アーク・インベスト、スペースX上場初日に5億ドル超買い付け 暗号資産の需給に重荷
概要
- アーク・インベストがスペースX上場初日に約5億ドル、330万株を買い付け、AI・宇宙テーマの新規上場株の比重を高めたと伝えた。
- 市場はアーク・インベストの買い付けをリスク資産内の資金回転と受け止め、短期的に暗号資産市場の需給負担が強まるとみている。
- スペースX上場の好調を受けて資金が革新成長株へ移るなか、ビットコインとアルトコインの需給回復を制約する可能性があると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



キャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベスト(ARK Invest)が、スペースX(SPCX)の上場初日に5億ドル超の株式を買い付けたことが分かった。ビットコイン(BTC)強気派として知られる同社が、暗号資産ではなく人工知能(AI)・宇宙関連の新規上場株に資金を配分したことで、短期的に暗号資産市場の需給負担が強まる可能性がある。
6月15日に暗号資産専門メディアのコインデスクが伝えたところによると、アーク・インベストは6月12日のスペースX新規株式公開(IPO)当日に約330万株を買い付けた。上場初日の終値ベースの保有株式価値は5億ドルを超えた。
スペースXの公募価格は135ドル、初日の終値は160.95ドルだった。上場初日の株価は公募価格比19.2%上昇した。コインデスクは、スペースXが過去最大規模のIPOを実施し、初日に株価が急伸したことについて、機関投資家が再び高ベータの革新株に高い価格を支払っていることを示すと評価した。
アーク・インベストは今回のスペースX買い付けに向け、既存保有銘柄の一部を売却したもようだ。コインデスクによると、同社は上場前週に約2億8000万ドル相当の株式を売却した。上場当日にもAMD、ロク、バイドゥなど13社の株式約94万8000株を追加で売却し、売却額は少なくとも4800万ドルに達した。
スペースX株の買い付けの大半は、アーク・イノベーションETF(ARKK)を通じて実施された。6月12日の取引終了時点で、スペースXはARKKのポートフォリオの3.28%を占めた。
市場では今回の買い付けを、リスク資産内の資金回転を示す動きとみている。ビットコインも高ベータ資産に分類されるが、足元の市場の関心はスペースXをはじめとするAI・宇宙関連の上場株に移っている。オープンAI(OpenAI)やアンソロピック(Anthropic)もIPOを進めており、革新成長株に対する機関投資家の資金需要は一段と強まる可能性がある。
コインデスクは「リスク資本には限りがある」と指摘した。さらに、ビットコイン強気派のキャシー・ウッド氏でさえ暗号資産を追加購入するのではなくスペースXに資金を振り向けている点は、短期的に資金が暗号資産市場から流出し続けるシグナルだと分析した。
アーク・インベストは自社モデルで、2030年のスペースXの企業価値を2兆5000億ドルと見積もっている。強気シナリオでは約3兆1000億ドルに達するとの見通しも示している。これは2024年の未公開市場におけるスペースXの評価額3500億ドルを基にした予測だ。
もっとも、アーク・インベストは依然として代表的なビットコイン強気派の一角に位置づけられる。アークはビットコイン現物ETFを運用しており、ウッド氏は長期的にビットコイン価格が100万ドルを超える可能性があるとの見方を示してきた。
市場では、スペースX上場の好調が革新成長株全般の投資家心理を押し上げる一方、短期的には暗号資産市場から一部のリスク資金が流出する要因になり得るとみている。特にビットコインが6万5000ドル近辺で反発を試す局面では、AI・宇宙テーマへの資金集中がアルトコインの需給回復を制約する可能性がある。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
