シェブロン、ホルムズ海峡迂回へイラク―シリア送油網建設
概要
- シェブロンはイラク―シリア送油網の建設を進め、ホルムズ海峡への依存度を引き下げようとしている。
- イラクは日量400万バレルの原油を生産しており、代替輸出ルートの確保に向けて送油管事業を急いでいる。
- 中東各国で脱ホルムズ海峡パイプラインの拡充が進む一方、ドローン・ミサイル攻撃への脆弱性が指摘されている。
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米石油大手シェブロン(Chevron)が、イラクとシリアを結ぶ送油網の建設を進めている。ホルムズ海峡の封鎖で原油輸出に支障が生じたためだ。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)が7月16日に報じた。シェブロンとイラク政府は、シリアにつながる送油網の建設と復旧に向けて詰めの協議を進めている。シェブロンは米投資会社に加え、シリア系・カタール系の富豪アルカヤト兄弟が保有する企業とコンソーシアムを組成した。
計画の中核は、イラク南部産の原油を地中海に直接運ぶルートを開くことにある。まずイラク南部の油田地帯と北部の石油都市キルクークを結ぶパイプラインを建設する。そのうえで、老朽化した既存の送油網の一部を活用し、キルクークからシリアを横断して地中海沿岸に至る2本目のパイプラインを敷設する構想だ。
ドナルド・トランプ米大統領の側近である駐トルコ米大使トム・バラック氏も、この事業を巡る協議に関与しているという。シェブロンは今週、イラク南部の大規模油田2カ所を開発するための了解覚書(MOU)も結ぶ予定だ。
イラクはこの計画を通じて、原油輸出でホルムズ海峡への依存度を引き下げる。日量400万バレルの原油を生産するイラクは、石油輸出国機構(OPEC)で第2位の産油国だが、米国とイランの戦争後は生産量を半分超減らした。経済に打撃を受けたイラク政府は、代替輸出ルートの確保を急いでいる。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など中東各国も、原油輸出能力を高めるため「脱ホルムズ海峡」のパイプライン拡充を進めている。ただ、パイプラインもポンプ場や貯蔵施設、ターミナルがドローンやミサイル攻撃にさらされやすく、紛争の影響を完全に免れることはできないとの指摘がある。
米国とイランの武力衝突は1週間続いている。米軍の攻撃対象は軍事施設にとどまらず、空港や鉄道、港湾など民間インフラにも広がっている。イランも反撃の範囲を湾岸全域に広げており、対立は激しさを増している。ホルムズ海峡の自由通航の時代は終わり、米軍の常時駐留拡大が避けられなくなるとの警告も出ている。
キム・ミリ記者 mirimiri@hankyung.com
Korea Economic Daily
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