ウォン相場、一時1550ウォン台に上昇 2009年3月以来の高水準、中東リスクが焦点
概要
- ウォン・ドル 相場 が1550ウォン台を突破し、世界金融危機以来の高水準を記録した。外為当局は 強力に対応 する方針を明らかにした。
- 証券業界は、外国人の株式離れ と ドル高 を相場上昇の主因に挙げ、中東戦争など対外リスクの解消が必要だと分析した。
- 今後は ECB・BOJ・FOMC・MSCIレビュー などのイベントに加え、外国人買いが戻るかどうかが焦点となり、ウォン・ドル 相場安定 の時期は見通しにくいとした。
期間別予測トレンドレポート



ウォン・ドル相場が1550ウォン台に乗せ、世界金融危機時に近い水準まで上昇した。外為当局が強い対応姿勢を示すなか、相場の行方に関心が集まっている。市場では、相場安定には中東情勢など対外リスクの解消が欠かせず、外国人投資家の韓国株売りも和らぐ必要があるとの指摘が出ている。
6月9日のソウル外国為替市場によると、前日のウォン・ドル相場は前営業日の日中終値に比べ16.1ウォンのウォン安・ドル高となる1ドル=1555.2ウォンで始まった。始値ベースでは、2009年3月6日以来の高水準だ。その後は上げ幅を徐々に縮めて下落に転じ、終値は前営業日の日中終値比4.1ウォンのウォン高・ドル安となる1ドル=1535.0ウォンだった。
相場の反転には、外為当局の口先介入が影響したとみられる。韓国銀行と企画財政部は「最近の外為市場では、需給要因に加え、オフショアの差金決済先物為替(NDF)など一部の投機的な外為取引が変動性を高めたと判断している」と明らかにした。さらに「ファンダメンタルズに比べ過度な変動性や一方向への偏りは決して容認せず、強力に対応していく」と強調した。
証券業界は、外国人投資家の韓国株離れをウォン安の主因に挙げる。NH投資証券のクォン・アミン研究員は「マクロ環境や経常収支の需給改善とかけ離れた足元の相場上昇は、需給要因によるものだ」と述べた。連日続いた外国人の株式市場での純売り越しと、それに伴うカストディー(委託保管)関連のドル買いが影響したと分析している。
ドル高圧力もウォン安要因として意識されている。シンハン投資証券のイ・ジンギョン研究員は「中東戦争を巡る不確実性で安全資産選好が強まり、ドルは主要通貨に対して強含みの流れを続けている」と説明した。原油価格の急騰と底堅い米景気指標が重なり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに転じるとの期待が高まったことも、全面的なドル高を支えているという。
ウォン・ドル相場の安定には、対外リスクの解消が必要との見方が強い。韓国投資証券のムン・ダウン研究員は「弱材料が順次解消されるのを待つしかない」と指摘した。最大の下落転換点については「多くの問題の出発点となった米国とイランの戦争が終わり、ドルの力が弱まること以外には見当たらない」と語ったうえで、「それまでは上値がどこまで伸びてもおかしくない」と付け加えた。
もっとも、ウォン安を促す可能性のある材料はなお多い。クォン研究員は「欧州中央銀行(ECB)の理事会、日本銀行(BOJ)の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)、株式需給と密接に関わるMSCIレビューがいずれも6月に予定されている」と説明した。そのうえで、日程を踏まえると当面のウォン・ドル相場の安定や外国人売りの沈静化を見込むのは難しいとの見方を示した。
外国人の韓国株離れの緩和も、相場安定の条件となる。イ研究員は「外国人ポートフォリオ内での韓国株比率の調整が終盤に入り、世界の半導体市況の改善期待が維持されれば、外国人買いの回帰を期待できる」と述べた。一方で「比率縮小が構造的な性格を持つ点を踏まえると、具体的な復帰時期を予断するのは難しい」とし、当面は不確実性要因として残るとみている。
ただ、足元のウォン安を金融危機の兆候とみるのは適切でないとの見方が大勢だ。ムン研究員は「世界金融危機時は、外国人資金が流出すれば危うい国だったが、今は居住者が自発的に海外へ資金を振り向け、対外資産を積み上げている」と説明した。その過程で構造的にドル需要が高まり、この3年でウォン・ドル相場が急速に上昇した面もあると分析している。
イ・ス 韓経ドットコム記者 2su@hankyung.com

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