サムスン電子、最高益でも株価9.75%安 外国人は13日連続売り越し
概要
- サムスン電子は過去最高の業績を記録したにもかかわらず、株価は9.75%急落し、外国人投資家は3兆3601億ウォン(約3696億円)の売り越しとなるなど、利益確定売りが出た。
- 証券業界は、サムスン電子のサプライズ決算にもかかわらず、半導体ピークアウト懸念とAI投資サイクル減速懸念が重なり、外国人の13日連続売り越しが続いたとみている。
- 証券業界は、7月末の米ビッグテック決算発表が、AI投資継続の有無とメモリー半導体株の変曲点を左右する重要な要因になると見通している。
期間別予測トレンドレポート


サムスン電子が四半期ベースで過去最高業績を発表した後も、韓国総合株価指数(KOSPI)は急落し、2026年に入って6回目のサーキットブレーカー(20分間の売買停止)が発動された。半導体市況のピークアウト懸念を背景にした外国人投資家の大規模な利益確定売りに、人工知能(AI)投資サイクル減速への警戒や単一銘柄レバレッジ上場投資信託(ETF)の需給要因が重なり、相場変動が拡大した。

韓国取引所によると、7月7日のKOSPIは取引時間中に激しく上下し、前営業日比4.91%安の7656.31で取引を終えた。午前10時23分ごろには売りサイドカー(プログラム売買の売り注文の一時停止)が発動。午後1時51分には下落率が一時8%を超え、売買を一時停止するサーキットブレーカーが発動された。KOSPIでのサーキットブレーカー発動は今年6回目、通算12回目となった。
この日の下げを主導したのは外国人投資家だった。KOSPIで外国人は3兆3601億ウォン(約3696億円)を売り越し、機関投資家も2203億ウォン(約242億円)の売り越しだった。一方、個人は3兆5053億ウォン(約3855億円)を買い越し、相場を下支えした。外国人は6月19日から13営業日連続で売り越しており、この間の累計売越額は49兆2447億ウォン(約5兆4170億円)に達した。
証券業界では、この日の急落をサムスン電子の決算発表後に出た「セル・オン・ザ・ニュース(sell on the news)」型の利益確定売りとみている。サムスン電子は2026年4〜6月期の売上高と営業利益が前年同期比でそれぞれ129.31%、1810.26%増の171兆ウォン(約18兆8100億円)、89兆4000億ウォン(約9兆8340億円)になったと発表し、四半期ベースの過去最高を更新した。営業利益ではエヌビディア(NVIDIA)の535億ドル、アップル(Apple)の358億ドルを上回り、世界で最も利益を稼ぐ企業となった。ただ、株価は9.75%急落した。決算発表前までに期待が先行して株価が大きく上昇していたため、利益確定売りが出たと受け止められている。
シンハン投資証券のカン・ジンヒョク上級研究員は「サムスン電子の4〜6月期の暫定業績は市場予想を大きく上回った」と述べた。そのうえで「過去最高水準の利益を受け、ピークアウトを懸念した投資家を中心に先回りの利益確定売りが出た」と分析した。最近では米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)でも、好決算の後に利益確定売りが膨らんでおり、これと似た流れだという。未来アセット証券のキム・ソクファン研究員も、株価調整の最大の理由は外国人の利益確定売りだと指摘した。外国人は6月19日から13日連続で利益確定売りを続けている。
好決算にもかかわらず株価が急落したことについては、「うわさで買ってニュースで売る」という相場格言どおりの典型的な利益確定局面だとの見方を海外メディアも示した。ブルームバーグ通信は7月7日、サムスン電子が2019年以降の四半期決算発表で16回のサプライズ決算を記録したものの、そのうち10回は発表当日に株価が下落したと報じた。上昇したのは6回にとどまった。
米資産運用会社オールスプリング・グローバル・インベストメンツ(Allspring Global Investments)のゲーリー・タン氏は、業績発表の時点では好材料の大半がすでに株価に織り込まれていると語った。実際に決算が出ても投資家予想を確認するにとどまり、追加上昇より利益確定につながりやすいという。
AI投資サイクルを巡る疑念も背景にある。足元では、米ビッグテックのAI投資拡大に伴う資金負担や、メモリー半導体市況の持続性への懸念が強まっている。半導体株全般で投資心理が冷え込んだ。
これに加え、外国人の大規模売りで相場の方向感が下向きに固まるなか、売買比率が高まっていた単一銘柄レバレッジETFが下げ幅拡大の一因になったとの指摘もある。レバレッジETFは、参照指数の日次騰落率を一定倍率で追随するため、引け前にポートフォリオを調整する仕組みだ。値動きが荒くなるほど機械的な売買が相場の流れを増幅しやすい。とりわけサムスン電子関連のレバレッジETFに資金が集まっていたため、下落局面で需給のフィードバックが強まったという。
もっとも、証券業界ではAI投資サイクルが終わったと判断するのは早いとの声が多い。7月末に予定される米ビッグテックの決算発表が、AI投資継続の有無と半導体株の方向性を左右する重要な変曲点になる見通しだ。サムスン証券は7月7日に緊急市況リポートを公表し、「大きく上昇してきたため、短期急騰を受けてAI投資過熱論が出るのは自然な現象だ」と説明した。現時点でAI投資サイクルがピークを過ぎたとはみていないとも付け加えた。
同社は「7月末の米ビッグテック決算は、メモリー半導体株の重要な変曲点になる」としたうえで、「ハイパースケーラー(大規模データ運営事業者)のAI投資の持続性が再確認されれば、韓国株式市場は再び回復力を示すだろう」との見通しを示した。
カン・ギョンジュ 韓経ドットコム記者 qurasoha@hankyung.com
Korea Economic Daily
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