米・イランのレバノン合意、イスラエル外し鮮明 ネタニヤフ首相に孤立危機
概要
- 米国とイランのレバノン終戦 合意 により、レバノン国内でのイランの影響力が事実上正当化されかねないとの懸念が浮上したと伝えた。
- 今回の終戦 合意 では、イスラエルの作戦の自由が 差し迫った脅威 への対応に限られ、衝突防止機構 の参加国からも外れたため、イスラエルの立場が大きく縮小したと報じた。
- ネタニヤフ首相は10月のイスラエル 総選挙 を控え、ヒズボラ問題の解決に向けてトランプ政権との人脈を緊急に動員し、レバノンを巡る米国・イラン 協議 に影響力を行使しようとしていると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



ドナルド・トランプ米大統領が結んだ終戦合意が、レバノンにおけるイランの影響力を事実上正当化しかねないとの懸念が強まり、イスラエル政府が警戒を強めている。
米国とイスラエルはここ数カ月、武装組織ヒズボラの弱体化とレバノン国内でのイランの影響力縮小を目指してきた。だが今回の合意により、その戦略的な取り組みが揺らぐ可能性が出ている。
米オンラインメディアのアクシオス(Axios)が6月22日に報じた。イスラエル当局者は、最近まとまった米国とイランのレバノン関連合意の内容に強い懸念を示している。
米国とイランはこれに先立つ6月17日、レバノンを含むすべての戦線で敵対行為を終結させ、レバノンの領土保全と主権を保障すると定めた終戦覚書(MOU)を締結した。
続いて6月21日にはスイスでの協議で、レバノンでの軍事作戦終結の順守に向け、仲介国とレバノン政府が参加する新たな衝突防止機構を設けることで合意した。
ただ、この枠組みにはイスラエルが加わらず、米国、イラン、レバノン、カタール、パキスタンが参加すると伝わり、イスラエル国内の危機感は一段と強まっている。
アクシオスは、今回の終戦合意でイスラエルの立場が、2024年11月に米国とフランスの仲介で成立したレバノン停戦合意に比べて大幅に縮小したと分析した。
2024年の停戦合意では、イスラエルはヒズボラの「差し迫った脅威」と「新たに浮上する脅威」の双方に対応する権利を持っていた。これに対し今回は、イスラエルの作戦の自由は「差し迫った脅威」への対応に限られた。
停戦監視の枠組みにも違いがある。2024年はイスラエル、レバノン、米国、フランスが参加したが、今回はイスラエルが外れ、代わってイランが加わった。
さらに2024年の停戦合意には、レバノン南部からヒズボラ部隊を撤収させて武装解除するとの約束が盛り込まれていた。一方、今回はイスラエル軍とヒズボラの衝突防止に軸足が置かれている。
イスラエル筋はアクシオスに対し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が現在、米国とイランのレバノン合意の内容を核交渉合意よりはるかに強く懸念していると明かした。
10月のイスラエル総選挙を控えるネタニヤフ首相にとって、ヒズボラ問題の処理は政治的に極めて重要な意味を持つためだ。
ネタニヤフ首相は側近のロン・ダーマー元戦略担当相に対し、トランプ政権との人脈を緊急に活用し、レバノンを巡る米国・イラン協議に影響を及ぼすよう求めた。
関係者によると、トランプ大統領が前日の6月21日、自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に、イランがヒズボラを統制しなければ「再び激しく攻撃する」と脅す投稿をした背景には、ダーマー元戦略担当相の役割が大きかった。
同じ関係者はネタニヤフ首相の愛称を使い、「ビビはこの問題にヒステリックな反応を示している」と語った。
一方、イスラエルとレバノンの外交当局者は6月23日、米国務省でマルコ・ルビオ国務長官の仲介のもと、ヒズボラの武装解除などを巡る追加の直接協議に臨む予定だ。
トランプ政権は、新たな衝突防止体制によってイラン経由でヒズボラを統制できれば、イスラエルとレバノンの直接交渉の成功可能性が高まるとみている。
米政府高官は「米国が参加国に入っている以上、イスラエルが衝突防止の枠組みから除外されているわけではない」と説明したうえで、「我々は極めて緊密に連携している。レバノンを巡る米国とイランの直接チャンネルは、イスラエルにとって利益になるだけだ」と強調した。
パク・サンギョン 韓経ドットコム記者 highseoul@hankyung.com
Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.
