ウィンターミュート「ビットコイン弱気相場は終盤、なお底入れ確認には至らず」
期間別予測トレンドレポート



AI関連株の調整と高金利への警戒を背景に、暗号資産市場がそろって軟調となるなか、ビットコインは弱気相場の終盤に差しかかっているものの、なお底入れは確認できていないとの見方をウィンターミュートが示した。
暗号資産マーケットメイク会社のウィンターミュート(Wintermute)は6月30日、X(旧ツイッター)への投稿で「弱気相場は相当進んだが、真の底が入ったとみるのは難しい」と指摘した。
ウィンターミュートによると、6月29日のビットコインは5.9%下落して6万ドルを下回り、一時は5万9300ドル近辺まで下げた。イーサリアムも7.9%安の1580ドル近辺で取引された。ビットコインは現在、200週移動平均線近辺で推移している。
今回の調整はAI関連株の下落と重なった。ナスダックは4.5%下落し、5営業日続落となった。半導体株も大幅に売られた。ウィンターミュートは今回の動きを、全面的なリスク回避というより、大型ハイテク株とAI関連株から資金が流出するローテーションと分析した。
マクロ環境も重荷となった。5月の個人消費支出(PCE)物価は4.1%と2023年以降で最高を記録し、高金利の長期化観測が強まった。ドル指数は101近辺の1年ぶり高水準まで上昇し、暗号資産などリスク資産の重しとなった。一方、ブレント原油は週間で8.1%下落し、先行きの物価圧力が和らぐ余地も一部残した。
ウィンターミュートは、市場心理がすでに大きく冷え込んでいるとみている。恐怖・強欲指数は18〜24の極端な恐怖の領域にとどまり、含み損を抱えるビットコイン供給の比率も50%近くに達しているという。過去のサイクルでは、こうした局面が底形成の前後に現れた。ただ、当時は損失下の供給比率が60%近辺まで高まる例が多く、なお下値余地があるとみている。
流動性の面では、なお回復の兆しに乏しいとした。先週のビットコインETFからは約18億ドルが流出し、店頭取引(OTC)の流れも弱いという。足元ではAI関連株の方が暗号資産より高い変動性を示しており、マクロ環境が和らいでも、新規資金は暗号資産より先にAI関連株へ向かう可能性があるとみている。
ストラテジー(Strategy)を巡るリスクも変数として挙げた。ウィンターミュートは、STRCが72ドル近辺まで下げて過去最安値を付け、MSTRのビットコインに対するプレミアムも1倍水準まで低下したと説明した。この場合、ストラテジーのビットコイン買いの好循環が弱まる可能性があるとみている。
ストラテジーはこれを和らげるため、デジタル・クレジット資本フレームワークを公表した。STRCの配当率を12%に引き上げるほか、普通株と優先株それぞれで最大10億ドルの自社株買い枠を設け、25億5000万ドルのドル準備金を確保する内容だ。さらに、最大12億5000万ドル分のビットコインを売却できるプログラムも盛り込んだ。
ウィンターミュートは、こうした措置について、ストラテジーの無秩序な資本構成悪化のリスクを抑えた点で市場が好感したと評価した。一方、ビットコインを財務資産として保有する企業が、配当や自社株買いの原資確保に向けてビットコイン売却の可能性を残した点は、現在の相場局面の重さを示していると指摘した。
ウィンターミュートは、ビットコインが200週移動平均線に達し、投資家心理も大きく悪化したものの、ETFへの資金流入や買い圧力の回復はまだ確認できていないとみている。夏場の薄商いのなかで本格的な底形成が進む可能性は高くないとし、9月か10月まで追加的な圧力が続いた後、回復するかどうかはマクロ環境次第になるとの見通しを示した。
今後の主な注目点として、米雇用統計、ビットコインが200週移動平均線と5万8000ドルを維持できるか、STRCの取引動向を挙げた。ウィンターミュートは「強気シナリオが機能するには、AI取引が沈静化し、暗号資産へ向かう流動性の通り道が戻る必要がある」と述べた。
Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.