期間別予測トレンドレポート


米、米兵2人死亡に報復空爆

米国とイランの戦闘は全面戦争の様相を強めている。ヨルダンで米兵2人がイランの攻撃で死亡し、イランの最高指導者が先月結んだ暫定休戦合意(MOU)の破棄を正式に宣言したためだ。国際原油価格は1バレル=88ドルを超え、約1カ月ぶりの高値に急騰した。
米中央軍は7月18日(現地時間)、「7月17日にイランの攻撃に対応していたヨルダン駐留米軍の兵士2人が死亡し、1人が行方不明になった」と発表した。イランの直接攻撃で米兵が死亡したのは3月以来初めて。2月末の開戦後、米軍の死者は16人に増えた。
今回の攻撃は、7月11日から続く米軍の空爆に対するイランの報復だ。クウェートやバーレーン、ヨルダンなど米軍が駐留する湾岸周辺国も攻撃を受けた。モジタバ・ハメネイ師は「ドナルド・トランプ米大統領の署名は信頼に値しない」と述べ、さらに強い報復を警告した。
エネルギー市場も大きく揺れた。ブレント原油先物は7月17日、前日比4.6%高の1バレル=88.10ドルで終えた。
米・イラン戦争、湾岸全域に拡大懸念
エネルギー拠点ゲシュムを報復爆撃、イランは湾岸周辺国へ再報復
7月17日のイランの攻撃で米兵2人が死亡し、中東情勢は重大な分岐点を迎えた。米中央軍が報復空爆に踏み切ると、イランは米軍が駐留する湾岸周辺国へ戦線を広げた。米国はイランの橋梁や電力施設を攻撃し、イランはクウェートの石油施設や海水淡水化施設を打撃した。双方が設けてきた禁じ手は事実上なくなった。

報復に再報復
7月19日未明、イランのエネルギー物流の中核拠点であるゲシュム島と港湾都市バンダルアバスで爆発音が報告された。イラン国営IRNA通信などが伝えた。7月17日にイラン革命防衛隊(IRGC)の攻撃で米兵2人が死亡し、1人が行方不明となったことへの報復とみられる。米中央軍は「最近ヨルダンの米軍将兵を攻撃したIRGCを迅速に懲罰するためだ」と説明した。
今回の衝突の発端は、6月25日のイランの無人機による貨物船攻撃だった。この船舶が米国の管理する代替航路を使ったことが理由だった。米国は6月26日、イランのミサイル・無人機基地と沿岸レーダーを攻撃した。これに対し、イランはクウェートやバーレーン、カタールなど米軍が駐留する湾岸諸国へ攻撃範囲を広げた。
イランが7月に入り、ホルムズ海峡を通過する商船を相次いで攻撃すると、米国はイラン産原油の輸出許可を取り消し、港湾と原油ターミナルへの海上封鎖を再開した。攻撃と報復が次の攻撃の口実となる悪循環が続いた。今回の米兵死亡で中東リスクは一段と高まった。今回の衝突では3月の第1次衝突より戦線が広がった。イランはクウェート、バーレーン、カタール、ヨルダンに加え、シリア駐留米軍にも同時多発的な攻撃に出た。
報復の対象も軍事施設から民間生活に直結するインフラへ広がっている。米国はイラン南部の橋やトンネル、電力施設、海水淡水化施設を攻撃した。イランはクウェートの石油施設と海水淡水化施設を打撃した。飲料水の約90%を海水淡水化施設に依存するクウェートでは、一部の発電設備も停止した。

原油、2週間で20%超上昇
原油輸出の迂回路として使われてきた紅海も封鎖されかねないとの懸念が強まっている。サウジアラビアはこのルートを活用し、原油輸出量全体を日量460万バレル水準に維持してきた。7月13日にはサウジアラビアとイエメン政府軍が、親イラン武装勢力フーシ派が支配するイエメンの首都サヌアの国際空港を空爆した。
フーシ派はサウジ南部のアブハ国際空港を狙ってミサイルと無人機を発射した。英国の経済分析会社キャピタル・エコノミクスは「紅海とホルムズ海峡の封鎖が長期化するか、サウジのパイプラインや港湾施設に相当の被害が生じれば、世界経済は景気後退に陥りかねない」と警告した。
中東の緊張が高まり、国際エネルギー市場も動揺している。ロンドンのICE先物取引所で9月渡しのブレント原油は7月17日、1バレル=88.10ドルで取引を終えた。米・イラン戦争が再開する直前の7月6日の71.99ドルと比べると、約22%上昇した。
先行きの見方は分かれている。交渉再開の可能性がある一方、低強度の消耗戦が長引く可能性もある。現在はイラン代表団がオマーンを通じた仲介ルートを維持している。双方とも最終的には戦線拡大を抑える誘因がある。米シンクタンクのジャーマン・マーシャル基金(GMF)は、米国が戦争の泥沼にはまり込むリスクを指摘した。この場合、原油価格は1バレル=80〜90ドル台に定着する公算が大きい。
ソン・ジュヒョン記者 handbro@hankyung.com
Korea Economic Daily
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