「イランの無条件降伏」 トランプ政権、交渉結果の弁護に苦戦
概要
- トランプ大統領は、イランをさらに強く追い込めば ホルムズ海峡 の閉鎖を招き、世界的な大恐慌 につながりかねないとの懸念を示した。
- 米国はイランの 原油輸出 を直ちに認めたが、従来から中国などに輸出されていたとして、制裁解除 はイランに新たな利益ではないと反論した。
- イランの宿願を大半反映した MOU締結 の後も、イラン最高指導部は攻勢的な姿勢を維持し、米国の過度な要求は拒否する考えを示した。
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ドナルド・トランプ米大統領は、イランに一段と強い圧力をかけなかったのは、世界的な大恐慌を招く恐れがあったためだと明らかにした。
トランプ大統領は6月18日(現地時間)に公開されたアクシオスとのインタビューで、イランにもっと強硬に対応すべきだとの批判に対し、「さらに強く出る唯一の方法は、現地に入り、2〜3週間にわたって猛烈な爆撃を浴びせることだけだ」と語った。そうなれば「ホルムズ海峡は開かない」とも述べた。
爆撃を続ける限り、海峡は自動的に閉鎖されるほかないとして、それが大恐慌を引き起こしかねないとの認識も示した。
トランプ大統領は前日の記者会見でも、「市場は1929年の大恐慌の水準まで崩壊していただろう」と発言した。当時在任していたハーバート・フーバー元大統領のようにはなりたくなかったとも語った。石油備蓄は4週間以内に底をつくため、海峡を開放せざるを得ない状況だったという。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、かつてイランの体制転換を望んでいたトランプ大統領がイランと交渉した理由はそこにあると批判したうえで、別の選択肢もあったと指摘した。トランプ大統領は、イランと結んだ了解覚書(MOU)を「(イランの)無条件降伏」と表現した。
トランプ政権は、対イラン交渉の結果を弁護するのに腐心している。J・D・バンス米副大統領は6月18日のホワイトハウスでの記者会見で、「米国がすべてのカードを握っている」と強調した。「イランが態度を変えれば、同国と世界に大きな変化が起きる。変えなくても我々に損はない」と主張した。
イランの原油輸出を直ちに認めたことについても、制裁下でも原油はどうせ中国などに輸出されていたと反論した。「イランにとって問題だったのは制裁ではなく封鎖だった」として、制裁解除はイランに「新たな利益ではない」との理屈を示した。ただ、制裁解除と国際社会への復帰は、もともとイランの主要目標の一つだった。
バンス副大統領は、米国への不満をあらわにしているイスラエルの強硬派にも言及した。イスラエルを守る兵器の3分の2は米国が供給しているとしたうえで、「現実を直視しろ」と警告した。「トランプ大統領は今、イスラエルに同情的な唯一の国家元首だ」とも付け加えた。
イランの宿願を大半反映したMOU締結後も、イランは攻勢的な姿勢を崩していない。イランの最高指導者モジュタバ・ハメネイ師は6月18日、MOU締結に関する声明で「私は原則的に異なる考えを持っていた」と明らかにした。一方で、最高国家安全保障会議議長でもあるマスード・ペゼシュキアン大統領が、イラン国民の権利と抵抗戦線の保護について約束し、その責任を受け入れたため、MOU署名を承認したと説明した。
さらに、ペゼシュキアン大統領が「米国が過度な要求をすれば拒否する」と述べたとも明らかにした。交渉が決裂しても最高指導者の権威を守り、大統領に実質的な責任を負わせる動きと解釈できる。ハメネイ師は、今後行われる対面交渉は敵の立場を認めることを意味しないとも強調した。
6月19日にスイスのビュルゲンシュトックで、正式署名式の代わりに開かれる予定だった米国とイランの対面交渉は延期されたもようだ。米副大統領室は同日、記者団に対し、バンス副大統領はスイスに向かわないと通知した。理由については、交渉団の移動日程は「決して単純でも予測可能でもない」と説明するにとどめた。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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