機関投資家、スマートコントラクト監査超え運用セキュリティーを直接精査
概要
- 機関投資家は、スマートコントラクト監査の履歴だけではプロジェクトの信頼性を判断しにくいとして、実査の範囲を運用セキュリティー全般に広げている。
- ハッケンは、追跡対象プロジェクトのうち、第三者モニタリング、バグバウンティー、セキュリティー監査をすべて備えた先が4%にとどまり、被害額の88.3%は秘密鍵・インフラ侵害などで発生したと明らかにした。
- アブラクサス・キャピタルとムーディーズ、ビットゴーの関係者は、運用レジリエンス、アクセス管理、インシデント対応、事業継続性が、機関投資家のセキュリティー・コンプライアンス評価の実質的な基準になっていると指摘した。
期間別予測トレンドレポート



暗号資産の機関投資家が、スマートコントラクトの監査履歴だけではプロジェクトの信頼性を見極めにくいとして、デューデリジェンスの対象を運用セキュリティー全般に広げている。
コインテレグラフが7月20日に伝えたところによると、ブロックチェーンセキュリティー企業のハッケン(Hacken)は「2026年4〜6月期セキュリティー・コンプライアンス報告書」で、追跡対象の1427件のプロジェクトのうち、第三者モニタリングを備えた先は9%にとどまったと明らかにした。モニタリングとバグバウンティー、セキュリティー監査をすべて備えたプロジェクトは4%にすぎなかった。
報告書は、4〜6月期の被害額約7億6400万ドルのうち88.3%が、秘密鍵や署名者、インフラへの侵害に起因したと分析した。同じ期間にハッキング被害を受けた14件のプロジェクトはいずれも過去に監査を受けていたが、損失の大半はスマートコントラクト監査の対象外である署名者の端末、ブリッジのバリデーター、バックエンドインフラ、管理者鍵などで発生した。
ハッケンは、継続的な運用セキュリティーの証拠を示せないプロジェクトは、リスク認識の高まりや投資縮小に直面し、保険や取引先へのアクセスも難しくなり得ると指摘した。
機関投資家の実査手法も変わってきた。アブラクサス・キャピタル(Abraxas Capital)のフェデリコ・バジオティ・グループリスク管理責任者は、投資妙味のあるポジションでも、受託資本に見合うセキュリティーが不十分だと判断すれば投資を見送るケースが最も多いと述べた。アブラクサスは現在、タイムロック、出金アドレスのホワイトリスト、多重署名の統制、単一鍵や単一バリデーターへの依存の有無を明示的に点検している。
ムーディーズ・レーティングス(Moody's Ratings)のラジブ・バムラ・デジタル経済戦略責任者は、運用レジリエンスが機関投資家によるセキュリティー、コンプライアンス、ガバナンス評価の実質的な基準になったと語った。ビットゴー(BitGo)のジョディ・メトラー最高執行責任者(COO)も、最近は機関顧客がカストディー事業者のアクセス管理、インシデント対応、事業継続性について、より具体的に質問するようになったと付け加えた。
YM Lee
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