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独自チェーンで勢いづくロビンフッド、米最大級コインベースと正面対決

Uk Jin

概要

  • ロビンフッドは独自ブロックチェーンロビンフッド・チェーンの立ち上げに加え、1〜3月期の純売上高純利益が増加し、コインベースと同じ市場で競う構図になった。
  • ロビンフッド・チェーンは公開初週のDEX取引高が約31億ドルに達し、最初のミームコインキャッシュキャット(CASHCAT)も約1万2000%上昇するなど、急速に存在感を高めている。
  • コインベースはベース(Base)へのB20導入とステーブルコイン関連収益を強みにし、ロビンフッドはRWAやトークン化株式、USDGを軸に新規事業で競っている。

期間別予測トレンドレポート

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写真:ロビンフッド、コインベース
写真:ロビンフッド、コインベース

コインベース(Coinbase)とロビンフッド(Robinhood)がこのところ、米暗号資産(仮想通貨)業界で激しく競り合っている。

両社とも暗号資産の取引を手がけるが、出自は異なる。コインベースはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの売買を主力に成長した取引所だ。一方のロビンフッドは、株式や上場投資信託(ETF)、オプションなど伝統的な金融資産の取引を土台に事業を拡大してきた。

もっとも、2026年に入って伝統金融と暗号資産市場の融合が本格化し、両社は同じ市場でぶつかる構図になった。

両社の動きにもそれが表れている。コインベースは2026年初め、「あらゆるものを取引する取引所(everything exchange)」の構築を目標に掲げた。ロビンフッドも7月初め、独自ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」を立ち上げ、暗号資産事業を広げる姿勢を打ち出した。

ハナ証券のイ・ジュノ研究員は「ロビンフッドは単なる取引プラットフォームを超え、トークン化株式やETF、実物資産の流通まで網羅するスーパーアプリへ進化している」と分析した。コインベースと事実上、同じ市場で競う構図ができたとも指摘した。

1〜3月期業績と株価は明暗

本格競争を前に公表された2026年1〜3月期決算では、ロビンフッドがコインベースを上回ったとの受け止めが多い。

ロビンフッドが4月に公表した1〜3月期の純売上高は10億6700万ドルと、前年同期比で約15%増えた。純利益も約3%増の3億4600万ドルだった。

これに対し、コインベースの1〜3月期の純売上高は13億ドルで、前年同期比約30%減った。売上高の減少は利益面にも響き、1〜3月期に3億9410万ドルの純損失を計上した。

1〜3月期の暗号資産市場が振るわず、両社の業績に差がついた。株式など幅広い金融商品を扱うロビンフッドは、暗号資産部門の減収を相殺できた半面、暗号資産取引への依存度が高いコインベースは業績悪化を避けられなかった。

業績の差は株価にもそのまま映った。ヤフーファイナンスによると、ロビンフッド株は7月15日、前日比1.84%高の115.54ドルで取引を終えた。年初比の上昇率は0.3%にとどまる。

ただ、3月末に付けた年初来安値の終値65.16ドルと比べると、77%以上上昇した。2026年3月まで続いた下げの大半を、わずか3カ月ほどで埋め戻した計算になる。

一方、コインベース株は前日比3.54%高の167.21ドルで引けた。もっとも、年初に記録した236.53ドルと比べると29%以上低い。3月末の年初来安値の終値160.79ドルと比べた上昇率も約4%にとどまった。

ロビンフッド・チェーン、ベース揺さぶるか

写真:ロビンフッド
写真:ロビンフッド

両社の競争は今後、ブロックチェーンの領域で本格化する見通しだ。ロビンフッドは独自チェーンを投入し、コインベースのブロックチェーン「ベース(Base)」に挑戦状を突きつけた。

イ研究員は「ベースとロビンフッド・チェーンはいずれも、利用者を自社のエコシステム内につなぎとめるための戦略だ」と語った。今後はチェーンを軸に、利用者獲得競争が本格化するとの見通しも示した。

ロビンフッドの独自ブロックチェーンであるロビンフッド・チェーンは、アービトラム(ARB)を基盤に構築したイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンだ。既存のアプリやウォレットの利用者をロビンフッド・チェーンに取り込み、さまざまな分散型金融(DeFi)サービスを単一のエコシステム内で提供する構想を描く。

立ち上がりの反応は熱い。世界の投資銀行バーンスタインによると、ロビンフッド・チェーンはメインネット公開後の最初の1週間で、分散型取引所(DEX)の取引高が約31億ドルに達した。主要ブロックチェーンの上位5位圏に入る規模だ。

ロビンフッド・チェーンの勢いを象徴するのが、チェーン上で最初のミームコイン「キャッシュキャット(CASHCAT)」だ。発行から約10日で時価総額が2億ドルを超えるまで急騰した。

足元では上げ幅を大きく縮め、0.1ドルで取引されている。それでも公開価格と比べれば約1万2000%高い水準だ。

もっとも、エコシステムの厚みではベースが先行する。7月16日時点のディファイラマによると、ベースには1023のDeFiプロトコルが登録されている。DeFi内の預かり資産総額(TVL)は約45億8500万ドルだった。

これに対し、ロビンフッド・チェーンに登録されたプロトコルは62、TVLは約1億9060万ドルだった。TVLだけでみると、ベースはロビンフッド・チェーンの約24倍にあたる。

ただ、チェーンの活発さではロビンフッド・チェーンがベースを急速に追っている。過去24時間のDEX取引高は約7億9750万ドルだった。ベースの約8億7990万ドルとの差は1億ドルほどにすぎない。立ち上げ時期を踏まえれば、ベースとの開きを急速に縮めている。

新規事業でも競争激化

新規事業を巡る競争も激しい。争点の一つが、2026年に最も注目を集める暗号資産分野の一つである実物連動資産(RWA)だ。株式やコモディティーなどの実物資産をブロックチェーン上でトークン化する技術を指す。

ロビンフッドはすでに2025年6月、欧州で200超の米国株・ETFトークンを投入した。当時未上場だったスペースXのトークン化株式を公開し、市場の関心を集めたこともある。

ただ、ロビンフッドのトークン化株式は株式に対する権利を与えない。このため保有者は、対象企業に対する議決権を行使できない。

コインベースは追撃に動いている。ベースは7月8日、トークン標準「B20」をメインネットに適用した。B20はステーブルコインやトークン化株式など、さまざまな資産をより簡単に発行できるよう設計した技術標準だ。

コインベースがB20を打ち出した背景には、ベースをトークン化資産の発行インフラへ育てる狙いがある。

実際、コインベースは6月、海外利用者向けに株式を1対1で保有できるトークン化株式サービスを始めると明らかにした。配当金の支払いと株主としての権利まで反映した実際の持ち分所有権を提供する点が、ロビンフッドとの違いだ。

ステーブルコインも主要な競争分野だ。この分野ではコインベースが明確に優位に立つ。とりわけコインベースはサークル(Circle)の流通パートナーを担う。サークルの準備金運用収益をコインベースが分け合う構図で、2026年1〜3月期に3億ドルを超えるステーブルコイン関連収益を上げた背景になっている。

ロビンフッドが押し出すステーブルコインはUSDGだ。USDGはパクソス(Paxos)がシンガポールで発行したステーブルコインで、流通量ベースの時価総額は約32億ドルと、サークルの約700億ドルには大きく及ばない。

もっとも、ロビンフッド・チェーンの成長が続けば、USDGも市場シェアを速いペースで高める可能性がある。

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Uk Jin

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