イランが核査察受け入れ トランプ流「太陽政策」は成果を上げるか
概要
- イランが 核査察受け入れ と IAEA の 監視体制 容認に同意し、今後 イランの非核化 を巡る議論が本格化する見通しだと伝えた。
- 米財務省がイラン産 原油輸出制裁を即時解除 すると発表し、イランが ドル 建てで原油を正常価格で販売できる道が開かれたと報じた。
- この措置によりイランの 為替相場 が下がり、同国 経済 の息継ぎにつながるとの期待がある一方、ホルムズ海峡の通行料や 戦争保険 の有料化構想はなお不透明要因として残っていると伝えた。
期間別予測トレンドレポート


米国とイランは、スイスで開いた初の高官級和平協議で、最終的な終戦協定に向けた基本枠組みを整えた。懸念されたよりは順調な滑り出しだったといえそうだ。
6月21日にスイスで会談した両国は、当初は神経戦を繰り広げた。ただ、高官級委員会を設けて仲裁手続きを管理することで一致するなど、今後の実質的な最終合意に向けた土台づくりには成功した。
核査察受け入れ
最大の成果は、イランが核査察の受け入れを決めたことだ。国際原子力機関(IAEA)の監視体制を認めるのは、イランが実際に核開発を中断する意思を示したものと受け止められる。
トランプ大統領は6月21日、交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」で「イランが今後長期間にわたり『核の透明性』を保証するため、主要な兵器査察の受け入れに同意することは、誰もが十分理解している」と投稿した。
米国は8月16日まで続く交渉期間中に、イランの高濃縮ウラン(HEU)備蓄の処理、濃縮停止期間の設定、IAEAの検証体制の確立などを協議し、「イランの非核化」を明確に打ち出す構えだ。

バンス副大統領は、イランの約束を信じられるかとの質問に「言葉ではなく行動を信じるべきだ」と答えた。そのうえで「IAEA査察官がイランに入り、実際に何ができるようになるのかを見極めなければならない。それが交渉の一部になる」と強調した。
一方、イラン国内では、IAEA査察団の受け入れを認めたとの報道はまだ出ていない。ペゼシュキアン大統領はこれに先立ち、ウラン濃縮水準を決めるのはイランの主権の問題だと発言していた。イランがこの問題を国民にどう説明するかが次の焦点になる。
イラン産原油輸出制裁を即時解除
核問題で進展する見返りに、イランには大きな経済的対価が伴う構図だ。米財務省は6月21日、イラン産原油と関連製品の生産・販売を認めるため、関連制裁を免除すると発表した。免除期間は8月21日午前0時までの60日間だ。
この間、イランは自国の石油製品を販売し、代金をドルで受け取れるようになる。これまでも中国やインドに原油を売ってきたが、制裁の影響で正常な価格では取引できなかった。原油を通常条件で販売できる道が開けば、経済は大きく息を吹き返すことになる。
関連する金融取引をすべて認めることは、イラン中央銀行のような金融機関を制裁対象から外す効果を持つ。米議会が過去20年にわたって築いてきた対イラン制裁の枠組みから、根本的に外れる意味を持つ。
イランの経済相は、この措置が今後の同国通貨の下落に大きな役割を果たすと述べた。物価上昇と通貨安の双方に苦しんできたイラン経済の改善期待は大きい。
レバノン管理機構を設立
今回の交渉で最も敏感な論点の一つは、レバノン国内のヒズボラ攻撃を巡る問題だった。米国とイランは、レバノン政府とともに衝突回避のための機構を設立することで合意した。
両国はまた、レバノンでの軍事作戦停止が覚書(MOU)の内容に沿って守られるよう保証することでも一致した。
ホルムズ海峡の通信経路を構築
ホルムズ海峡を巡っては、なお双方の説明に隔たりがある。両国は海峡を巡る問題の解決に向け、通信経路を構築することでは合意した。
ただ、通行料や手数料を巡っては依然として見解の相違があるようだ。トランプ大統領は、60日後も海峡は無料で開放されるとの見方を示している。これに対しイランは、海峡がイランの管理下に置かれる点を強調している。
イラン交渉団を率いるモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は6月21日、「国際法は順守する」としつつ、「海峡はイランが管理し、戦争前の状態には戻らない」と述べた。
イランは、この海峡を通過する船舶に戦争保険への加入を義務付ける方針を立てており、保険料を有料化する構想も示している。
トランプ大統領が圧力
トランプ大統領は、イランが約束を破れば攻撃に踏み切る可能性があるとの姿勢を重ねて示した。「イランが約束を守らなかったり、正しく行動しなかったりすれば、私はやるべきことをやる」と投稿した。交渉が混乱するか決裂した場合、イランに対する軍事措置もあり得ると示唆した発言だ。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com
Korea Economic Daily
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