ビットコイン7万ドル割れ招いたオプション市場、今度は反発増幅要因に
概要
- 10xリサーチは、オプション市場の構造が2週間前のビットコインの7万ドル割れを深めた一方、足元では同じ構造が上昇を増幅し得ると明らかにした。
- 現在はネガティブガンマの規模が18億ドル水準で現物価格帯の近辺に集中しており、上昇時にはヘッジ買いが価格回復を支える可能性があると分析した。
- ビットコイン、イーサリアム、IBIT ETFのインプライドボラティリティが実現ボラティリティを下回るなか、マクロ環境も改善しており、反発の勢いとともに価格変動性の拡大の可能性も指摘された。
期間別予測トレンドレポート



ビットコイン(BTC)の7万ドルの支持線割れを加速させたオプション市場の構造が、今度は逆に上昇圧力として働く可能性があるとの見方を10xリサーチが示した。
10xリサーチは6月15日、X(旧ツイッター)への投稿で、2週間前にビットコインが7万ドルを下回った際、オプション市場のディーラーはその価格帯でショートガンマのポジションを抱えていたと指摘した。下落局面では現物を売ってヘッジせざるを得ず、その結果、調整が連鎖的な清算に広がり、ビットコインは6万5705ドルまで下落したと分析した。
ガンマは、オプション価格が原資産価格の変動にどの程度敏感に反応するかを示す指標だ。ディーラーがショートガンマの状態にあると、価格下落時には追加売り、上昇時には追加買いでリスクを調整する傾向がある。このため、特定の価格帯にショートガンマが集中すると、値動きが一方向に増幅されやすい。
10xリサーチは、このメカニズムは消えたのではなく、移動しただけだと説明した。今週のオプション市場全体で最大規模のネガティブガンマの行使価格が、足元の現物価格とほぼ同じ水準に位置しているという。この価格帯のネガティブガンマの規模は18億ドルに達すると推計した。
同社は、ビットコインが現在の価格帯で反発を続ければ、2週間前に下落を深めた構造が今度は上昇を増幅する要因になり得るとみる。前回はディーラーのヘッジ売りが下げ幅を広げたが、今回は上昇時にヘッジ買いが入り、価格回復を支える可能性があるという。
変動性指標も注目材料として浮上している。10xリサーチは、数カ月ぶりにビットコイン、イーサリアム(ETH)、ブラックロックのビットコイン現物上場投資信託(ETF)であるIBITのインプライドボラティリティが、実現ボラティリティを下回っていると明らかにした。オプション市場は、実際の市場が示している値動きより低い変動性を価格に織り込んでいると説明した。
これは、オプション価格が先行きの変動性を十分に反映していないことを意味する。実際の値動きがオプション市場の想定を上回れば、短期的には変動性の拡大とあわせて方向性を狙う売買が強まる可能性がある。
マクロ環境もビットコインの反発に追い風となっている。10xリサーチは、イランを巡る和平合意への期待がインフレプレミアムを押し下げているほか、ケビン・ウォーシュ氏が新たな米連邦準備理事会(FRB)議長に就けば、ハト派的な姿勢を示すとの期待もリスク資産への投資心理にプラスに働いていると評価した。
10xリサーチは、2週間前にビットコインの売り圧力を強めたのと同じ市場構造が、いまは逆向きに作用し得る環境が整っていると診断した。
市場では、ビットコインが現在の価格帯に定着できるかが短期的な相場の焦点となっている。オプション市場のガンマ構造や低下したインプライドボラティリティ、地政学リスク緩和への期待が重なれば反発の勢いが強まる可能性がある。一方、主要な満期を控えて価格変動もあわせて大きくなる余地がある。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
