレバレッジETF事前教育修了者は19倍に急増
SKハイニックスのレバレッジ6商品に8兆5456億ウォン(約9400億円)流入
サムスン電子のレバレッジ5商品にも4兆7211億ウォン(約5190億円)流入

2026年上半期にレバレッジ上場投資信託(ETF)の事前教育を修了した人は、前年同期の19倍に膨らんだ。サムスン電子とSKハイニックスの単一銘柄レバレッジETFへの過熱が、退職者の老後資金や若年層の元手まで呼び込んだためだ。ただ、単一銘柄レバレッジETFは株式市場の激しい変動のなかで収益率が半減し、巨額の損失を出したと推定される。個人投資家の間では「株式市場は投資の場ではなく賭博場になった」との不満が強まっている。
未成年も5000人超が参加、レバレッジ投資の実態
7月20日、国会政務委員会に所属するカン・ミョング国民の力議員の事務所が韓国金融投資協会から受け取った資料によると、2026年1〜6月に韓国金融投資協会傘下の金融投資教育院でレバレッジ基礎教育を修了した人数は116万2751人だった。前年同期の6万972人に比べ約19倍で、2025年通年の修了者20万5911人と比べても、2026年上半期だけで6倍近い。
単一銘柄レバレッジ投資に追加で必要な「深化教育」の受講者も大幅に増えた。制度導入後の月別修了者は4月が4832人、5月が40万1001人、6月が28万4376人だった。4月の導入後の累計修了者は69万209人に達し、実際の単一銘柄レバレッジ投資家も70万人前後に上るとみられる。
年齢別では、単一銘柄レバレッジの深化教育が始まった4月から7月13日までで、40代が21万745人と最も多かった。次いで50代が18万9308人、30代が17万6488人、20代が8万2172人、60代が7万339人、70代が1万499人、80代が1353人だった。親権者の同意など追加手続きが必要な未成年の修了者も5596人に達した。高収益を狙うレバレッジ投資の熱気が、成人だけでなく未成年にまで広がった格好だ。
一方、個人資金が大量に流れ込んだ単一銘柄のレバレッジ・インバース商品は、激しい相場変動のなかで大きな損失を出し、「個人投資家の墓場」に転じた。5月27日の上場後から7月16日までの約2カ月間で、サムスン電子とSKハイニックスの単一銘柄レバレッジ・インバースETF16本には計13兆4133億ウォン(約1兆4700億円)が純流入した。
内訳をみると、SKハイニックスの単一銘柄レバレッジ6本には8兆5456億ウォン(約9400億円)が集中した。サムスン電子の単一銘柄レバレッジ5本にも4兆7211億ウォン(約5190億円)が純流入した。一方、サムスン電子とSKハイニックスの株価下落に賭け、2倍の収益を狙うよう設計されたインバース2本への流入額は計1466億ウォン(約161億円)だった。
個人投資家の純買越額首位は、4兆9991億ウォン(約5500億円)が集まった「KODEX SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」だった。続いて「TIGER SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」が3兆4461億ウォン(約3790億円)、「KODEX サムスン電子単一銘柄レバレッジ」が3兆757億ウォン(約3380億円)、「TIGER サムスン電子単一銘柄レバレッジ」が1兆8916億ウォン(約2080億円)、「SOL SKハイニックス先物単一銘柄インバース2X」が1493億ウォン(約164億円)、「ACE SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」が986億ウォン(約108億円)と続いた。
巨額資金が流入する間に現物株が急落し、レバレッジ商品の収益率は半分近くまで落ち込んだ。最も資金を集めた「KODEX SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」は、この期間に2万7775ウォンから1万4585ウォンへ47.5%下落した。SKハイニックス株の下落率17.9%の2倍を上回る下げだった。「KODEX サムスン電子単一銘柄レバレッジ」も、サムスン電子株が16.9%下げるなかで41.7%下落した。
インバース商品の「SOL SKハイニックス先物単一銘柄インバース2X」と「PLUS サムスン電子先物単一銘柄インバース2X」も、それぞれ31.1%、8.9%下落した。個人投資家は7月に入ってから7月16日まで、激しく値動きしたサムスン電子株を10兆7040億ウォン(約1兆1800億円)、SKハイニックス株を6兆2424億ウォン(約6870億円)買い越し、そろって純買越額上位1位、2位となった。
KOSPIの日中変動率6.75%、1987年以降で最高
激しい変動を受け、株式市場が賭博場になったとする投資家の不満も相次いでいる。韓国取引所によると、7月に入ってから7月16日までのKOSPIの日中平均変動率は6.75%だった。韓国取引所が1987年に統計の集計を始めて以降で最高である。従来の最高だった金融危機時の2008年10月の6.11%を上回り、通貨危機時の1997年12月の5.37%よりも高い。
日中変動率は、営業日当日の指数の高値と安値の差を、高値と安値の平均値で割った数値で、その日の指数の平均に対する変動幅の比率を示す。7月は、指数が1日当たり中央値から上下に平均3.37%変動した計算になる。
2026年に入ってKOSPIは激しい値動きが続いている。過去20年余りの月次ベースで日中変動率が大きかった上位10カ月のうち、2026年だけで3カ月を占めた。7月に加え、6月の5.02%、5月の4.02%も上位10位内に入った。
KOSPIの歴史で日中変動率が10%台を記録したのは9回しかない。このうち3回が2026年だった。3月4日には11.42%まで跳ね上がり、6月23日は11.18%、7月13日は10.42%を記録した。韓国版恐怖指数と呼ばれるKOSPI200変動性指数(VKOSPI)は7月16日時点で87.14と高水準を保った。6月29日には96.94で引け、取引所が同指数を公式公表し始めた2009年4月13日以降で最高を付けた。
証券業界では、世界の半導体大手が好決算を発表しているにもかかわらず、小さな雑音でも投資心理が揺らいでいるとみている。ユアンタ証券のイ・ジェウォン研究員は「最近の投資家は、売る口実がほんの少しでも生じると耐えきれず投げ売りする傾向がある」と語った。そのうえで「レバレッジETF発の変動性と、純買いの主体不在が重なり、指数のバリュエーションを金融危機時よりも低い水準まで急落させた」と指摘した。
政界からも批判の声が上がっている。国民の力のパク・スヨン議員は「李在明政権は地方選挙前の株価てこ入れを狙い、『サムジョンニックス』(サムスン電子とハイニックス)単一銘柄商品の上場を押し切った。その結果、株式市場はカジノのように大きく揺れた」と述べた。さらに「7月だけでもサムジョンニックス単一銘柄ETFに集中した資金は7兆ウォン(約7700億円)に達し、収益率は半減した。個人投資家だけが深刻な損失を被った」と批判した。
同じ党のナ・ギョンウォン議員も「賭博場のようなレバレッジETFは、高齢者の老後資金や若者の元手、1400万人の個人投資家の資金に甚大な損失を与えた大惨事だ。それでも政策失敗への責任も謝罪もない」と非難した。
ユ・スンミン元国民の力議員は「サムスン電子とハイニックスの2社で時価総額の50%超を占める市場で、ETFと呼ぶことすら難しい高リスクのレバレッジ商品を、誰がどんな目的で導入し、ここまでの事態を招いたのか。政策失敗の責任は必ず問わなければならない」と述べ、国会による国政調査の実施を求めた。
カン・ギョンジュ 韓経ドットコム記者 qurasoha@hankyung.com
Korea Economic Daily
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