ウォール街が総強気、「中国版エヌビディア」カンブリコンに買い推奨
期間別予測トレンドレポート


中国AIチップの有力株、カンブリコン

習近平・中国国家主席は4月、中国共産党中央政治局会議を主宰し、「人工知能(AI)プラス」政策を打ち出した。AI半導体の国産化に加え、コンピューティングネットワークや通信、電力網などAI関連インフラの拡充も促した。
この戦略の公表後、注目を集めた企業がAIチップ大手のカンブリコン・テクノロジーズだ。「中国版エヌビディア」とも呼ばれる。同社は「中国版ナスダック」とされる科創板(上海証券取引所傘下)に上場している。株価は直近6カ月で59.22%上昇し、6月30日には時価総額が1兆元を超えた。

中国「AI台頭」の象徴に
カンブリコンは2016年、中国科学院(CAS)出身の陳天石氏と陳雲霽氏の兄弟が創業した。創業初期にはCASの支援を受けて分社化し、現在もCASが15.7%を保有する第2位株主だ。
最初の顧客は華為技術(ファーウェイ、Huawei)だった。2018年の売上高の98%をファーウェイ向けが占め、スマートフォン向けAIライセンスを供給した。だが、ファーウェイが独自技術を開発したため、新たな顧客先を探さざるを得なくなった。その相手が台湾積体電路製造(TSMC)だった。
2022年には米政府の規制が重荷となった。カンブリコンを「取引制限企業」リストに加えたため、TSMCとの協力は途絶えた。
その後、カンブリコンを支えたのは中国政府だった。中国当局はAI産業の振興を狙っており、そのために最も必要な中核がAIチップの国産化だった。カンブリコンはこうして、中国のAI台頭を象徴する存在として浮上した。現在の中国AIチップ市場でのシェアは15%で、ファーウェイに次ぐ2位につける。
主力製品は2024年に改良したAIチップ「思元590」だ。AI半導体市場では、コストパフォーマンスに優れた製品として挙げられる。性能はエヌビディアの「A100」の80〜90%水準とされる。

業績は2025年に黒字へ転じた。売上高は前年より411%増の64億9800万元、純利益は20億5900万元だった。2026年1〜3月期の売上高は前年同期比159.56%増の28億8500万元、純利益は185.04%増の10億1300万元だった。いずれも市場予想を上回った。2026年通期の売上高は前年比約175%増の230億元を見込む。
証券界は「買い」維持、目標株価は最高1903元
ウォール街と上海市場でカンブリコンを分析するアナリストは、そろって投資判断を「買い」としている。平均目標株価は1646.43元だ。
中国の富途証券のモバイル投資プラットフォーム「moomoo」は7月28日、カンブリコンの目標株価を1903元と示した。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は「カンブリコンは中国製AIチップの中で、推論分野で最も先行している」と指摘した。さらに、今年のAIアクセラレーター配備台数を50万ユニットまで増やす目標が、今後の追加成長を示していると分析した。
中国の光大証券は、カンブリコンの目標株価を1367.31元とした。1株利益(EPS)は2026年が12.11元、2027年が21.46元、2028年が35.55元に拡大するとの見通しを示した。
インベスティング・ドットコムによると、カンブリコンの6月時点の12カ月先予想株価収益率(PER)は128倍に達する。エヌビディアのおよそ8倍だ。中国政府がAI関連事業を積極支援しているうえ、AIチップ関連のハードウエア、ソフトウエア、装置の国産化も進んでいるため、なお上昇余地があるとみられている。
中国の半導体企業、長鑫存儲技術(CXMT)と長江存儲科技(YMTC)の年内新規株式公開(IPO)も、カンブリコン株には追い風となりそうだ。中国のAI企業、智譜AIが1月に香港市場へ上場したのに続き、長鑫と長江がIPOに成功すれば、AIチップ設計のカンブリコン、AIモデルの智譜AI、メモリー半導体の長鑫・長江という流れが中国株市場で一体的に物色される可能性が大きい。
イ・ミア記者(mia@hankyung.com)
Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.