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[独自] 半導体の上振れ税収5兆ウォン投入 「ソブリンAI」開発へ

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 政府は半導体による 上振れ税収5兆ウォン を投じて ベラルービンGPU1万基 を確保し、世界水準の ソブリンAI 開発に乗り出す方針を明らかにした。
  • 韓国科学技術情報通信部は、複数チームへの分散支援を改め、GPU1万基 を1チームに集中する 選択と集中 戦略で フロンティア級AIモデル を育成すると説明した。
  • 国内外で AI従属国への転落 が懸念されるなか、政府は独自の ソブリンAI 確保と国内トップ級 AI人材の招聘 に予算を振り向け、国家の AI競争力 を高める方針だ。

期間別予測トレンドレポート

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半導体で増えた税収、未来への投資財源に

韓国科学技術情報通信部、GPU1万基を確保し米「ミトス」級構築へ

インフラを1チームに集中支援、AI主権確保へ急ぐ

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

韓国政府が、半導体景気で生じた上振れ税収を活用し、米アンソロピックの「ミトス」級に相当する独自の人工知能(AI)モデルの開発に乗り出す。AIブームで確保した税収のうち約5兆ウォン(約5400億円)を投じ、最先端の画像処理半導体(GPU)を年内に大量購入する。世界水準の「ソブリン(主権)AI」モデルを開発する計画だ。米国のAI輸出規制を受け、AIの対外依存に対する危機感が強まるなか、上振れ税収を国家の将来に振り向ける。

7月2日に政府省庁関係者が明らかにした。韓国科学技術情報通信部は「フロンティア級AI」モデルの開発に向けた予算確保策を、大統領府や財政当局と協議している。内部で試算した必要額は約5兆ウォン(約5400億円)。米エヌビディアの最先端GPUモジュール「ベラルービン・スーパーチップ」約1万基の確保と、最上位級の人材招へいに充てる想定だ。

同部は、来年度予算編成まで待つ余裕はないと判断した。このため年内に、半導体の上振れ税収を活用する補正予算の編成を進めている。李在明大統領は6月26日、「GPUがますます大規模に必要になっているのに、確保のスピードがあまりに遅いのではないか」と発言し、補正予算の編成時に関連予算を確保すべきだとの認識を示した。

政府のこうした動きの背景には、現在のソブリンAI政策では世界のフロンティアモデルとの差を縮めにくいとの危機感がある。韓国科学技術情報通信部は、内部競争方式の独自基盤モデル事業を進めている。ただ、LG AI研究院やSKテレコムなど4チームにGPUを700〜800基ずつ分散支援する現行方式では、数万基規模のGPUを投じる世界の先端モデルに追いつくのは難しいとの指摘がある。同部は方針を見直し、GPU1万基を1チームに集中支援する方向で検討しているもようだ。

一刻を争う局面 「ビッグテックにさらに遅れればAI従属国に転落」

半導体の上振れ税収5兆ウォン、ソブリンAI開発に投入

アンソロピックがミトス基盤のAIモデル「フェーブル5」を公開した6月9日、韓国の多くの企業は自社プログラムをこのモデルと連動させ、AIエージェントを開発しようとした。ところが3日後、米政府は国家安全保障を理由に、フェーブル5への海外からの接続を遮断した。フェーブル5を前提にシステムを構築していた企業は、全体設計の見直しを迫られた。大手企業の関係者は「オープンAIのGPT-5.6も相次いで統制対象となり、AIモデルを国家の戦略資産とみなす概念が生まれた」と語り、「今後はこうした事態が常態化すると考えている」と付け加えた。

独自ソブリンAI開発へ転換

米政府のこうした措置が、韓国科学技術情報通信部が上振れ税収のうち5兆ウォン(約5400億円)を活用し、GPU「ベラルービン」モジュール約1万基を確保して独自のフロンティアAIモデル開発に着手しようとする直接の引き金になった。

フロンティアAIモデルは、AI時代における一国の水準を左右する技術を指す。アンソロピックのミトスやオープンAIのGPT-5.6がこれに当たる。こうしたモデルを活用すれば、国防、産業、工学、医学・生物学など幅広い分野で次元の異なる技術水準を確保できる。米政府がミトス級モデルを承認機関にだけ提供し、安全装置を加えたフェーブル5へのアクセスまで遮断したのはこのためだ。

韓国政府も昨年から独自基盤モデルの選定事業を始めた。1次審査を終えた現時点では、LG AI研究院、SKテレコム、アップステージ、モティーフ・テクノロジーズの4チームが選ばれ、韓国科学技術情報通信部のGPU支援を受けながらAIモデルを開発している。ただ、この事業の枠組みでは世界水準に追いつくのに限界があるとの指摘がある。実際、4チームに与えられたGPUは各700〜800基にとどまる。2チームに絞っても、支援できるGPUは各2000基にすぎない。オープンAIがGPT4モデルに約1万基(A100基準)、GPT5に約2万1000基を投じたのとは比べものにならない。

ソブリンAI、「選択と集中」へ

韓国政府が来年前半を目標に独自基盤モデル事業を進める間にも、アンソロピックやオープンAIは天文学的な資源を投じ、1週間ごとに進化したモデルを投入している。中国のディープシークや智譜AIも、米政府が自国AIモデルを統制する間にソースを公開し、米国以外の市場の浸透を狙っている。

年初に米スタンフォード大学が選んだ「2025年注目のAI」には韓国のモデル8件が入った。ただ、資源が分散した影響で、質の面ではフロンティア級モデルとの差が急速に広がっているとの指摘がある。1モデルだけが選ばれたフランスでは、代表企業のミストラルAIがフロンティアモデルの性能評価でメタを上回り、7位に入った。

韓国のAI専門家は「現在のアンソロピックなど先導企業の最上位モデルの水準は圧倒的で、韓国に残されたゴールデンタイムは長くない」と警告した。そのうえで「早期に追いつけなければ、AI従属国に転落しかねない」と危機感を示した。

韓国科学技術情報通信部は、補正予算を確保できれば、ベラルービンGPUモジュール1万基を最精鋭の1チームに一括して提供する計画だ。ソブリンAIモデルの選定方針も、内部競争から「選択と集中」を軸にした世界競争力重視へ切り替える。独自基盤モデル事業の評価点、AI技術力、企業側の共同投資の意思などを総合的に判断する見通しだ。同部はハードウエアに加え、海外に流出した国内トップ級のAI人材を呼び戻すための予算も今回の補正予算に盛り込む方針だ。

半導体好況で得た上振れ税収をAI競争力の強化に使う政府方針には、前向きな評価もある。韓国の半導体学科教授は「AIブームに伴ってハードウエアで稼いだドルを、ソフトウエア競争力の強化に投じるのは、国家の将来への投資とみることができる」と話した。

パク・ハンシン/イ・ヨンエ記者 phs@hankyung.com

#AI主権
#補正予算
#半導体
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