アンソロピック、10月上場へ OpenAIに先行
期間別予測トレンドレポート


企業価値は9650億ドル

対話型AIモデル「クロード」を開発するアンソロピック(Anthropic)が、新規株式公開(IPO)に向けて機関投資家との接触を進めている。OpenAIなどがIPOを先送りするなかでも、上場準備を着実に進めている。
ブルームバーグ通信が7月16日に報じたところによると、IPOの主幹事は今後数週間のうちに、投資家とアンソロピックの面談を設定する予定だ。ブルームバーグはこれに先立ち、同社が2026年10月のIPOを準備していると伝えていた。
上場が実現すれば、アンソロピックは競合のOpenAIより先に株式市場入りすることになる。AI産業の企業価値を巡っては「バブル」や「高値警戒」への懸念が浮上しているが、ウォール街では先に上場する企業の方が高い評価を得やすいとの見方がある。OpenAIは当初、2026年秋の上場を目指していたが、最近になって日程を2027年に先送りしたとされる。両社とも米証券当局に非公開で上場申請を済ませている。
アンソロピックの上場は、中国の競合ディープシーク(DeepSeek)に先行する意味合いもある。ディープシークもIPOを準備しているが、現時点では2026年内に上場予備審査の申請書類を提出する段階にとどまるとみられる。
アンソロピックは最近、AIモデル需要の拡大を追い風に売上高を急速に伸ばしており、上場準備を加速している。特に、ソフトウエア開発工程を自動化するコーディング支援AIツールが市場で好評を得ている。
一方で、政治面の不確実性は残る。トランプ政権は一時、アンソロピックの中核AIモデルを巡り、海外からのアクセスを制限する措置を講じた。アンソロピックは、米戦争省(国防総省)が同社を米国の供給網のリスク要因と位置づけたことに反発し、訴訟を起こしたこともある。
アンソロピックはモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、JPモルガン(JPMorgan)をIPOの共同主幹事に選定し、上場準備を進めている。2026年5月の資金調達時には、企業価値を9650億ドルと評価された。OpenAIを上回る水準だ。
足元では巨大テック企業の株価がやや伸び悩む一方、AI関連のIPO市場はなお熱気を保っている。ブルームバーグによると、2026年にIPOで調達された資金は、特別買収目的会社(SPAC)やその他の金融商品を除いて計2275億ドルに達した。2021年以降で最大となる。
2026年6月に過去最大のIPOを実施したスペースX(SpaceX)も、AIを中核の投資テーマに掲げた。同社は宇宙データセンターの構築を通じ、26兆5000億ドル規模と推計するAIインフラ市場を先取りする構想を示した。前週に米株式市場へ米国預託証券(ADR)を上場したSKハイニックスも、AI投資ブームの代表的な恩恵銘柄に挙げられている。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com
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