米・イラン、停戦後60日間の追加交渉へ 核問題はなお課題
期間別予測トレンドレポート



米国とイランは6月14日(現地時間)、戦争終結を柱とする了解覚書(MOU)の締結で合意した。ただ、イラン核問題を巡る「最終」合意ではなく、限界も残る。両国は今後60日間、完全な戦争終結に向けてイランの核計画と対イラン経済制裁の解決策を探る必要がある。トランプ政権がイラン攻撃の最大の理由に核問題を挙げてきただけに、追加交渉で隔たりを埋められなければ、対立が再燃する可能性がある。
60日交渉で核問題を協議
両国は今後60日間、イラン核問題、対イラン経済制裁、ホルムズ海峡の開放を巡る具体策を協議するとみられる。
今回の米・イラン和平合意で最も注目されるのは、双方が「イランは核兵器を保有しない」という原則では一致した一方、核計画の処理方法は盛り込まなかった点だ。
核兵器保有の禁止は、イランが今後、核兵器を開発したり確保したりしないという政治的、宣言的な約束を意味する。イランもこれまで「核兵器を開発する意図はない」と主張してきたため、比較的受け入れやすい内容といえる。
一方、核計画の処理ははるかに敏感な問題だ。既に保有する高濃縮ウランを海外に搬出するのか、廃棄するのか。ウラン濃縮施設や遠心分離機を解体するのか。国際社会の検証をどう受けるのか。具体的な実行措置が問われる。
米国が最終的に求めているのは後者だ。核兵器を製造できる材料と施設そのものを取り除かなければ、核武装の可能性を元から断てないためだ。
米交渉団の要求は大きく二つある。第一に、イランがこれまで濃縮してきた高濃縮ウランなど、すべての核物質を直ちに国外へ搬出するか、恒久的に廃棄することだ。第二に、今後イラン領内で核物質の濃縮活動を一切認めない強力な事後統制を制度化することだ。
これに対しイランは、濃縮ウランの国内保有と平和目的の核計画は決して放棄できない主権だとの立場を崩していない。イラン高官はこれまで国際原子力機関(IAEA)や西側諸国との交渉のたびに、「イランの核計画は全面的に平和目的であり、核兵器を追求したことはない」との公式見解を繰り返してきた。
イラン、核爆弾10発製造が可能な規模
国際原子力機関(IAEA)によると、イランは2025年6月時点で60%濃縮ウラン441キログラムと20%濃縮ウラン約184キログラムを保有していた。専門家は、これらの物質が今も六フッ化ウラン(UF6)ガスの形で保管されているとみている。
天然ウランに含まれる核分裂性物質のウラン235(U-235)は1%にも満たない。このため、核燃料や核兵器の製造には濃縮工程が欠かせない。イランはナタンズ、フォルド、イスファハンの核施設で遠心分離機を使い、ウラン濃縮を進めてきた。
CNNによると、専門家は、60%水準の濃縮ウランを保有するイランが追加の濃縮施設を確保すれば、核兵器製造の基準とされる90%濃縮段階まで数週間以内に達する可能性があるとみている。保有量は理論上、核爆弾10発前後を製造できる規模と評価される。
専門家は、軍事力による核物質の回収は現実には容易ではないと指摘する。ブリューワー研究員は「空爆前にイランが一部の核物質を別の場所に分散させた可能性がある」と述べ、「現時点で正確な所在をすべて把握しているとは言いがたい」と付け加えた。
イラン、即時の資金流入が必要
合意案には、イランが240億ドル規模の凍結資産の半分をまず返還され、残る半分は60日間の交渉期間中に返還する案を巡って協議する内容も盛り込まれた。
経済制裁によって民衆蜂起まで経験したイランにとって、即時の資金流入と経済制裁の解除は、終戦交渉を受け入れる最大の名分だ。
それだけにイランは、凍結資産の解除を通じた早期の資金流入を望んでいる。
ただ、米国は国内の強硬派の反発を意識し、無条件で凍結資産を解除するのではなく、イランの非核化措置などの履行状況に応じて段階的に資金を解放する「行動対行動」の原則を掲げるとみられる。
イスラエルの反応も変数
パキスタンが仲介した今回の協定には、イスラエルとレバノンの問題も含まれた。レバノン問題は交渉過程で最大の障害の一つだった。これに先立ち、親イラン武装組織ヒズボラがイスラエル北部に向けてロケット弾を発射した。これに対しイスラエルがベイルート南部のヒズボラ拠点を空爆し、協定が頓挫する懸念も強まった。イランの代理勢力であるヒズボラやフーシ派武装勢力をどこまで統制できるか、イスラエルが追加の軍事行動を自制するかなど、なお多くの変数が残る。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこれまで、国際社会の対イラン融和措置や核合意の試みに対し「悪い合意は、合意しないより悪い」と批判してきた。さらに「イランとのいかなる合意もイスラエルを拘束できず、イスラエルは安全保障のために必要な独自の行動を取る」と強調してきた。米国がイランの核計画を廃棄できなければ、イスラエルが独自に武力を行使する可能性を示した発言と受け止められる。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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