ウォシュ議長の見通し示されず 6月ドットチャートは上方シフトでFRBのタカ派色強まる
期間別予測トレンドレポート


ウォシュ議長、自身のドットは示さず
ドット分布は全体に上方シフト

米連邦準備理事会(FRB)が6月17日に公表した6月のドットチャートは、政策金利をより長く高水準に保つ意向を鮮明にした。
今回のドットチャートは、新議長ケビン・ウォシュ体制の発足後で初めて公表された経済見通し(SEP)となった。ただ、ウォシュ議長自身のドットは含まれなかった。FRBによると、今回の会合では18人の委員が見通しを提出した。3月の19人から1人減った。
市場が注目したのは、ドットの数ではなく向きだった。FRB当局者は2026年末時点の政策金利中央値を年3.8%と示した。3月時点の年3.4%から0.4ポイント引き上げた水準だ。現在の政策金利の誘導目標レンジが年3.50〜3.75%であることを踏まえると、年内利下げ期待は大きく後退した。
注目すべきなのは、上方修正が今年分にとどまらなかった点だ。2027年末の政策金利見通しは年3.1%から3.6%に、2028年末も年3.1%から3.4%に引き上げた。FRBがインフレ圧力の長期化を見込み、今後数年にわたり高金利を維持する可能性を視野に入れていることを示す。
ドットの分布もタカ派色が濃かった。3月には3%台前半を見込む委員が多かったが、6月は全体として上方に移動した。2026年末の政策金利を3.875%(誘導目標レンジ3.75〜4.00%)と見込む委員が最も多かった。4.125%(4.00〜4.25%)を見込む委員は3人、4.375%(4.25〜4.50%)を見込む委員も1人いた。多くの委員が現行水準の維持に加え、追加引き締めの可能性も残した形だ。
今回のドットチャートがとりわけタカ派的に受け止められた背景には、物価見通しの変化がある。FRBは2026年の個人消費支出(PCE)物価上昇率見通しを2.7%から3.6%へ大幅に引き上げた。コアPCE見通しも2.7%から3.3%に上げた。一方、失業率見通しは4.4%から4.3%へ小幅に引き下げた。実質経済成長率見通しも2.4%から2.2%への下方修正にとどまった。
これは、FRBが景気後退よりもインフレ再加速のリスクをはるかに重くみていることを意味する。成長減速への懸念があっても、利下げを急ぐほど経済は弱くないと判断しているためだ。
実際、2026年のPCE見通しは一度に0.9ポイント引き上げられたのに対し、成長率見通しの下げ幅は0.2ポイントにとどまった。FRBの政策の優先順位が景気下支えではなく、物価安定にあることを映している。
今回のSEPは、ウォシュ議長のドットが欠けた状態で作成された点でも意味を持つ。新議長の見解がまだ正式には反映されていないにもかかわらず、既存委員だけで構成された18個のドットが、金利経路全体を押し上げたためだ。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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