SKハイニックスADR、米半導体ETFに順次組み入れ 15億ドル流入も
期間別予測トレンドレポート


ファンド経由で15億ドル流入の見通し
ADR上場プレミアムに期待
QQQやSOXXなど主要指数に順次組み入れ
買いが続けば割高なADRから本株へ資金シフトも
韓国上場のSKハイニックス株にも上昇余地

SKハイニックスが米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)を上場した後、現地の上場投資信託(ETF)を通じて15億ドルの資金が流入するとの見方が出ている。市場では短期的な需給改善にとどまらず、米国での投資アクセス拡大を受けてバリュエーション(業績に対する株価水準)が見直され、韓国で取引される本株も一段高となる公算が大きいとみている。
フィラデルフィア半導体株指数への組み入れ期待
6月26日付の未来アセット証券のリポートによると、SKハイニックスのADR上場に伴う米ファンドの新規需要は15億ドル規模になる見通しだ。内訳は「ヴァンエック半導体ETF(SMH)」や「iシェアーズ半導体ETF(SOXX)」など半導体指数ETFで3億4000万ドル、「インベスコQQQトラスト(QQQ)」をはじめとするナスダック指数連動ETFで4億5000万ドルを見込む。これにアクティブETFや新興国ETFなどを加えると、7億ドル超の資金流入も期待される。

SKハイニックスのADRは、上場直後の7月にナスダック総合指数に組み入れられる見通しだ。連動ファンドの多いナスダック100指数には2026年末に採用される可能性が高い。「MVIS米国上場半導体25指数」のほか、「ICE半導体指数」「フィラデルフィア半導体株指数」には2027年にかけて順次組み入れられるとみられる。
未来アセット証券のユン・ジェホン研究員は、ADRを上場すれば現地ETFやファンドの追加需要が生まれると指摘した。すでに一部の米ETFは韓国上場の本株を組み入れているが、米国上場銘柄だけを対象とするETFや指数では、ADRがなければ採用できないためだ。代表例が「MVIS米国上場半導体25指数」で、米上場の半導体ETFで純資産残高が最大のSMHのベンチマークになっている。
1997年にニューヨーク証券取引所に上場したTSMCのADRも、こうした動きを裏付ける。TSMCのADRは現在、400本超の米ETFに組み入れられている。半導体に加え、ナスダックや人工知能(AI)など幅広いテーマ型ETFがADRを採用し、投資家層が大きく広がったと評価されている。
「ADRが上がれば本株も上がる」
市場では「ADRプレミアム」の効果にも注目が集まっている。米ETFを通じた継続的な買いが入れば、ADR価格が韓国の本株を上回って推移する可能性があるためだ。TSMCでも同様の動きがみられた。未来アセット証券は、米半導体ETFへの資金流入が拡大した時期に、TSMCのADRプレミアムもあわせて大きくなる傾向があったと分析した。TSMCのADRは2000年から2023年まで、本株に比べて平均1.8〜3.3%高い価格で取引され、足元でも高いプレミアムを維持している。
ADRにプレミアムが付けば、本株との裁定取引も活発になる。投資家が相対的に割高なADRを売り、本株を買う取引を増やせば、韓国市場の本株に買いが入り、株価を押し上げる可能性がある。
今回の上場はバリュエーション見直しのきっかけになるとの見方もある。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、世界の高帯域幅メモリー(HBM)市場で首位のSKハイニックスの12カ月先予想株価収益率(PER)は6.97倍で、3位のマイクロン(Micron)の9.46倍を下回る。米国市場でマイクロンと同じ基準で評価され始めれば、この差は縮小するとの分析だ。
IBK投資証券のキム・ウノ研究員は、マイクロンと直接比較されるようになれば、より高いバリュエーションが適用されると分析した。そのうえで、韓国上場株もナスダック上場ADR並みのバリュエーションで再評価され、追加の上昇余地を確保すると説明した。
SKハイニックスのADRは7月10日に上場する予定だ。第三者割当増資を通じて、既存発行株式の2.5%に当たる1779万株をADRの形で発行する。1DR当たりの発行価格は25万5500ウォン(約2790円)。
ヤン・ジユン記者 yang@hankyung.com
Korea Economic Daily
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