スペースX、上場後20%急騰 8月のロックアップ解除が株価の分岐点
概要
- スペースXはナスダック100、MSCI、FTSEなどの指数組み入れを通じ、130億〜170億ドルの買い需要が発生する可能性があるとした。
- 8月以降は段階的なロックアップ解除で、全株式の53.7%%が年末までに市場に出回り、株価の変動性が高まる可能性がある。
- マスク氏1人に集中した統治構造とポンジ構造への懸念から、一部の機関投資家は投資しない方針を示した。
期間別予測トレンドレポート


史上最大規模の新規株式公開(IPO)を果たしたスペースXの株価動向に世界の投資家の関心が集まっている。ナスダック100やMSCIなど主要指数への組み入れに伴う資金流入は当面の追い風となる見通しだ。一方、8月以降はロックアップ解除が段階的に進み、既存株主の売りが出やすくなる。株価変動が大きくなる可能性がある。

8月以降にロックアップ大幅解除
6月15日の金融投資業界によると、スペースXは6月12日にナスダック市場へ上場し、公募価格(1株135ドル)を19.3%上回る161.1ドルで取引を終えた。当面は主要なグローバル指数への組み入れ日程が続き、需給面で有利な展開が見込まれる。
指数算出会社のFTSEラッセルは迅速組み入れルールを適用し、スペースXにラッセル指数とFTSE指数への採用資格を付与した。これにより、上場から5営業日後の6月18日から、ラッセル1000などに連動する資金がスペースX株を買う公算が大きい。
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)も、大型IPO銘柄をグローバル・スタンダード指数に早期採用する条項をスペースXに適用した。このため、上場10営業日目の6月26日に関連指数へ組み入れられる可能性がある。ナスダック100指数も7月6日前後に採用される見通しだ。
2025年時点で、ナスダック100指数に連動する上場投資信託(ETF)やデリバティブ、ファンドの資金は1兆4104億ドルにのぼる。KB証券は、上場後およそ3週間でFTSE、MSCI、ナスダック100を通じて130億〜170億ドルの機械的な買い需要が発生し得ると分析した。
8月以降は保有株の段階的なロックアップ解除が予定されており、注意が必要だ。スペースXの上場直後の流通株比率は4.3%にとどまる。ただ、4〜6月期決算の発表が見込まれる8月ごろには、ロックアップ対象株の最大20%が解除される。
加えて、4〜6月期決算の発表後10営業日のうち5営業日で、株価が公募価格を30%以上上回る1株175.5ドルをつければ、さらに10%分が解除される。その後も段階的に解除が進み、12月ごろにはロックアップ対象株がすべて解かれる見通しだ。ロックアップ対象はスペースX全株式の53.7%を占める。
クルーグマン氏「マスク帝国はポンジ構造」
スペースXがイーロン・マスク氏の保有する他企業と複雑な資本・取引関係を結んでいる点も、投資家が注意すべき材料に挙がっている。2022年ごろ、テスラは人工知能(AI)企業のxAIに20億ドルを投資した。2026年2月にはxAIがスペースXに合併された。このため今回のIPOでも、スターリンクの収益が赤字の大きいxAIを支える構図になっているとして、投資家の批判を招いた。
スペースXはテスラから20億ドルの出資も受けた。さらにスペースXとテスラは計1190億ドルを投じ、半導体工場「テラファブ」を共同運営する計画も明らかにした。マスク氏は、会社を発展させるうえでの中核的な原動力だと強調した。
一方で、マスク氏1人に権限が集中した統治構造への懸念は根強い。ブルームバーグ通信は、IPO後もマスク氏がスペースXの議決権の85%を維持し、解任の対象にもならないと報じた。
今回のIPOに先立ち、250億ドル規模の資産を運用するデンマークの年金基金アカデミカーペンションは、マスク氏に議決権と取締役会の任命権を集中させる統治構造を「破滅的だ」と批判し、スペースXには投資しないと表明した。
ノーベル経済学賞受賞者である米ニューヨーク市立大のポール・クルーグマン教授も、自身のホームページで「マスク氏の『企業帝国』は人間版ポンジ構造だ」と批判した。クルーグマン氏は、テスラが電気自動車市場を先んじて切り開き、スターリンクも重要なサービスで実際の事業性を持つモデルだと評価した。一方で、マスク氏の富は、彼の天才性を信じる投資家が関連企業の株式を買い進め、株価上昇が再びその評判を高めるという自己実現的な信念に依存してきたと指摘した。
キム・ドンヒョン記者 3code@hankyung.com

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