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ワールドコイン、OpenAIのIPO代替先として浮上か ウォシュ発の利上げ警戒でアルトコイン反発に急ブレーキ[カン・ミンスンのアルトコインナウ]
概要
- ワールドコイン(WLD)やハイパーリキッド(HYPE)は上昇しているが、アルトコイン現物市場全体の売り圧力はなお高いと分析した。
- アルトコイン市場は、米国とイランの終戦期待に加え、クラリティ法(CLARITY Act)を巡る立法動向や、ウォシュ新FRB議長のタカ派発言が重なり、明確な反発の原動力を確保できていないと指摘した。
- 専門家は、利上げ懸念とドル高のなかで、アルトコイン市場は独自の回復力よりもビットコインの値動きやマクロ環境に左右されているとみている。
期間別予測トレンドレポート



中東を巡る後続協議に加え、クラリティ法を巡る立法不透明感、利上げ懸念が重なり、アルトコイン市場は方向感を欠いている。売り圧力の緩和とモメンタム回復が確認されるまでは、一部の強含み銘柄を選別して対応する必要があるとの見方が出ている。
ビットコイン反落でアルトコインも一服 WLD・HYPEは上昇も売り圧力は重い
ビットコインが再び6万2000ドル台に後退し、このところ小幅に反発していたアルトコインも上昇分の一部を吐き出している。時価総額上位300のアルトコインでは、直近1週間の上昇銘柄が170超、下落銘柄が130超だった。
アルトコイン全体では、明確な方向性よりも、銘柄ごとの需給や個別材料に左右される展開が続いている。

6月19日に暗号資産情報サイトのコインマーケットキャップがまとめたデータによると、直近1週間の時価総額上位銘柄では、ワールドコイン(Worldcoin、WLD)が30.6%高、ユニスワップ(Uniswap、UNI)が21.3%高、ハイパーリキッド(Hyperliquid、HYPE)が16.5%高と上昇した。
なかでもワールドコインは、OpenAIの新規株式公開(IPO)期待を間接的に織り込む代替投資先として浮上し、投資家の関心を集めた。
ハイパーリキッドは、無期限先物市場でのシェアが過去最高水準を記録するなか、関連する上場投資信託(ETF)への資金流入も続き、堅調に推移した。

一方、オディエラ(BEAT)は78.9%安、ディーエックスイーエックスイー(DEXE)は24.8%安、ヒューマニティ(H)は18.3%安、モネロ(Monero、XMR)は16.0%安だった。
中小型銘柄では、サイレン(SIREN)が79.9%安、イーサガス(GWEI)が35.6%安、チリーズ(Chiliz、CHZ)が22.9%安、ビットウェイ(BTW)が20.5%安と下げが目立った。
サイレンは大口保有者の売却が観測され、急落した。オディエラも急騰後にクジラの売り出し懸念が強まり、下げ幅を広げた。

もっとも、一部銘柄の上昇とは別に、アルトコイン現物市場全体の売り圧力は依然として高い。暗号資産分析会社クリプトクアント(CryptoQuant)によると、ビットコインとイーサリアムを除くアルトコイン現物市場の累積買い・売り格差はマイナス2400億ドル台まで拡大し、2020年の集計開始以降で最低水準となった。
クリプトクアントのアナリスト、IT Tech氏は「アルトコイン現物市場の売り優勢は単なる調整ではなく、15カ月にわたって続いた現物純売りの結果だ」と指摘した。昨年初めに一時は中立水準に近づいたこの指標は、足元で再び急速に悪化したという。
終戦期待でもアルトコイン反発は足踏み ウォシュ発の利上げ警戒で勢い鈍る
アルトコイン市場は、米国とイランの終戦期待があるにもかかわらず、利上げへの警戒感に押され、明確な反発の原動力を確保できていない。専門家は、売り圧力が和らぐまでは短期の急反発を追うより、まずモメンタム回復の有無を見極めるべきだとみている。
足元の市場は本格反発局面というより、モメンタムが抑え込まれた待機局面に近い。
アルトコインベクターは「ビットコインがなお降伏リスクの領域にとどまるなか、アルトコインのモメンタムも明確には戻っていない」と分析した。さらに「広範な調整圧力は大きくないが、上昇トレンドに火を付ける材料も乏しい」との見方を示した。
そのうえで「この局面では、アルトコインは方向感なく揺れるか、緩やかな軟調地合いを続ける場合が多い」と説明した。「ただ、ビットコインが降伏局面を抜け、売り圧力が和らげば、短期の急反発局面が開ける可能性もある」と付け加えた。

最近は米国とイランが終戦了解覚書(MOU)の履行に入り、地政学的緊張は一部で和らいだ。ただ、核開発計画、制裁緩和、ホルムズ海峡の運用を巡る60日間の後続協議にはなお不透明感が残る。
市場では、米暗号資産市場構造法案のクラリティ法(CLARITY Act)の立法進展も重要な変数と受け止められている。ホワイトハウスは7月4日までの立法を目標に据えるが、倫理規定を巡る与野党の隔たりがあり、実際の成立まではなお流動的だ。ただ、法案が最終的に成立すれば、アルトコインを含む暗号資産市場への制度資金流入を促すとの期待もある。
金融政策を巡る重荷も反発力を抑えている。FXProのチーフアナリスト、アレックス・クプツィケビッチ氏は「ウォシュ新FRB議長のタカ派発言で、リスク資産全般に売りが広がった」と分析した。その結果、暗号資産の時価総額は1日で2.6%下落し、2兆2000億ドルまで押し下げられたという。
同氏は「初動の売りのあと、株式市場でリスク選好が一部戻り、暗号資産市場にも買いが入っている」と説明した。一方で「暗号資産市場が独自の回復エンジンを確保したというより、ドル相場や株式市場の流れに左右される局面に近い」と診断した。
長期金利の上昇とドル高が続けば、アルトコインの反発も限られる可能性がある。
暗号資産アナリストのベンジャミン・コーウェン氏は「暗号資産は緩和的な金融政策への依存度が高く、現在の金利環境は引き続き逆風として作用している」と語った。さらに「今年の暗号資産は全般に他資産に比べて出遅れてきた」と述べ、「一部銘柄を除けば、アルトコイン市場も利上げ警戒に押され、明確な回復の原動力を確保できていない」と指摘した。
カン・ミンスン ブルーミングビット(Bloomingbit)記者 minriver@bloomingbit.io

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
