クーパン、下期に「ロケットペイ」 ネイバー型金融を拡張
概要
- クーパンは下期に ロケットペイ を投入し、既存の クーパンペイ の利用先を外部加盟店へ広げて 簡便決済市場 に参入すると明らかにした。
- ネイバーペイ、カカオペイ、トスペイが主導する 汎用型簡便決済市場 は106兆3000億ウォン(約11兆6000億円)規模に拡大しており、クーパンも利用者獲得競争に加わったと伝えた。
- 金融界は、クーパンが クーパンファイナンシャル の融資事業と連携し、ネイバーのように 総合金融事業 へ拡大する可能性が大きいとみている。
期間別予測トレンドレポート


クーパンとネイバーショッピングは、韓国電子商取引の二大勢力だが、戦略は大きく異なる。クーパンは商品を自ら仕入れて消費者に直接配送する直営方式を採る。最安値比較を通じて他の通販サイトに顧客を送るネイバーショッピングに比べ、顧客の忠誠度を高めやすい強みがある。
一方で成長には限界もある。あらゆる機能を自前で抱え込んできたため、提携や接続を重視するネイバーに比べると、拡張性で後れを取ってきた。
簡便決済も同じだ。ネイバーペイはネイバーショッピング以外の外部通販サイトでも使えるが、クーパンペイはクーパンのサービス内に利用先が限られていた。どこでも使える簡便決済としてシェアを広げるネイバーペイに対抗するには、戦略の見直しが欠かせなかった。クーパンの囲い込みの中でしか使えないサービスでは、急成長する簡便決済市場で完全に出遅れかねないとの懸念も強まっていた。クーパンが統制と内製化という持ち味をいったん脇に置き、少なくとも簡便決済では障壁を下げようとしているのはこのためだ。

急成長する簡便決済市場
クーパンはこれまで、買い物だけでなくフィンテックや金融事業も自社プラットフォーム内で展開してきた。簡便決済サービスのクーパンペイに加え、金融子会社クーパンファイナンシャルの融資事業もクーパンに出店する販売業者だけを対象としていた。
ただ、簡便決済分野ではこうした戦略を守り続けるのは難しいと判断した。汎用型の簡便決済市場が拡大を続けているためだ。ユ・ドンス共に民主党議員室が韓国金融監督院から受け取った資料によると、ネイバーペイ、カカオペイ、トスペイのオンライン・オフラインの年間簡便決済額は、カードとプリペイドの取引実績ベースで106兆3000億ウォン(約11兆6000億円)だった。2024年の92兆9000億ウォン(約10兆1000億円)に比べ14.4%増えた。2021年の50兆6000億ウォン(約5兆5000億円)と比べると、4年で2倍超に増えた。
これに対し、クーパンの既存事業の成長ペースは鈍い。親会社の米クーパンの2026年1〜3月期売上高は12兆4597億ウォン(約1兆3600億円)で、前年同期比8%増だった。四半期売上高の伸び率が1桁にとどまったのは、2021年のニューヨーク証券取引所上場後で初めてだ。韓国の電子商取引市場が飽和状態にあるうえ、2025年に起きた大規模な情報流出事故も売上高に響いた。
ネイバー型の金融戦略を追うのか
業界では、クーパンが汎用型の簡便決済市場に参入すれば、競争構図が揺らぐ可能性があるとみている。電子商取引や宅配、コンテンツ事業で築いた影響力をもとに攻勢をかければ、オンラインとオフラインの加盟店を大量に集められる余地があるためだ。
電子商取引業界の関係者は「過去にクーパンがクーパンイーツで配達プラットフォーム事業を始めた時も、さまざまな特典を打ち出して短期間で市場2位に定着した」と述べた。そのうえで「すでに大規模決済を処理したノウハウがあるだけに、試行錯誤は最小限に抑えられる」と指摘した。
金融界では、クーパンの簡便決済参入をネイバー型の総合金融会社を目指す布石と受け止めている。ネイバーは2015年に汎用型の簡便決済サービスを初めて投入した後、ショッピングと金融を連携させて事業を急速に拡大した。その後は利用者の増加を追い風に、オフライン決済、ネイバー通帳、信用貸出比較へと金融事業を広げた。クーパンが系列会社クーパンファイナンシャルで融資事業を手がけている点も、ネイバーのような総合金融事業に進むとの見方を強めている。
金融界の関係者は「これまでクーパンは、自社の出店業者に限定して与信事業を展開し、簡便決済も自社アプリ内に限ってきた」と語った。さらに「こうした内製化中心の戦略をどう外部に広げて定着させるかが、事業成功のカギになる」との見通しを示した。
ペ・テウン記者 btu104@hankyung.com
Korea Economic Daily
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