米「一律10%関税」7月24日に失効、トランプ政権は301条関税に乗り換え
期間別予測トレンドレポート


米「一律10%関税」の適用期限、7月24日に切れる
課税根拠として通商法301条を準備
韓国や中国など世界60カ国が対象
強制労働絡みなら10〜12.5%を適用
相互関税より税率変更は難しく

トランプ米政権が2026年2月に導入した「一律10%の普遍関税」は、7月24日に適用期限を迎える。トランプ大統領が2026年1月の就任後、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて導入した相互関税やフェンタニル関税などを違法とする連邦最高裁の判断が出た直後、政権は通商法122条に基づき、国際収支上の問題を理由とする世界共通の関税を打ち出した。
この関税は最長150日間適用できる。より精緻な通商法301条に基づく国別・産業別関税の導入までの橋渡しとするのが狙いだった。このため、期限を迎える7月24日前後に政権が新たな関税政策を発表する可能性がある。
暫定関税を経て301条へ
7月18日のワシントン関係者の話では、米通商代表部(USTR)は通商法301条に基づく過剰供給と強制労働に関する報告書の取りまとめを終盤に進めている。1974年に導入された通商法301条は、不公正または差別的な通商慣行に対抗するため、大統領が関税やその他の制裁を課すことを認めている。
米公共放送PBSは、通商専門の弁護士やアナリストの多くが、トランプ政権は7月24日の期限までに通商法122条に基づく関税を301条関税に置き換えるとみていると報じた。
最も早く導入される可能性が高いのは、強制労働に関連する301条関税だ。対象が韓国、中国など世界60カ国に及ぶためで、これらの国に一律10〜12.5%の関税を課せば、米輸入品の99%に対する関税率を現在の一律関税である10%以上に維持できる。
もっとも、対象国が強制労働による商品の流通を積極的に防いでおらず、米国に損害を与えているとする理屈は弱い。実際に強制労働の事例が多数報告されている中国と他国を一律に扱うのも合理性を欠く。ただ、強制労働品の流通に関与しないとの条約に署名するなどの方法で将来的に関税を撤回できる余地があるため、国別関税の導入に向けた第2の「橋渡し関税」としては使いやすい。
過剰供給を理由とする関税は、韓国など16カ国のみを対象としている。他国の「過剰生産」が米国の貿易赤字の原因になっているとの主張を盛り込んだ。ノルウェーでサーモンが多く取れるため貿易不均衡が生じるとしたり、実際には米国に対して貿易赤字のシンガポールを黒字国に分類したりする誤りも含むずさんな報告書だが、トランプ政権は意に介していない。米政府は今後、デジタルサービスなどの分野で非関税障壁をテーマにした301条調査も追加で進める予定だ。

導入後は撤回しにくく
301条に基づく国別関税の発動はすでに始まっている。最初の標的はブラジルだった。トランプ政権はブラジルに25%の関税を予告していたが、7月15日にこれを確定した。ブラジルの裁判所がX(旧ツイッター)やメタ、グーグルに特定の政治コンテンツの削除を求めたことなどを理由に挙げた。
さらに、エタノール関税の導入や違法な森林伐採、汚職問題も301条関税の根拠に据えた。他国の汚職問題が米企業と労働者に悪影響を及ぼしていると主張した格好だ。
これまでの流れを踏まえると、トランプ政権は同様の手法で国別の301条関税を決める公算が大きい。ただ、各国の事情に応じて税率を正当化するには名分と手続きが必要になる。このため、国別の最終税率の発表はさらに遅れる可能性がある。トランプ大統領は、カナダの山火事による大気汚染の悪化を理由に関税賦課をちらつかせるなど、事実上あらゆる事象を関税の根拠にし得る姿勢を示している。
韓国は2025年、米国に対し3500億ドルに上る投資を約束する代わりに、米関税率を最大15%に抑えるとの約束を取り付けた。通商専門家の多くは、301条調査などの結果としても、これを上回る税率が適用される可能性は高くないとみている。トランプ政権の関係者は、韓国側との面談でこうしたメッセージを繰り返し伝えているという。
トランプ第1次政権時代から対中関税に活用されてきた301条関税は、いったん導入すれば見直しが容易ではない。一方で、相互関税のように税率を頻繁に動かしにくい仕組みでもある。
こうした関税政策によって、トランプ政権が掲げる製造業再建の目標が実際に実現しているかは明確ではない。米国内総生産(GDP)に占める製造業の比率は下がり続けている。トランプ大統領が最初に就任した2017年1〜3月期は10.7%だったが、2026年1〜3月期は9.4%に低下した。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com
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