「なぜ下げ続けるのか」動揺広がる個人投資家 サムスン電子、いま買うべきか
期間別予測トレンドレポート


「一段高」か「上昇の勢い鈍化」か サムスン電子の先行きに強弱
「投げ売りでなく条件付きの分散買い」 個人投資家が見るべき材料

サムスン電子が過去最高益を更新したにもかかわらず、株価は2日続けて急落し、投資家の混乱が広がっている。4〜6月期の営業利益は89兆4000億ウォン(約9兆7000億円)と四半期ベースで過去最高となり、市場予想を上回ったが、株価は決算発表日の7月7日に7%近く下落し、翌7月8日も6%下げた。
4〜6月期決算の発表翌日の7月8日だけで、証券会社12社がサムスン電子の分析リポートを公表するなど、市場の関心は高い。今後の株価の方向感を巡って、証券業界の見方は割れている。専門家は、人工知能(AI)投資の継続性や外国人投資家の売買動向などを見極めながら、分散して対応するのが望ましいと助言する。
「一段高」か「上昇の勢い鈍化」か サムスン電子の見方分かれる
サムスン電子は7月8日、前日比6.25%安の27万7500ウォン(約3万円)で通常取引を終えた。7月7日にも6.92%下落しており、2日続落となった。これに先立ち同社は、4〜6月期の連結ベース暫定業績として、売上高171兆ウォン(約18兆5000億円)、営業利益89兆4000億ウォン(約9兆7000億円)を発表した。営業利益は市場予想の約85兆ウォン(約9兆2000億円)を上回った。
好決算にもかかわらず株価が下げたため、証券各社は一斉に分析を進めた。7月8日に公表されたリポートの目標株価は、最低36万ウォン(約3万9000円)から最高60万ウォン(約6万5000円)まで開き、その差は24万ウォンだった。
大勢は、今回の下落を直ちに半導体市況や業績の天井シグナルとみるのは難しいというものだ。ただ、好業績が続いても株価が従来のような上昇基調を取り戻せるかを巡っては見解が分かれる。メモリー供給不足の長期化を根拠に一段高を見込む向きがある一方、業績のハードル上昇や利益成長率の鈍化、外国人需給の重荷を警戒すべきだとの指摘もある。
最も強気の見方の根拠は、依然として逼迫したメモリー需給にある。2027年のDRAMとNANDの生産能力増加率はそれぞれ7%、4%にとどまる一方、需要はそれぞれ17%、19%増える見通しで、供給不足がむしろ深まる可能性があるという。
KB証券のキム・ドンウォン研究員は「最近のAI懸念はノイズにすぎない」と述べ、下半期からメモリー確保競争が本格化するとの見通しを示した。サムスン電子の目標株価としては60万ウォン(約6万5000円)と最も高い水準を提示した。
一方で、市場の視線はすでに次の四半期へ移っているとの評価もある。サムスン電子の7〜9月期営業利益予想は110兆ウォン(約11兆9000億円)、10〜12月期は120兆ウォン(約13兆円)に達する。4〜6月期の好決算後も、さらに10〜20%の利益成長が求められる構図だ。
シンハン投資証券のノ・ドンギル研究員は「良好な業績見通しが、次の四半期の基準値をさらに引き上げた格好だ」と指摘した。そのうえで「AI設備投資が今後も増え続けるのか、新工場の稼働後もメモリー需給と利益率が維持されるのかを2028年まで視野に入れると、構図はさらに複雑になる」と分析した。
利益の絶対額と増加ペースは分けてみるべきだとの見方もある。利益自体は来年まで増える可能性が高いが、前年同期比の増加率はピークを通過する可能性があるという指摘だ。
IBK投資証券のピョン・ジュノ研究員は「サムスン電子とSKハイニックスの業績は下半期から来年にかけて右肩上がりを維持し、良好に推移する見込みだ」と語った。一方で、マージンや業績成長率のような指標は低下に転じる可能性が高いとみる。さらに、過去にサムスン電子とSKハイニックスの営業利益成長率がピークをつけた2017年、2021年、2024年にも、外国人投資家は下半期に売り越し優勢だったと説明した。
「投げ売りでなく条件付きの分散買い」 個人投資家が確認すべき材料
個人投資家には、主要指標を見極めながら分散して対応すべきだとの助言が出ている。AI投資の継続性にはなお不確実性が残るものの、足元では市況悪化を裏付けるシグナルも鮮明ではないためだ。
ユアンタ証券のイ・ジェウォン研究員は「いま必要な判断は、半導体株を売るべきかどうかではなく、AI設備投資が実際に折れたのかどうかだ」と述べた。これまでに確認されたのはファンダメンタルズの悪化ではなく、期待先行の反動と需給ショックだとみている。
さらに「戦略は投げ売りではなく、条件付きで持ち高を分散して増やすことだ」と強調した。足元では個人投資家の追加純買い余力が弱まっているだけに、外国人投資家の1日当たり純売越額がトレンドとして縮小するかどうかを、複数営業日にわたって確認する必要があると付け加えた。
7月末に発表される大手クラウド企業の4〜6月期決算も重要な変数に挙がる。イ氏は「7月末に発表されるハイパースケーラー(大規模データセンター運営会社)の4〜6月期決算で、AI設備投資見通しが維持されるか、引き上げられることが不可欠だ」と指摘した。設備投資が下方修正される可能性は低いとの判断も示した。
逆の条件にも触れた。イ氏は「ハイパースケーラーの設備投資ガイダンス引き下げ、長期供給契約の再交渉、HBM認証の遅れ、サーバー向けDRAM価格の鈍化が確認されれば、その時点では需給調整ではなくサイクル悪化と判断を切り替えるべきだ」と述べた。
キム・ヨンジ 韓経ドットコム記者 kongzi@hankyung.com
Korea Economic Daily
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