中国、半導体特許でサムスン・SK圧倒 「ポストHBM」も照準、韓国に強い危機感
期間別予測トレンドレポート



2024年までは、世界のメモリー半導体市場で中国勢は低価格の汎用品を供給するメーカーにとどまっていた。当時、世界のDRAM市場で中国のシェアは集計対象にも入っていなかった。だが、2026年1〜3月期には中国の長鑫存儲技術(CXMT)のDRAM市場シェアが8%に急伸した。米国の強力な対中制裁下でも、中国政府が進める「半導体自給自足」政策が成果を上げているためだ。
中国は汎用DRAMにとどまらず、人工知能(AI)向けメモリー市場にも照準を合わせている。中核となる高帯域幅メモリー(HBM)や次世代アーキテクチャーの開発を急いでいる。専門家がみる韓中のメモリー技術格差は3年前後だが、中国の追い上げは激しい。サムスン電子とSKハイニックスは技術主導権を守り切れなければ、将来の生存を確保できないとの危機感が強まっている。
韓国の独走揺らぐHBM・DRAM戦線
中国のHBM開発水準はなお韓国に及ばない。サムスン電子とSKハイニックスは第5世代のHBM3Eの量産段階を超え、HBM4の主導権争いに入った。2027年にはHBM4Eの量産を始める。一方、中国は米国の対中規制で、超微細工程に不可欠なオランダASMLの先端EUV露光装置の輸入を全面的に断たれ、開発で大きな制約を抱えてきた。
それでも中国は迂回路を見つけた。旧世代工程を高度化するマルチパターニング技術などを総動員し、HBM開発を目前に控える。CXMTは生産ラインの20%をHBM専用に切り替え、HBM3とHBM3Eの開発に総力を挙げている。
HBMの技術格差は5年超から3年前後まで縮まった。ソウル大の崔祐栄教授(電気情報工学部)は「華為技術(ファーウェイ)など中国のAIチップ開発企業が内需向けにまず採用し、実戦経験を積み始めれば、歩留まりと安定性は想定よりはるかに速く軌道に乗る可能性がある」と警鐘を鳴らした。
汎用DRAMも安泰ではない。最新サーバーやパソコンの主力製品であるDDR5市場で、中国勢の攻勢が具体化している。足元では半導体の大幅な好況を追い風にメモリー不足が続き、中国製品への需要も膨らんでいる。
一部次世代技術ではCXMTが優位
NANDフラッシュでは、すでに警戒信号がともっている。サムスン電子とSKハイニックスは200層台後半から300層台のNANDを主力に生産し、企業向けソリッドステートドライブ(eSSD)など高付加価値市場をけん引している。だが、400層超の超高積層時代に向かうなかで物理的な限界に直面した。そこで不可欠になったのが「ウエハー・ツー・ウエハー(W2W)ハイブリッドボンディング」工程だ。チップ間の導電性バンプを介さず、2枚の半導体ウエハーを直接貼り合わせて回路を垂直につなぐ先端後工程技術で、この分野の特許障壁を先行して築いたのが中国の長江存儲科技(YMTC)だ。
YMTCは独自技術「Xtacking」を世界で初めて商用化し、160層から最新の270層製品まで量産に成功した。中核特許だけで119件に上り、韓国勢を圧倒する。2023年時点ではサムスン電子が83件、SKハイニックスが11件で、韓国勢合計は94件だった。NAND首位のサムスン電子が、次世代V10(430層台)以上のトリプルスタックNANDを開発するため、YMTCと特許ライセンス契約を結んだほどだ。

中国は米国の規制の壁を越える次世代技術の開発にも拍車をかけている。代表例が「ボンディングDRAM」だ。情報を保存するセル領域と制御を担う周辺領域を別々のウエハーに形成し、これを接合する技術を指す。CXMTは中国・合肥にボンディングDRAMのパイロットラインを構築し、試験を進めているとされる。EUV装置がなくても、DUV装置とマルチパターニング工程だけで超高密度DRAMを製造できる。
サムスン電子は「B1b」プロジェクトを通じてボンディングDRAMを開発している。SKハイニックスも同様だ。ただ、CXMTのボンディングDRAMは技術面でも開発速度でも韓国勢を上回るとの評価が一部にある。
「ポストHBM」と呼ばれるコンピュート・エクスプレス・リンク(CXL)DRAMでも、中国はスピード戦を仕掛けている。CXMTはサーバー向けDDR5の量産経験を土台に、CXL 3.0市場の開拓に乗り出す方針を明確にした。中核となるコントローラーを確保するため、中国のファブレスであるモンタージュ・テクノロジー(Montage Technology)などとの協力を本格化している。
浦項工科大の李炳勲教授(電子電気工学科・半導体工学科)は「韓国が世界のサプライチェーンで優位を維持してきたのは、米国の強力な対中半導体制裁の影響が大きい」と語った。そのうえで「米国の制裁がもたらしたゴールデンタイムが終わる前に、韓国半導体は次世代メモリーとパッケージング市場で代替不能な圧倒的技術力を確保しなければならない」と強調した。
キム・チェヨン記者 why29@hankyung.com
カン・ヘリョン記者 hr.kang@hankyung.com
ウォン・ジョンファン記者 won0403@hankyung.com
Korea Economic Daily
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