FRB議長候補から外れたウォラー理事、ハト派からタカ派に転換
期間別予測トレンドレポート



かつてハト派と目されていたクリストファー・ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が、政策金利の引き上げの必要性を訴え始めた。2024年までタカ派に分類されていたウォラー理事が本来の立場に戻ったとの受け止めがある一方、FRB議長候補から外れたことを機にトランプ政権と距離を置いたとの見方もある。
ウォラー理事は7月13日(現地時間)、米ニューヨークで開かれたイベントで「今週公表されるコアインフレ指標が再び高い水準となれば、連邦公開市場委員会(FOMC)は短期的な金融引き締めを検討すべきだ」と述べた。関税政策やエネルギー価格の上昇、人工知能(AI)インフラの拡大に伴うインフレ圧力によって、金融政策は岐路に立っていると指摘した。
ウォラー理事は「どのような手法で分析しても、今年の物価は上昇基調にある」とも語った。FRBが重視するインフレ指標であるコア個人消費支出(PCE)物価指数が、5月までの1年間で3.4%上昇した点を挙げた。
ウォラー理事は過去にもタカ派として知られた。2020年にFRB理事に就任して以降、インフレ抑制を最優先課題に掲げ、セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁と並ぶ代表的なタカ派と位置づけられた。2024年まで「利下げには、インフレ率が目標水準に向かって低下している証拠が必要だ」と強調し、市場では「データ重視のタカ派」と受け止められていた。
ただ、ウォラー理事の姿勢は昨年から大きく変わった。労働市場の減速と景気の下振れリスクを強調し、早期利下げの必要性を公然と主張した。関税に伴う物価上昇についても、一時的な衝撃にとどまる可能性が大きいと評価した。FOMCでは利下げを支持する少数意見も示した。このため市場では、ウォラー理事をFRB内の代表的なハト派とみる向きがあった。
今回の姿勢転換については、トランプ大統領への個人的な感情が影響したとの解釈がある。ウォラー理事は昨年、ジェローム・パウエル前FRB議長の後任候補として有力視されていたが、トランプ大統領は次期議長にケビン・ウォーシュを指名した。その後は利下げを唱えていた従来の姿勢から離れ、再び強硬な物価対応を訴えている。
中東情勢の緊迫に伴う原油高にウォラー理事の姿勢変化が重なり、FRBが7月29日に利上げに踏み切る確率は高まった。7月13日の米短期金利先物市場(OIS)では、政策金利を0.25ポイント引き上げる可能性をおよそ50%織り込んだ。取引序盤の40%未満から大きく上昇した。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com
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