米、AIモデルを事前承認制に 「GPT-5.6」公開に制動
概要
- 米政府は GPT-5.6 など先端 AIモデル を公開前の 政府承認 対象に組み込み、事実上 許可制 に転換した。
- これにより、米国の AI輸出規制 は AIモデルへのアクセス権 にまで広がり、ビッグテックのモデルに依存する企業や公共機関が政策変更リスクに直面したと伝えた。
- 政府は 独自AIファウンデーションモデルプロジェクト を通じて 韓国型AIモデル の構築を進めており、AI依存度 を下げるための国内投資と開発のスピードが一段と重要になったと伝えた。
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トランプ米政権が、アンソロピックに続いてオープンAIの新たな人工知能(AI)モデルの利用にも制約をかけた。アンソロピックには公開後に規制をかけたが、今回はAIモデルの公開前から統制に乗り出した。AIモデルの利用権限を米政府が事実上握るとのメッセージは鮮明だ。これを受け、国産AIモデルを開発してAI主権を守るべきだとの主張にも勢いがつきそうだ。
AIモデル公開、事実上の許可制に
6月25日付のディインフォメーションによると、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は社内メモで「新たなAIモデル『GPT-5.6』を一部パートナーに限って限定公開する予定だ」と明らかにした。あわせて「GPT-5.6の事前公開期間中は、政府が顧客を審査し、アクセス権を個別に承認する」と説明した。
アルトマン氏は6月上旬にワシントンを訪れ、ホワイトハウス傘下の国家サイバー局(ONCD)と科学技術政策局(OSTP)にGPT-5.6を先行公開したとされる。GPT-5.6を段階的に公開する計画もこの際に決まったという。ハワード・ラトニック米商務長官は6月24日にもアルトマン氏に電話し、「他の機関の承認なしにモデルを公開してはならない」と警告した。アルトマン氏は社員に対し、長期的に望ましい方式ではないと政府に伝えたとしつつ、今後も持続可能な製品公開の方式をつくるため、米政府や業界関係者と協力すると伝えた。
ホワイトハウスは6月2日、「先端AIのイノベーションと安全保障に関する大統領令」を公表した。AIモデルを統制する根拠を整えた形だ。命令では、政府が30日以内にAIモデルを「保護対象フロンティアモデル」に指定する手続きを整えるよう求めた。AI開発企業には、モデル公開の30日前までに政府へアクセス権を提供し、優先アクセス先となるパートナーも政府と協議して選ぶよう定めた。AIモデルの公開は事実上、許可制に変わった。

韓国、AI依存低減を急ぐ
米政府の輸出規制が半導体を超えてAIモデルへのアクセス権にまで広がるなか、AI依存度を引き下げるべきだとの声も強まっている。米ビッグテックのモデルを使う企業や公共機関も、米政府の政策変更にいつでも揺さぶられかねない懸念が現実になったためだ。
韓国科学技術情報通信部は「独自AIファウンデーションモデルプロジェクト」を進めている。画像処理半導体(GPU)5万基と約2000億ウォン(約220億円)の予算を投じ、世界の最新AIモデルに比べて性能95%以上の韓国型AIモデルを独自に構築する事業だ。現在はLG AI研究院、SKテレコム、アップステージ、モティーフ・テクノロジーズの4チームが2次開発競争を繰り広げており、8月に2次評価の結果が出る。
韓国はなお、他国より有利な位置にいる。米スタンフォード大の人間中心AI研究所(HAI)が4月に公表した「AIインデックス2026」によると、韓国は「注目すべきAIモデル」を8件持ち、米国の50件、中国の30件に次ぐ世界3位だった。1位と2位との差は大きいが、3位グループのカナダ、フランス、英国がそれぞれ1件にとどまるのと比べると大きく上回る。LG AI研究院の「EXAONE 4.0」「K-EXAONE」など4モデルと、アップステージのモデルがここに含まれた。2024年まではこのリストに韓国モデルは入っていなかった。独自AIファウンデーションモデルプロジェクトを軸に国内の開発投資が集中した結果といえる。
米政府によるAI統制が今後も続くとみられるなか、独自AIファウンデーションモデルプロジェクトの選定を急ぐべきだとの指摘も強まっている。韓国AI業界の関係者は「この手続きのままでは、最終選定は来年上半期にずれ込む」と指摘した。そのうえで「アンソロピック、オープンAI、智譜AI(Zhipu AI)など米中企業は毎週のように新モデルを投入し、韓国の企業向け市場を攻略している」と語った。
シリコンバレー=キム・インヨプ特派員/イ・ヨンエ記者 inside@hankyung.com
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